第4回fuzzカップ決勝観戦記 1回戦
【担当記者:今田孝志】
1年に渡る長い戦いもいよいよ決勝戦。熾烈なサバイバルトーナメントを勝ち抜いた4名の選手が、頂点を目指して最後の戦いに挑む。
4名の決勝進出者のうち、プロ歴が最も短いのが田口淳之介。
プロ2年目で決勝の舞台に辿り着いた。
雀王戦の所属リーグはFリーグ。fuzzカップ優勝者はB2リーグへ特別昇級となるので、田口が優勝すると空前の10段階昇級。
対戦相手は実績・経験で自身を大きく上回る格上ばかりだが、試合も雀王戦も下克上といきたい。
東1局。田口は發暗刻でドラ1赤2のテンパイ。ダマテンでもマンガンだが、カン6索待ちでリーチといく。これは不発に終わるが、数々の大物手を決めてここまで勝ち上がってきた田口は、決勝でも大きく振りかぶっていく。
東3局は赤入りチンイツで3000-6000のツモアガリ。
大物手を決めて東場をトップ目で折り返す。
田口は南1局にも先制リーチにいくが、ここは追いかけリーチの小川にドラの白で12000を放銃。すんなりとは勝たせてもらえない。
市井悠太。日本プロ麻雀協会の事務局長であり、雀王戦はB2リーグ所属の実力者。だが意外なことにタイトル戦決勝は初。それだけにfuzzカップ決勝への意気込みも人一倍であろう。
東4局。②③④④の①-④ピン待ちから三萬単騎に待ち変えをして、小川から6400を出アガリ。四萬を3巡目に捨てていて、三萬は自身でチーしている牌。①-④ピンが出ないと見て、盲点になる三萬に狙いを定めた技ありのアガリ。市井が三萬をツモ切っていると田口にマンガンのチーテンが入るところだっただけにファインプレイ。
南2局はドラのカンチャン待ちリーチを一発ツモ。
初タイトルに向けトップ目に立つ。
小川裕之。雀王戦A1リーグ所属。誰もが認める実力者。二度の雀王決定戦進出をはじめ、数々の決勝戦に勝ち残っている。昨年もRMU様主催のRMUクラウンの決勝戦に出場している。
ところがどういう巡り合わせか、決勝での成績は芳しくなく二度の雀王決定戦もRMUクラウンも4位に終わっている。決勝進出自体が凄いことなのだが、このfuzzカップこそは頂点に立ちたい。
東2局。親で3メンチャンテンパイ。
当然の先制リーチを打つが、この③⑥⑨ピンが脇に次々と流れ、小川はツモれず。流局となる。
南3局。渋川のリーチを受けてこの形。
渋川は7索を手出しで2枚捨てていて、小川からは7索・8索が3枚ずつ見えている。7索は現物、9索もほぼ安全そうに見え、ここを落としていくことなるが、渋川の待ちは3-6-9索待ち。
しかも9索は三色の高目。
小川の決勝戦はまた苦しい戦いとなりそうである。
渋川難波。優勝候補筆頭を挙げるとすれば、やはりこの男であろう。
雀王・雀竜位・日本オープンの協会の3タイトルを獲得し、KADOKAWAサクラナイツ所属のMリーガー。fuzzカップとほぼ同じルールのMトーナメント2023でも優勝し、赤ありトーナメントで無類の強さを誇っている。
東2局1本場。二萬・八萬のシャンポン待ちで先制リーチ。これをツモアガって2000-4000。当たり前のことを当たり前にやって、当たり前に優勝に向けて進んでいく。
南4局を迎えて点棒状況は以下の通り。
渋川 35000
市井 29600
小川 18200
田口 17200
親の第一打の②ピンを渋川がポン。
アガればトップの渋川が、自ら1回戦の幕を引きにいく。
さらに6索をチーして、③-⑥ピン待ちでテンパイ。
直後に小川もテンパイ。
イーペーコー確定の五-八萬待ち。赤1内蔵でリーチしてツモればマンガンだが、小川はダマテンを選択。
マンガンツモでも2着には届かず、リーチ棒を出すとラス目の田口と並んでしまう。
次巡、小川のツモは⑥ピン。渋川のアガリ牌。
渋川に放銃すれば小川はラス落ち。
そのためにリーチをしなかったといわんばかりに、当然のようにテンパイを崩す打七萬。
思うに任せない展開の続く小川だが、それを嘆くのではなく、できることを丁寧にやる。
渋川がツモアガって1回戦トップを決める。
2着は市井。
ラス落ちの危機を凌いだ小川が3着。
田口は悔しい4着スタートとなる。