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【キングドラex】あるカード搭載型

出遅れた……ッ!

と、公式からも既に紹介デッキとして抜擢された
最新弾の「キングドラex」のデッキのお話です。

たまに現れる「進化系を無視して場に出せる」という
希少な性質を持って登場したこのカードは、多くの方を
惹き付け、構築欲を掻き立てたのではないかと思います。

かく言う筆者も発売日に新たに構築する中の1つに数え、
続く土曜日の店舗イベントで早速使ってみたりしました。

まだ完成系と言えるような物ではありませんでしたが、
あらかじめ目を付けていたカードを搭載したことで
比較されやすい「パオジアンex」とは十分異なる個性を
秘めてくれているのではないかと楽しめました。

なお、筆者は各種情報発信者の方々をそれほど
マメにチェックしているとは言えません。
「〇〇さんが言ってたやつだ」となるかもしれませんので
その点は悪しからず。


▷前提

今回は8(土)開催のイベントで使ったリストを交えて
書き上げる予定ですが、その前に。

先ほど名前を挙げた「パオジアンex」を軸としたデッキ、
筆者の場合、既にそちらも構築してあった上で
それとは別に構築したという経緯があります。

そのためこの2つの間には「ここが違う」と言える所が
何か少しでもなければあえてやる意味が薄くなります。

バトルマスターにも選ばれた今年を代表する1枚
そして今回のエースとなる新規ポケモンex

真っ先に見るべきなのは攻撃ワザとなるでしょう。

どちらもエネルギー枚数に応じた青天井系のワザで、
元になる打点が0かどうか、そして枚数による倍率、
最後にエネルギーをワザによって消費するかが違います。

まず元々の攻撃力の有無による違いですが、
「パオジアンex」の方は0から始まるため、たとえ
どんなに小さな攻撃をしたくとも、最低限の消耗、
後で言うエネルギーの消費は避けられません。

一方の「キングドラex」はどんな悪条件でも「50」の攻撃は
保証されている点から、細かい攻撃への対応力の点では
ある程度優れていると言えるでしょう。

次に青天井なら気になる倍率、ダメージの伸び方ですが、
始まりの打点に差があり、なおかつ伸び方も近いために
「エネルギー5枚で300」になるまでは「キングドラ」有利、
その後は「パオジアン」が「10」ずつ勝っていきます。

最初に現れる差が「350」か「360」かというラインで、
ほとんどのポケモンが相手であれば、ここまで来ると
差という差にはほとんどなりえません。

ただし「アイアンローリング使用後のレジドラゴVSTAR」
のように、超一級の耐久力を誇る一部の相手に限っては
「パオジアン」に軍配が上がります、さすがですね。

そしてワザ後のエネルギー事情ですが、基本的には
毎回トラッシュが必要となる「パオジアン」が不便で
常に保持できる「キングドラ」がスタミナの点で有利です。

が、これにも例外はあり、試合の展開によっては
「キングドラ」が倒れるまでエネルギーを抱えている
→他のポケモンにエネルギーを回したくても回せない!

(例:「かがやくゲッコウガ」の「げっこうしゅりけん」等)

……というケースは起こりうるため、使う際には
動かし方による罠がある、というのはお忘れなく。

さて、アタッカーとして比べるとワザの性能としては
違いこそあれ非常に似ている、というのが正直な所。

特に「スタミナ」では「キングドラ」有利ではあるものの、
これだけで「違い」を主張するには物足りません。

残る個性のうち、「パオジアン」にとって有利な点が2つ、
「自身がたねであること」と「強い特性があること」です。

攻めたい、という時に進化が要らないのはやはり強く、
初動、もしくは立て直しにおける「速さ」では
やはり「パオジアン」というライバルは強烈です。

そしてアタッカーのみならず、サポーターまで兼ねる点。
1人2役をこなす事の強さは変え難いものがあり、
デッキの中での役割分担を1つ楽にしてくれるため
繰り返し大技を決めていくという派手なコンセプトは
「わななくれいき」による恩恵が小さくありません。

それを前にする「キングドラ」ですが、何が違うのか。

1つはなんと言ってももう1つワザを持つこと、
すなわち「おうのごうれい」に他なりません。

やはりこのワザが最大の差別化点であり、基本的には
「このワザでどんなベンチメンバーを生み出すか」
構築上の要となることでしょう。

「パオジアン」の場合、相方の「セグレイブ」に対して
「ふしぎなアメ」を使うことが必要となるため、
残りは概ね「1進化以下」しか使いにくいということから
可能ならば「2進化」のポケモンを上手く使いたい所です。

そして他の異なる点が、エースアタッカーの「耐久力」。

最早一撃で倒されることが珍しくない「パオジアン」に対し
「HP310」である「キングドラ」はある程度現実的に
1度なら耐えられる攻撃が多くなっています。

弱点の違いには気を付けつつ、時として倒されない、
これは「キングドラ」の強みとして意識したい点です。

以上の点より、少なくとも「キングドラ」のみをエースに
「パオジアン」とは別のデッキを考える前提であるならば、
「速さ」より「硬さ」を意識してどっしり構える盤面形成。

