見出し画像

創り出す「問」の詳解

こんにちは.株式会社ゆめみの Keeth こと桑原です.

前回,弊社ゆめみの Advent Calendar 2022 の第12日目の担当として,以下の記事を書きました.本題の「問」に入るまでが9割の蛇足の記事ではありますが…🙇

記事内で私はこのように書きました(今読んでも稚拙な日本語…).

誰かの謎は誰かの解になりうる.これはビジネスだと思っていて,今の改善・自動化も素晴らしいですが,新たな世界を生み出すには必ずそこに問が不可欠だと思っていて,

問を,良質な問を創り出せるエンジニア

というのが今後強みになるのかなと感じています.これは技術力の有無に関わらず(もちろんあればより質の高い「問」を創れそうですが),どれだけ世の中のことに目を向けられているのかがポイントになるかなと.

あとから自分で読み返したとき,「問」についての抽象度が高く,言いたいことは何となく分かる気もするが要領を得ないな,と感じたためもう少し深ぼったアンサー記事を自分で書いたのが本記事になります.

「問」のカテゴライズ

一言で「問」と言っても,コンテキストや状況に応じてその意味するところは変わるのは当然の話です.そこを加味してどのような「問」があるのか自分の頭の中を吐き出していきますと

  • 現状の課題の本質にアクセスする問題提起

  • 新たな価値創造のアイディア提供

  • ふとした時に立ち帰れる原点

  • 自身や所属団体の内省を促すきっかけ

のようなものが,私が考える「問」になります.一言でいうと「現状の打開」というと大げさですが,とにかく今の状態から人や物事を前に進めるもの,と捉えられるかなと.

余談になりますが,サイモン・シネック(Simon Sinek)氏が,2009年に「TED Talks」でプレゼンした「優れたリーダーはどうやって行動を促すのか」の中で提唱した「ゴールデン・サークル理論」というものがありますが,これもまさに「問」の投げかけだなと.

私このトークを何十回と観ているのですが本当何度観ても素晴らしいなと感じております.エンジニアにおける「リーダブルコード」のような存在で,この先何度も見返すんだろうなと(笑)まだ観たことない方是非観てみてください.おすすめです!

(閑話休題)

「個」の意見

「問」を難しく考えるかもしれませんが,まずは素朴な疑問やモヤモヤを吐き出すことからで良いと思っています.価値観は人それぞれで,同じものを見ていても感じているものや考えていることは異なります.結果.個人の感覚が誰かの「問」になっているなんてことはよくある話ですね.

視座を少し上げてみましょう.コミュニティ・チーム・組織…etc,これら何かしらの団体はすべて「個」の集合体になりますので,「個」の意見の「和」がその団体の意見になるわけです.厳密には意見の対立などもあるため,「和」にはならず「最小公倍数」になることがほとんどだとは思いますが😁

団体を構成する「個」は人であることに変わりはなく,どういう場であってもまずは「個」の意見を出すことが大事で,これを出すことで新たな視野・視点が入り,新たなコミュニケーションに繋がります.


「個人力」の日本,「団体力」のイタリア

一方で別の視点もあるなと思っており,1つ今年最も私に刺さった以下の記事から少し長めに引用させていただきます.この記事もかなり熱く,多くの知見や気付きをたくさん与えていただき,心から感謝しています.

日本とイタリアを比較して、面白いことに気がつきました。皆さんこれを読まれて、個人力の日本、団体力のイタリアというタイトルを見ると、「逆じゃないの?」「個人力のイタリアで団体力の日本じゃないの?」と思うかもしれませんけれど、イタリアというのは実は全く逆でして、イタリアというのは実はご存じのようにワールドカップとか、それからいろんな、例えばフェラーリのようなブランド企業をゼロから作り上げたりとか、その陰にある力というのは実はローマ時代から伝わる、いわゆる民主主義の元を作った彼らの団体力なのです。イタリア人の個人個人も非常に個性のある人たちが多いですけれども、その何というか、味が強い野菜が集まってもっと面白い料理ができるように、イタリアは非常にその団体で行動をするというのが僕が想像していたよりもはるかに得意でした。

