【考察】『発見されなかった友人の遺品 - What the deceased left behind』【フェイクドキュメンタリー「Q」】
はじめに
皆さん、こんにちは。
忍び寄る夏の足音に怯えている猛暑苦手民、葉月めまいです。
本稿では『フェイクドキュメンタリー「Q」』のYouTube動画、
『発見されなかった友人の遺品 - What the deceased left behind』を考察していきます。
ネタバレを含みますので、視聴後に読んで頂けると幸いです。
↓元動画 ホラーなので苦手な方は注意。
謎①
では、ここからネタバレ有りで考察していきます。
うーん、不審点が盛り沢山ですね……。軽くまとめると、
①ナオトさんの死の状況
②遺品の出現と状態
③撮影者と友人たち
この3つに分けられると思います。
1つずつ、考えていきましょう。
仮説①
まず、ナオトさんの死の状況について。
写真にナオトさんの後ろ姿が写っているのですから、
同行者が存在したことは間違いないと思います。
そうである以上、最後の写真に写っている女性の正体は、
幽霊ではなく人間だと解釈する方が自然です。
女性がナオトさんの遺品を持っているように見える点、
女性の足元に影が写っている点も、その傍証となるでしょう。
以後、この人物を便宜上、女性Xと呼称します。
女性Xはナオトさんの自殺現場に同席していたにも関わらず、
その事実を隠し、しかも遺品を持ち去っていることになります。
これらの状況から、葉月は「女性Xがナオトさんを、自殺に見せかけた上で
殺害したのではないか?」と仮説を立てました。
矛盾①
ところが、そう単純には解釈できません。
遺品が発見されていないのに、警察は自殺と判断したわけですから、
ナオトさんの遺体に不審な点はなかったということです。
つまり、ナオトさんは実際に自らの意思で、
薬物を過剰摂取したと考えられるのです。
仮説②
では、他殺ではあり得ないのでしょうか?
そうとも言い切れません。
まだ「誘導自殺による他殺」の可能性が残っているからです。
例えば女性Xが心中を持ち掛けるなどして、自分だけ生き延びた場合、
現場にはナオトさんの自殺遺体だけが残る結果になります。
仮説③
続いて、遺品の出現と状態について考えていきます。
コメント欄などで、既に多くの方が指摘されているように、
遺品の状態は十数年も放置されていたにしては、綺麗すぎます。
また、警察が発見できなかった遺品が、
現場のすぐ近くに落ちていること自体、極めて不自然です。
よって、遺品は十数年間、ずっと放置されていたのではなく、
十数年越しに何者かが置いていったのだと考えられます。
以後、遺品を置いた人物を、未知の人物Yと呼称します。
友人たちが毎年、慰霊のために訪れているわけですから、
「あの場所に置いておけば高確率で発見してもらえる」と
未知の人物Yは考えたのでしょう。
謎②
そうなると、新たな疑問がいくつか浮かび上がってきます。
①未知の人物Yとは誰なのか?
②遺品を置いた目的は何なのか?
③遺品を置く必要があったとして、なぜ十数年後の今なのか?
矛盾②
「遺品を持ち去った人物は女性Xである」という仮説に従うなら、
女性X=未知の人物Yだと考えるのが素直な解釈です。
当たり前ですが、遺品を所持していなければ、
遺品を置くことはできないからです。
しかし、写真にはナオトさんの後ろ姿と、
彼女自身の姿が写っていたのですから、
むしろ女性Xは遺品を発見されない方が望ましい立場のはずです。
これはどういうことでしょう?
仮説④
ここは目的から考えてみましょう。
「結果」を見れば「目的」は明らかであるように感じられます。
遺品が発見された結果、何が起こったか?
ナオトさんに同行者がいたのではないかと疑うきっかけになり、
女性Xの犯行可能性が示唆されたのです。
つまり、未知の人物Yの目的は「女性Xに対する告発」だと思います。
となると、未知の人物Yの正体は女性Xではない、という解釈になります。
それを踏まえて考えると、遺品が十数年後に出現した理由は、
未知の人物Yが遺品を手に入れるのに十数年かかったからでしょうか。
矛盾③
ですが、未知の人物Yはなぜ、遺品を山に置いて、
友人たちに発見させるという迂遠な手段を選んだのでしょうか?
告発が目的であれば、遺品を手に入れた経緯を説明して、
真実を訴えかけた方が有効そうに思えます。
例えば「非合法な手段で手に入れた」などの、説明できない理由があったのでしょうか。
しかし、その経緯を積極的に示唆する根拠は見当たりません。
飛躍
未知の人物Yは説明したくない理由があるのではなく、
そもそも説明すること自体が不可能だからこそ、迂遠な手段を取っているのではないでしょうか。
具体的には、未知の人物Yの正体はナオトさんに取り憑いていた幽霊なのではないか、というのが葉月の考えです。
もちろん、こちらの仮説を積極的に示唆する根拠もありませんが。
結論
ここまでの考察をまとめます。
ナオトさんは女性Xと心中するために山を登った。
女性Xは生き残り、ナオトさんの遺品を持ち去った。
十数年後、未知の人物Y(幽霊?)が遺品を手に入れた。
未知の人物Yは山に遺品を置いて、友人たちに発見させることで、女性Xへの告発とした。
以上が、葉月の解釈となります。
補遺
すっかり忘れるところでしたが、最後に「撮影者と友人たちの不自然さ」について。
ハッキリ言ってしまうと、葉月はこの点を重要だと思っていません。
身も蓋もない表現をしてしまえば、単なるミスリードだと考えています。
不審点は主に、
①毎年登山しているにしては、撮影者が疲れすぎている。
②花やゴミ拾いに関する会話が、初めて来たように感じる。
という2点だと思うのですが、
前者については単に「撮影者は、今回初めて同行した」と考えれば、矛盾はしません。
ナレーションでは「彼ら」や「友人たち」が毎年登山をしている、と
説明されているだけですから、それは撮影者を除く3人のことなのでしょう。
後者についても、
「慰霊登山は毎年しているが、花を持ってきたのは今回が初めてであり、
去年はゴミも多く落ちていなかった」と解釈すれば矛盾しません。
この動画自体が「撮影者がQスタッフに送った物」だと考えられるので、
あからさまな不審点は、既にQスタッフが調べているはずです。
だからこそ逆説的に、友人たちの明らかに不自然な会話は、さほど重要ではないと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。