ここを踏まえつつ、いざ準備が整えば同じ青天井として
「パオジアン」と同等の火力を押し付け続けられる、
なおかつ「粘り強さ」において後々有利になる展開。

ここを目指していければ1つの答えにはなりそうです。
長くなりましたが前置きは以上となります。

▷運用したリストと使用感

①リスト

お待たせしました、ここでリストの写真です。

前提として、この後早速変更は入っています

もう「変なカード」が目に付いたかもしれませんが、
一旦基本となる点を念のため確認しておきます。

「キングドラ」と「キングドラex」は別のポケモン扱いです

過去の「パオジアン」においては見る機会のなかった、
「キングドラ」ならではの「2進化枠」、その筆頭です。
一見同じ「キングドラ」ですが、「ex」とあるかどうかで
別のポケモンとなるため、枚数は個別に数えます。

この特性「さかまくかいりゅう」が重要な個性となり、
「パオジアン」はデッキの性質上、中々サポートの
「ナンジャモ」などを使用して相手の手札を変える機会が
作りにくく、上手くパワーで押さえ込めていないと
手痛い反撃を受けることも少なくありません。

その点を特性として似た効果を使えることにより
自分のためのサポート+相手の邪魔というような選択肢を
作りやすいという強みをデッキに与えてくれています。

アタッカーの違いだけでなく相手の考えを狂わせる
これにより「粘り強さ」のレベルが1つ上がっています。

時には「はたらくまえば」の「ビーダル」と近い仕事を
選ぶこともできる柔軟性が魅力です。

同じ「タッツー」を進化元に持ちますが、準備が出来れば
「おうのごうれい」によって出すことで「アメ」無しで
並べられるのが水ポケモンゆえの強みでもあります。

これと同様に「セグレイブ」、「パルキアVSTAR」など
強力な水ポケモンをあえて進化後だけで搭載しています。

後々反省点にもなる部分ですが、とはいえこれ自体は
理論上は成り立つ「キングドラ」ならではの形です。

中でも「パルキアVSTAR」を使う場合には特徴的で、
進化前のまだHPも少し低い「パルキアV」の段階を
「ボスの指令」などで狙われるとたまったものではない

という少し厄介な点をある程度緩和できています。

安易にHPの低いたねが並ばないことにより、
無理に「マナフィ」を添えて守る必要が無いだろう、
と判断できるようになっているのもいい点です。

それだけ「おうのごうれい」を大前提に据えて、
デッキの動かし方を想定しています。
強いところであり弱いところでもあります。

さて、あとはよく見るようなカードが多数を占める中、
やはり異彩を放つのはこのカードではないでしょうか。

全てはここから始まったと言ってもいいかもしれません

このデッキ、普通のたねポケモンにあたる枠が
「タッツー×4」「かがやくゲッコウガ×1」「イキリンコex×1」
合計6枚しか入っていません。

一応極端なコンボデッキの考え方として無くはない、
とは言えなくもない枚数ですがやはり少ないです。

もちろんこれは最悪、早期にたねをやられると負けます。

筆者も普通はこんなことはしない、ということで
入っているのが「カビゴンドール」というわけです。

最初に白状した通り、「キングドラex」はこれより前に
公式など各所が気になるカードとして紹介済。

そのため基本の確認はここまでにして、
後は「カビゴンドール」が当記事の主題となります。

②「あるカード」の採用理由など

このカードですが「対戦準備の瞬間のみ」という、
極めて限られた形でしか場に出すことができない、
たねポケモン代わりになるという変わったグッズです。

普通のポケモンの進化前を担う「化石グッズ」とも違い、
本当にこれ1枚だけで固有の能力を持つのが特徴です。

「カビゴンドール」の場合、にげられず不便な代わりに、
倒される時にサイドを1枚も取られない、という
究極のその場しのぎを実現できるというものです。
また場から動かしたければ好きにトラッシュはできます。

主な使い方は最初にバトル場に置くことにより、
相手が早さに磨きをかけて放つ一撃目を受け止めることで
サイド差を付けられずにゲームの準備を進めて迎え撃つ

というのがよくある形となります。
(時には上手くベンチにキープして後で使うことも?)

