【30】 平気なフリをしているだけで、心はしっかり傷付いていた…私たちの別れの日
このお話はセフレだった男女が
結婚するまでの1000日間を
赤裸々に綴った超絶ドロゲス
ノンフィクションエッセイです
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推しのセフレ・イケチンと9ヶ月間のセフレ期間を経てどうにかこうにか交際するも、彼が1人暮らしを始めたことで飲みに行く頻度が爆増し、完全なる「待つ女」に成り下がってしまったアラサー婚活戦士の私。
その週の土日に飲み会朝帰り2連チャンを決められ、揉めに揉めまくった末に「飲みに行くのはしばらく控える」「行くときはしっかり報連相する」という約束を前日に取り付けていた私は、深夜に妙な胸騒ぎがして彼の部屋を突撃する。
すると案の定、彼は不在で、何度インターホンを鳴らしても出てくることはなかった。
慌てて彼に連絡する。
しかし30分後、彼から突然送られてきた写真を見て、私は驚愕した。
そこには笑顔の男友達と4人で飲むイケチンの自撮り姿が写っていた。
違う、そうじゃない…
男友達ならオッケー!安心安心!
って話じゃないんだ。
私は彼が約束を守れる人間かどうかを見ている。
彼女に嫌な思いをさせてしまったことを反省し、不安にさせない努力をして、自分の欲求を我慢してでも2人の関係を改善しようとする姿勢が見たかったんだ。
彼はすべての約束を破って私の存在を無碍(むげ)にして、こっそり飲みに繰り出していた。
もちろんバレても悪びれもしない。
法で縛られているわけでもないし、当然の権利とでも言いたげな様子だった。
でもここで怒ると逆効果だと分かっていたので、私は「明日も仕事なんだから、ハメを外しすぎないでね」とだけ送って、そのまま自宅に帰った。
が、当然ながら、そんな状態で眠れるはずがなかった。
深夜の2時になっても彼から連絡がなかったので、「何時に帰ってくるの?」とだけ送ると、30分後に「今から帰るよ」と返ってきた。
しかしそれから2時間待っても、彼から帰ったという連絡はない。(飲んでいるのは歩いて15分ほどの場所)
何度電話をかけても繋がらなかった。
彼の家の下で張り込んでいないと、女の子を連れ込まれるかもしれない。
そんな恐怖に怯えながら、自室の布団で丸くなって、ずっとスマホを見つめていた。
何度も自分との約束をないがしろにされて、雑な扱いを受けていることに頭では気付いていたけれど、私はずっと平気なフリをしていた。
本当はものすごく悲しかった。
辛くて泣き出したくて、こんな状況から逃げ出したくて、大切に育ててもらったお母さんに申し訳なくて、アラサーにもなって3日連続男の帰りを朝まで待ってる自分が惨めで情けなかった。
平気なフリをしているだけで、心はしっかり傷付いていた。
私はもう、こんな生活からは撤収して、今まで通り自分らしく生きたほうがいい。
そんなこと、もうずっと前から分かっていた。
朝5時になって、ようやく電話が通じた。
こんな討論が続いた。
もちろん彼は泥酔していて、理性的な会話ができる状態ではなかったけれど、本人が「ちゃんと話し合いをする」と言うので、通話をしながら歩いて彼のマンションへと向かった。
15分ほどで到着し、インターホンのチャイムを押す。
しかし、なぜか何度呼び出しても彼はオートロックを解錠してくれなかった。
もちろん電話をかけても繋がらない。
私が彼のマンションに向かっていることは、電話でも話していたし、絶対知ってるはずなのに…
もう1度インターホンを鳴らす。
すると彼から「うるさいんやけど」という冷たいメッセージが送られてきた。
約束を破って朝まで飲んで、自分で私を呼び出しておいてこの仕打ち。
そのとき彼に送ったメッセージは、私の心の叫びだった。
こんな人と付き合っていけるはずがない。
結婚なんてできるわけがない。したくもない。
心がズタボロになった私は、そのまま彼に別れを告げた。
▼ インターホンを鳴らした後の会話
こうして私と彼の4ヶ月半の交際は幕を閉じた。
この4ヶ月半、楽しい瞬間ももちろんあったけど、辛い出来事のほうが圧倒的に多かった。
ある時は「正直、こしきちゃんよりも4年間付き合ってた元カノへの愛情のほうが大きい」とハッキリ言われた。
「俺の愛情は時間でしか育たないから、もし結婚するにしても4年以上先になると思う」と言われたこともある。
交わしてきたどんな約束も最後まで守られることはなかった。
彼は私との関係よりも、いつだって「俺の自由」を優先した。
それでも彼が好きだった。
一緒にいるときのしっくり感や、脳が喜ぶ阿吽の会話、身体的な相性、スキンシップの取り方まで、すべてが群を抜いて私の好みだった。
ずっと真面目に生きて来た私にとって、彼の存在は新鮮だったし、本能が彼を求めていた。
それでももう、彼と一緒に過ごすことはできない。
彼といると、自分の存在には価値がない、大切にされるような女ではないと、何度も何度も思わされる。
こんなこと、今まで付き合ってきたどの男性も、決して思わせてはこなかった。
私が交際してきた元カレたちは、決してこちらに敵意を向けず、いつだって優しくて、私を1番大切にしてくれる、真面目で誠実ないい男ばかりだった。
そのことに気付いた私は、自ら始めたこの恋を、自分の手で終わらせる決断をした。
▼ 別れたあと、私が少し落ち着いてから送ったLINE(と言ってもインターホンガン無視事件の3時間後だけど)
でも人間ってバカなもので、これだけ苦しんだにも関わらず、
私はこうして"大好きな人から同じだけ愛されること"を1度諦めてしまった結果、そこに心残りが生まれてしまったんだよね。
たぶん、巷のあらゆる恋愛本やインフルエンサーの発信には、「雑に扱ってくる男からは去りましょう!」って書かれてると思うんだけど、
私は(それって結局自分の力で好きな相手を落とせなかった、つまり恋愛勝負に負けて逃げてるってことだよな…)と考えてしまうから。
そんなわけで、全員が「もういい…休めッ」って私に肩ポンしたいタイミングだと思うけど、この物語はまだまだ終わらない。
次回、私の【再・婚活編】スタート!
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-【31】へつづく -
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