(中略)

非常に面白かったのはその中で、日本人ほど哲学とか倫理観とか教育レベルとかそういったことの個人の力が高い国というのは、僕は今まで経験したことがなかったのです。ところが、そういう人たちを5人以上集めると、幼稚園みたいなもんでまるでまとまらない。イタリアの方がよっぽどまとまる、アメリカの方がよっぽどまとまるという現実に気がつきまして、ひょっとして日本って団体力ないんじゃないの?っていうことになり、僕の今までの仮説が逆転しました。皆さん何となく思い当たる節があるんじゃないかと。飲み屋に行くとすごいこと言うんです。仕事終わるとすごいこと言うんです。仕事の最中は黙って何も言わないですね。黙って何も言わないくせに何も考えてないかっていうと、当てると皆さんすばらしいこと言うんです。僕はそれは卑怯だと思いまして、自分が考えていることを、その場で決められた時間の中で他の人とシェアしないのはプロとして犯罪に近いと考えています。イタリアでそれをやると二度と会議に呼ばれません。ところが日本はそれをやって、黙っている方が会議に呼ばれるという、これは悪しき慣習だと思います。

(この後に続く日本の言葉の作りとイタリア語・英語の作りの比較も興味深く,是非読んでみてください!)

この文を読んだとき,頭を金槌で殴られたかのように感じつつとても苦笑いしてしまいました…恥ずかしながら,自分にも大いに思い当たるフシがあるなと.そして,確かに日本って結局は個人で頑張っている現場は大いにありそうだし,弊社でも散見されています(ここは本当に大きな課題の1つですね).

しかし奥山さんのご意見はとても本質的で,これも現状に対する問題提起としての「問」だと言えるでしょう.


垂直方向と水平方向の意見

誰かが投げかけた「問」に対するアクションや意見も重要で.これには2軸「垂直方向(ポジティブ)」「水平方向(ネガティブ)」あると思っています.

垂直方向(ポジティブ)

垂直方向のイメージ

こちらは誰かの「問」に対し,助言・サポート・協力・ブラッシュアップなどのリアクションをすることで,「問」が未来では「アイディア」や「チャレンジ」に昇華する可能性が高いです.

水平方向(ネガティブ)

水平方向のイメージ

こちらは逆に「問」に対し,否定的・悪習や既得損益・重い肉付け・対立などの意見を投げるのみで,「問」を投げた人のモチベーションも下がりその「問」を取り下げてしまう,または元々の「問」がかなり薄れたものになってしまい現状維持になってしまうなどの可能性が高いです.

こうならないためにも,Yes, and… のルールで受け入れる姿勢が大事だと私は考えます.勇気を出して投げてくれた「問」に対しまずは感謝と Yes を表明することをファーストアクションとして心がけていきたいところです.その上で垂直方向のリアクションをすることで,「問」が良質なものに変化し,前に進む何かに変化する可能性が高まるのかなと.


終わりに

以上,またもや色々書いてしまいました.と言うのも,何故か書いていくうちに「問」の詳解から「問」に対する様々な考慮ポイントが浮かび,どんどん追記していったためです(笑)当初の予定では1000文字程度で収まるつもりだったのですが,まぁでも「問」についての解像度は上がったのではないかな?と思います(願望).

前回の記事同様,ポエム調なお話になりましたが,本質的に物事を考えるためにもしっかり「問」を意識していければなと思います.

ではでは(=゚ω゚)ノ

ここから先は

0字
IT 業界(特にweb業界)のとある企業で働いていることもあるので, 仕事関連のマガジンも投稿する予定です. エンジニア的視点よりも,メンバーを束ねるリーダーポジション視点での投稿になります. 割とリアルな話を書きたいと思っていますので, ご興味あれば.

Keeth Kuwahara が日々の業務・生活の中で, twitter でも facebook でもつぶやかない思っていること, 感じて…

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?