では、これを場に出せたとしてどうなるかという話です。

「キングドラ」を使う上で先に想定した課題があり、
・「おうのごうれい」前の1ターンが欲しい
・エネルギーを「タッツー」に手張りして前に出したい
・「タッツー」のいない初手は出来るだけ回避したい
という事を考えていました。

上から順に、現在のポケカ「スタンダード」においては、
後攻1ターン目から攻めてくるデッキも少なくなく、
まして先攻2ターン目ならなおさら、という状況です。

そんな中で大事な「タッツー」がバトル場にいると
いきなり倒されるところから試合開始、となっても
おかしくはありません、HPも当然低いですから。

シンプルに「キングドラ」を立てにくくなるのと、
このサイド1枚の不利が後で響くのも困るわけです。

次に、割と基本的な「エネルギー手張り」の問題です。

なにせ「おうのごうれい」はあくまでワザです。
水エネルギーを1つ付けた状態でバトル場に出さないと
準備が十分してあっても台無しになってしまいます。

ここで、「パオジアン」と異なり、「キングドラ」の場合
「ふしぎなアメ」など様々なカードが手札に揃うかを
考えてみた時に、「セグレイブ」は最初に立ちにくいです。

もちろん無理ではありませんが、普通にやると
2体もの「ふしぎなアメ」進化を最速で狙うのは
かなり手札の運を求められてしまいます。

「ピジョット×リザードン」がこれを可能にするのは
「マッハサーチ」ですぐに追加の「アメ」が来るからです。

こうなると問題は手張りの仕方を間違えたりすると
エネルギーの付いた「タッツー」がベンチから動けない
ということも時には起こりうるということです。

たねポケモンを限界まで切り詰めている理由の1つです。
万が一最初に「にげるエネルギーが2以上のポケモン」
バトル場に出すしかなかったら大惨事になります。

そして3つ目、最初の手札が整うかどうかという話。
実は元々は「グッズ」に分類される「カビゴンドール」は
最初に場に出すかどうかはあくまでも自由で、もしも
他にたねポケモンがいないのなら引き直してもいい

という特殊なカードになっています。

つまりこのデッキ、正真正銘のたねポケモンは
先に挙げた6枚のみとも言えるままです。

デッキの要である「タッツー」は当然、進化のためにも
最初の手札には必ずいてほしいですよね。

これらの点を総合した時に「カビゴンドール」の役割は

・最初の一撃を受ける危険性を和らげ、速い相手にも
サイド6枚同士のまま「おうのごうれい」を使いやすい。
・そのまま残っていても自由にトラッシュしてしまえる。
「タッツー」が前に出せるだけでなく場も狭くならない。
・良くない手札は引き直せる可能性が増え、ある程度
いい手札なのを確認してから始めることができる。

大きくこうした点になります。
それ以外にも、「グッズ」なので「ポケストップ」で拾え、
手札をトラッシュするカードのコストにもなりうる点。

準備としてのたね展開を削ぎ落とすことで相手に
ベンチ狙撃の機会を出来るだけ与えない点など。

「カビゴンドール」の存在を軸に動きを調整することで
「パオジアン」とも違う独自の動きをしやすくしています。
このデッキは「後攻」がかなり苦しいのも若干ですが楽に。

これに着想を得た結果として、事前の構築案では
ここまでポケモンを絞りきった構成になりました。

本来多く入りそうな「なかよしポフィン」すら削り
最低限のたね展開以外は「進化ポケモンを切る」動作に
カードを寄せています。
「セグレイブ」などが4枚なのも落としやすくするため。

そしてイベントを迎えたわけですが……
結果は途中敗北、敗因は「セグレイブ」が1体での開始で
枯らされるという「ルギアVSTAR」における「アーケオス」
のような結果となりました、残念。

③反省点

基盤となる「おうのごうれい」の動き自体がダメだった、
という感じではなかったのですがわずかに不運でした。

一方で、落としきれなかった「セグレイブ」を1枚、
手札に抱えた状態で序盤が進んでいたこともあり、
仮に「セビエ」がデッキにいたなら……、とは思いました。

ここに至るまでの考えから、枚数は絞りたいですが
「1~2枚」入れておくのも良さそうです。
そうなると「なかよしポフィン」も改めて検討ですね。

準備であるポケモンのトラッシュをどのようにこなすか、
「ゼイユ」の採用など様々な観点から掘り下げたいですね。

「イキリンコ」と合わせてガンガン引くか?

この辺りの感覚は「ルギア」のそれに近いでしょう。
ただしこちらはベンチがより狭く感じやすい点や、
思い切るには「アメ」を切るしかない時もある、
というあたりは注意したいところですね。

▷終わりに

豪快なコンセプトのデッキということで、
今後登場する水ポケモンにも期待しつつ遊べる
面白いデッキではあると思いました。

よく紹介されているであろう構築と比べて、
「カビゴンドール」に魅力を感じていただければ幸いです。

まだ発売直後なのでこれからいくらでも調整できますね。

筆者が当日から構築、または調整したデッキの1つとして
「キングドラex」のお話でした。

もちろん悪タイプの「彼ら」やその他細かいものも……。

今は競技的には緩む時期なので気軽な記事として
別途書く気になったら書くかもしれません。

「ナイトワンダラー」、侮るべからず。
(絶妙にシングルが枯れるやつもあるとかないとか)

それでは、また。

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