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そのカスタム、流されてないか?

今回珍しくベイブレードXをテーマにしたいと思います。
普段イベント担当として各種運営側にあたっている中に
ポケカだけでなくベイブレードXも含まれています。

それでいつもユーザーも兼ねるようにしているのですが
(最近はちょっと予算不足で回せていませんが)
だんだん新しいユーザー層が競技に流れてきたのと同時に
「これ、どうなんだろうなあ」と常々感じていたことがあり
せっかくなので話題にしてみたいと思います。


情報社会の影響かな?

これは必ずしもそうかは分かりませんが、
やはりYouTubeなどから色んな情報を誰でも見やすくなり
流行りのベイ」の拡がりは明らかに早い気がします。

パッと見カジュアルユーザーかなと思われる子でも
ブレードはちゃんと「それ」という事はとても多いです。

フルカスタムについてはまあご予算などもありまちまち。
それでも母数の多さを見れば誰が見ても分かるほど
「○○が強いらしいから使おう」という空気があります。

それ自体は別に悪いことではありませんし、
皆強くなりたいんだなと感心するところでもある、

のですが…

→「流行りのベイ」が何なのかという問題

さてシーンは実際の大会の様子としてお考えください。

8~9割の参加者が「流行りのベイ」を使っているとします。

ベイの大会形式は基本的に「トーナメント」。
毎回勝者と敗者に分かれ人が減っていくわけです。

1回戦終了の時点で実に半分が負けて終わります。
当然負けた中の大半も「流行りのベイ」になりますね。

ほとんどの人が使ったベイなので必然ミラーマッチ、
同じベイ同士での対戦も多くなっており、
その中で惜しくも負けた彼らのベイ。

その「敗因」を見ている側なりに考えてしまいました。

前提として、フルカスタムではないから、はあります。

ベースが同じならより突き詰めた「本物の流行カスタム
の方が強くなりやすいはずですから、どうしても
あり合わせからそれっぽくした側が負けやすいです。

これにはカジュアルユーザーが多く引っかかりやすく、
全てのパーツがしっかりキマっているか
勝敗を非常に大きく左右する点です。

たくさんの人が各地で大会に出て、その上で勝ったことで
流行るカスタム、の説得力は伊達ではありません。

とはいえこの点は言ってみれば基礎中の基礎、
これが理由で勝てないならユーザーからしてみれば
「それはそうだろう」くらいのことかもしれません。

問題は「フルカスタムなら勝てるのか?」という話です。

結論から言ってしまうと、多分難しいです。

ここで補足情報ですが、ベイブレードにおいて
「最終的には大体スタミナタイプが流行ることが多い」
という特徴があり、ちょうど今がそんな時期です。

この記事を書いたのはまさにここ2回の大会における
現実として上記の「ベイめっちゃ被ってるんだけど?」
を見たあとですからね。

そんなスタミナタイプの流行りの中で、
形としては完全コピーまでやり切ったとしましょう。
「これが最強カスタムだ!」というのがあったとして。

条件を合わせるために相手もそうだとします。
完全な100%ミラーマッチです。

スタミナタイプ、というのはその名の通り持久戦をし、
じっくり戦い抜いて相手よりも長く回ることを目指す、
競技的には「堅実に勝つ」ことを目的にしたカスタムです。

そのミラーともなれば不運な当たり方でもしない限り
お互い最後まで回りきっての決着を迎えるでしょう。

ユーザーであればなんとなく察せるかもしれませんが、
この条件でカジュアル側が勝てる方が珍しいです。

「堅実に勝つ」ということはいい事ばかりではなく、
「負ける時には徹底的に負ける」側面も持っています。

運で番狂わせを起こす能力がとても低いためです。

結果としてよりシュートが上手い方、基本的には
より綿密に練習しているガチ勢の方が勝ちやすい
これがスタミナミラーの現実です。

もっと言えば「オープン大会」(子どもから大人まで)だと
「子どもvs大人」のマッチアップも当然起こるわけで、
そうなると単純なシュートパワー差に呑まれる可能性も
更に増えてきます。

