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恋人は「口下手で面白くない男」がいい

恋人に面白さや口の巧さは要らないと、私は常々思っている。

以前の私はとにかく「面白い人」が好きで、元カレの中には芸人を目指している人までいたんだけど、今はそういう口達者な男にはあまり魅力を感じない。

▼ 私が考える「面白さ」

先日、美人の先輩の結婚式で、新郎のスピーチがすごく下手くそだった。

その新郎は20代にして会社を経営する人で、言葉遣いも出で立ちも完璧で隙がなかったけど、いかんせん話が面白くなかった。

私はもちろん、関西から来た新婦側の参列者全員が「コイツつまんね」「オチどこやねん」と思っているのが目に見えるほどにスベり散らかしていたのだけど、関東出身の彼やその知人の参列者たちはそんなことには一切気付いていない様子で、『どうだ凄いだろう』と言わんばかりに満足げだった。

うまいスピーチって、ただつらつらと綺麗な日本語を並べ立てるだけのものじゃない。

緊張と緩和。パリッとしたムードの中でも笑いどころを1つは作り、その人が何を話したかを翌日になってもみんなが覚えていること。これがいいスピーチ、すなわち面白い話の条件だと私は思う。

夫婦共通の知人である司会者の男性は、会の最後にこう言った。

『ハイ、じゃあ最後、この会のシメのことばは新婦のリナさんからお願いします!新郎よりもね、確実にいいスピーチができると思うので』

会場は大笑いだった。だって、実際本当にその通りだと誰もが感じていたから。

ほんの2時間の披露宴の間ですらも、夫婦どちらがより機転が利いて面白い脳を持っているのか、全員が見抜いていた。

純白のドレスを纏った新婦は、関西人らしく笑いを交えた完璧なスピーチで、参列者全員の笑いと涙を誘っていた。


▼ 世の中の男は基本面白くない

私はこれを見て、「未来の私と彼氏の姿も多分全く同じになるな」と思った。

私の彼氏は関西人のくせにアドリブで話すことがものすごく苦手で、仮に面白い台本があったとしてもそれを面白く話すだけのポテンシャルのない男だと思う。

これは私の彼氏に限った話ではない。世の一般男性は、内輪ネタでは大層笑いを取る割に、街頭インタビューのような初対面でのアドリブを要求されるシーンでは気の利いたことが一切言えない。

それが得意(つまり口達者)なのは恐らく女性の方で、だからこそ深夜のバラエティ番組などでは女性へのインタビューシーンばかりが使われているのだと思う。大阪のおばちゃんとかね。

芸人さんにはあらゆる事情でまだまだ男が多いけど、一般社会の男性は正直本当に口下手で面白くない。たいていの場合、自分たちだけが面白いと思うネタで笑っている。内輪から抜けきれていないので、外野が聞くとシラケる。

公の場で行う話に求められる面白さと、内輪ネタで笑える面白さとの間に乖離があるからかもしれないけれど、たぶん今回のように「新郎よりも新婦の方が話がうまい」というケースは往々にしてあるのだと思う。


▼ 「面白い男」に生じる大きすぎるデメリット

とはいえ私は、彼氏に面白さを身につけて欲しいなんて微塵も思っていない。

だって「面白い男」は、配偶者にするとなると大きなデメリットがあるから。

まず、口が達者で面白い男は浮気をする。

これは男に限らず、男女ともにそうかもしれない。口が巧い人間は人を操る術に長けているので、本人の魅力度に関わらず浮気をする可能性が高い。その上「コイツ程度なら誤魔化せる」ってパートナーをナメてるんだよね。

逆に寡黙で面白みのない男性は、浮気をする才能もないと思っている。じっくり付き合ってみないと良さが分からないタイプの男に、遊びの女は寄り付かないから。

結婚式でのスピーチは私が頑張るから、彼には一生口下手な男でいて欲しいなぁ…と私は思う。

彼の良さは、私だけが知っていれば良いから。

逆に考えると、ドイケメンや面白い男を求める女って、相手のことを「人気があるから好き」だと思っているケースが多い。

いわゆるトロフィーワイフの男女逆バージョンね。「私はこんなに良い男捕まえたよ見て見て!」って感じで。

顔に関しては我が子への遺伝もあるから一概にそうとは言えないし、私自身もそっちの理由でイケメンの方が好きだけど、面白さに関しては特に遺伝するものじゃない(後天的要因が大きい)ので必要性を感じない。明るい家庭が築ければそれで良いと思ってる。