両者粘り勝ちたいなら大体は強く撃った方が勝ちます。
もちろん技術的にはその限りでもありませんがひとまず。

そこで少し変わった見方をした筆者は思ったわけです。

「むしろ流行りに乗った分負けるのでは?」、と。

→もしかしたら

流行りの波がスタミナにある場合、上記の理由により
結局強い方が勝つ、という結末になりがちです。

文脈としては何もおかしくはないのですがそれはそれ、
じゃあ初心者、カジュアルはずっと勝てないのか!?
となっては困りますよね。

現実ではさすがに全てが完全ミラーマッチではないので
流行りを真似る方針でも勝てる時は勝てますが、
筆者としてはここにもう一手間加えることで、
いざという時に更なる勝利をもぎ取っていただきたい。

鍵となるのは「ユーザーとしてより上手い人」との対戦。
ここでミラーマッチをするとポイント差0-4の恐れが。

筆者からの提案はシンプル、かつ基礎的なものです。

「アタックタイプ、使ってみませんか?」

ベイブレードは昔から、公式が思い描く設計として

アタックはスタミナに強く(粘られる前に速攻で倒す)
スタミナはディフェンスに強く(粘り合いなら負けない)
ディフェンスはアタックに強い(攻め切らせず返り討ち)

という三すくみ、じゃんけん的な発想があります。

「じゃあなんで流行りは偏るのか?」といえば
何回も何回も戦い続けることを考えてみた時に、
特にアタックはちょっと運要素が強すぎるためです。

理論上のじゃんけんとは別に、実際問題回した時に
いい具合に相手とぶつかっていい具合に吹っ飛ばせるか
これがどうしても毎度は上手くいかないと。

なのでアタックは意識的に避けるという層も多く、
アタックに強いディフェンスを使う理由も少なくなり、
じゃあ皆が粘り合いならスタミナが一番勝てるよね、
そういう流れが出来やすいという感じです。

先述の「堅実に勝つ」という点が好かれやすいんですね。

しかしながら仮にも本来の設計意図がある通り、
スタミナ相手に一泡吹かせやすい、番狂わせが起こる
この点においてアタックのダークホース具合は本物です。

相手が強かろうがなんだろうが、思いっきりぶつかって
スカッと弾き飛ばせば、勝てるチャンスは出てきます。
(自爆にだけは…気をつけましょうね)

考え方としては
「勝てる相手には勝てるけど負ける相手には負ける」のと、
「勝つか負けるか、最後まで誰にも分からない」のと。

本当に「今、勝てそう」なのはどちらなのか?
もしかしたら……もしかするのでは?

勝ちを追い求めたいなら、そういう判断も時には…、
そんなご提案がしてみたい。

以前のバースト時代からずっと感じてきたことでした。

もし、なぜかやたらと負ける気がする、
人気のベイを使っているはずなのに…。
そんな風に感じてきたら一度考えてみては。

改めて「理想のカスタムなのか」という問題もあるので、
一旦そちらで詰めるのももちろん大切です。
人気のベイで勝てるならそれで十分いいですからね。

勝負の世界では時として、「積極的に運で戦う戦略」という
一見ちぐはぐなやり方が強い時もある、そんな話でした。

一応その手の実例は見たこともあります。
さすがに根拠もなしにできる提案ではありませんからね。

終わりに

筆者はあくまでジャッジ目線で横にいるだけなので、
一流プレイヤーのアドバイスというわけではないのですが
そろそろ頃合かなと思いまして。

競技として賑わい始めてくると、どうしても
いつも勝つ人、負ける人というのが出始めますからね。

負け続けて嫌になってしまう前に、ちょっとした刺激、
ともすれば一筋の光明…になればよいのですが。

大会中、各対戦の前にベイの切り替えが出来るルール上、
とりあえずケースにどっちのパターンも入れて置いて、
同じくらいの相手なら「最強のベイ」を出す、
何だか強そうな人だと思ったら「もしもに賭ける」。

最初に「せーの!」で見せ合う時に使える小技なので
覚えておいて損はないかな、と思います。
こういう時にも3on3ケースは便利ですよ。(販促)

ベイブレードの方も皆さん、頑張ってくださいね。

それでは、また。

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