だから私は彼氏に面白さなど求めない。むしろ不要。

面白い(と自負している)男を恋人にするのって、あらゆる点についてしっかり考えると、メリットよりもデメリットの方が大きい。

そう考えると、あの美人の先輩が結婚相手に口下手で面白みのない男を選んだ理由もすごく納得できる。


▼ 【女がツッコミ】のカップル最強説

私に対して発揮される面白さや口の巧さは、他の女に対しても発動する。なので、そんな危険なオプションは選びたくない。

面白さなんて相手が持っていなくても、こちらから発掘できる。

どこか抜けてる人(天然ボケ)はそれだけで勝手に笑えるし、自分に人並みのツッコミスキルがあれば相手が黙っててもそれなりに面白くできる。

男女関係は「ボケとツッコミ」で、コンビ芸人と同じくしっかり役割分担できているほど強いように思うんだけど、その中でも特に【女がツッコミ】のカップルは一段上だと私は思う。

【男がツッコミ】の関係は、まだ男女の枠を抜けきれていないというか、典型的でいくらでも替えが効くのでそこまでハマらない。

一方、逆は『こんな適切なツッコミくれる女おらん』「この男はいつも私のことばで笑ってくれるな」と互いに唯一無二感を感じることができるので、周りを見ていても長く続いてるカップルが多い。

これはもしかすると私が関西人ゆえの感覚なのかもしれないけど、男は潜在的に女に面白さを求めているし、女は自分の面白さを100%披露できる男を求めている。

『女と話していても男のように面白くない』と言う男性はこのあたりを履き違えていて、女が面白いことを言えない雰囲気を自ら作り出している(つまりオモシロイオレアピールばかりに精を出している)んじゃないかと思う。

私だって彼氏以外の男性に対しては、「なんでやねん」をすべて「あはは」に変換しているし、女芸人のような振る舞いをすると嫌がる人や、女にツッコまれるとプライドが傷付く人もいるので、そんな言動は一切しない。

初対面の男性や気を遣う相手に対しては、相手が披露する“オモシロイオレ”を笑ってあげる他にない。

だからこそ男性は自らの面白さを演出するより、女の素の面白さを引き出せる人の方がモテる、と私は思う。

もちろん男性側にプロ芸人ばりの面白さがあれば話は別だけど、そうでもなければ女から軽率にツッコめる隙のある人の方が一緒にいて心地いい。


▼ 本当にモテるのは「私が主役よ願望」を満たせる男

私は今日も彼氏にツッコミを入れる。

他の男性にはツッコミを入れられてばかりだし、恐らくそれが『女を楽しませること』だと思われているのだと思うけど、“オモシロイオレ”を披露されて笑ってあげるのは結構しんどい。しかしこれが女の社会的任務だったりする。

だから家で自分の恋人にまでツッコまれたくない。俺の面白さ発表会は要らない。

私の方が面白くありたい。あらせて欲しい。

このあたりの潜在的需要(私が主役よ願望)を満たしてくれる男性は中々いないので、本当にもったいないなぁと思う。

みんな押せ押せでオモシロイオレアピールしてくるじゃん。あれ要らないから。

① 面白い(オレアピールをしてくる)男は浮気をする可能性が高い
② 自分のツッコミを披露できる(面白さを引き出してくれる)男の方が心地いい

上記の理由で私は「面白くない男」(自分の面白さをアピールしてこない男)を選ぶ。

そしてこの考え方は、すべての男女関係にオススメしたい。


自分の恋人は口下手 or 口達者、うちのカップル(夫婦)はこっちがツッコミ役、とか経験談があれば教えてね( ¨̮ )︎︎


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とうもろ こしき
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