駆け出し Engineering Manager による 今後 EM に挑戦する際の7つの心構え
こんにちは.株式会社カミナシで駆け出し EM をしております,Keeth こと桑原です.本記事はEngineering Manager Advent Calendar 2024 の第12日目の記事となります!昨日の第11日目は yuta_0911 さんの「エンジニアマネージャー自身の育成論とキャリア形成」という記事ですが,面白かったので是非お読みください💁
カレンダーの表明としては『何か書けるようにチャレンジする(記事も書く) 』と宣言していたのですが,色々あって変えました🙇これまでのテックリードや PjM などは経験してきましたが,カミナシ社には EM としてチャレンジさせていただき,思ったのと全然違ったないう感想です.今回はそのギャップと変化に右往左往しながらも,振り返って今のフレッシュな感覚のときに,これから EM に挑戦をしようと考えている方向けに今の等身大の言葉で心構えを残せたらなと思っております!
※ 自分ができていると言うわけではなく,自戒と今後の自分の発破の意味を込めてます
前提:EM って何する人?
全ての EM(経験者含む)が一度は通る道だと思いますし,未だに私も道の途中ではありますが,EM の至上命題・ミッションってなんだろう?と悩むと思います.いろんな方のブログや書籍,勉強会の登壇を聞いて思ったのは,EM のミッションは
の一言に尽きるんだろうなと.そのために何でもする人,というのが今の自分の EM の役割だと理解をしています.EM じゃない役職でも,いわゆる位が上がれば上がるほど同じ疑問にぶつかると思います.もう少し具体の話に落とすと,よく聞くのは以下4つの役割で語られることが多いと思います.
このあたり,広木さんがとても分かりやすくまとめていただいていますので,役割や知識に付いてはこちらを是非ご一読ください!
チームによっては,PdM や広く PM を担う方がチーム内にいることもあるでしょう.その場合 EM として比重が高くなるのは「People Management」になりますし,ある意味で一番期待している点もこれだと思います.コーチングや 1on1,会議のファシリテーションなど,いわゆるソフトスキルを用いるもの.EM なりたての方はまずはこの辺りに注力して,上記と重複になりますが,チームメンバーとの関係値の構築やチームに溶け込むことから入ると良いかもしれません.
心構え①:誰でもそのチームの EM 1年生
初めて EM というポジションに挑戦する方だけでなく,すでに別の組織でマネージャーを経験してきた方も含め,誰でも最初はその開発チームのマネージャー1年生です.チームからすると「あなたは誰ですか?」からスタートするので,いきなりバリバリ動いて結果を出さないといけない!と思わなくても良いと思います.
経験者だとしても,メンバーや環境が変わればチームの色は全く違うものになります.今までの経験が全然活かされないこともあり,ともすればリアリティショックが起きることもあるでしょう.
しかし EM 1年生,一からお互いに理解を深め始め,信頼関係を築いていく必要があるので,焦らず一歩ずつコミュニケーションを取っていけば良いと思います.
心構え②:いろんなキャップを被り分ける
前提でも書きましたが,EM は4つの役割で動くことを期待されるケースが多いため,マルチに動いていくことを求められます.そのため,貴方が持つ幅広いスキルや経験が必要になる.そのため,場に応じて自分は今は何のキャップ(役割)をでこの場に臨むのか?を臨機応変に変えていくことが大事です.絶対そうしないといけない,という主張ではないですが,おそらくそう動くことになると思われます.
ときには開発チームのマネージャーとして発言する,ときには一エンジニアとして技術的なレビューをする,ときには採用担当の一旦として外に喋りに行く,などなど…etc
心構え③:責任を自覚しつつ,気負いすぎず
上でも書きましたが EM のミッション「チームの成果の最大化」はとても重要で,組織としては大きな期待をして EM というポジションをお願いしている,そしてその責任もあるなぁと.過度に重く受け止める必要はないですが,会社の未来の一端を担っていることは間違いなく,そこは理解しておくと上の人とのコミュニケーションはやりやすいかもしれません.
また,その意味ではメンバーからの信頼を得ることも重要です.オープンなコミュニケーション,技術的な理解(少なくともその姿勢),メンバーへの献身的なサポートを通じて信頼関係を築きましょう(ブーメラン).
しかし,その責任感をそのままチームのメンバーにも出していくのではなく,メンバーと接するときは柔軟なコミュニケーション,Yes And の精神,心理的安全性の確保に取り組むのが良さそうです.気負わず等身大のまま,マネージャーになろうとしている姿で大丈夫だと思います.
心構え④:技術的に尖っていないといけないわけではない
チームの状況によってはコードを書く必要があるかもしれませんし,プレイングマネージャーを目指しているのであれば話は別ですが,基本的には EM はコーディングをしない方が多いでしょう.しかし,コードを書かないと技術力は錆びていき,バリバリ書いているエンジニアメンバーより技術力が下がることもあると思います.
それは当然のことですが,エンジニアと技術的な会話ができるレベルの技術力の維持のために,学び続ける必要はあると思います.もちろん強みは持っておいて損はないし,どこか一つに尖っているとかではなく,マルチに技術がわかることも求められる可能性は高いので,そうではないなら,やはり勉強していくべきかなと.学び方として,エンジニアに質問して時には教わるのも一つ.話す場が作れてあり一石二鳥ですし🍣その方のリソースと相談ですがw
心構え⑤:失敗を恐れずやってみる
メンバーだけでなく,駆け出し EM も同様に,失敗を恐れずチャレンジすればよいです.むしろ失敗するぞ!くらいの気持ちでw 失敗した = 挑戦した という証拠であり,そこから何かを学んだのであれば,それは成功への糧に昇華できます.ミッションを達成するためならどんな挑戦もして良い.傍から見たらそれは何の意味があるの?と思われるようなことだとしても,自分の中でこれはチームのためにやろうとしている,という説明が出来るのであれば,よっぽど変なことではない限りはやっちゃって良いです.
弊社 CTO からいただいたアドバイスに,「鋼のメンタルでやってみる」というものがあります.例えば誰かに質問をする時,場合によっては初歩的な質問だったり理解が浅いかもしれませんが,質問をしていくとか,
心構え⑥:頼るときは頼る
先程も書いたとおり,EM はマルチに動いていくことを求められる事が多いと予想されますが,全てを1人でやりきるのは大変でしょうし,純粋に時間の余裕がなかったり,メンタルの余裕がなかったり,考える要素が多すぎて脳のバッファがないときもあると思います.そういうときは素直に誰かにヘルプを頼んだり,一緒に考えてもらったり,別チームの EM や CTO・VPoE に壁打ちをしてもらいましょう.
大事なことは「チームの成果を最大化する」ことです.それを言語化したものが目標だったりチームの OKR だったりします.自分の見ているチームのことであっても第三者を頼って前に進むのであれば頼って良く,逆にその人からヘルプが来たときは動けるようにしましょう!
心構え⑦:経営サイドの翻訳
これは心構えと言うよりも役割に近いのですが,EM は経営陣の方向性や組織の未来,事業の未来について理解することも大事です.私個人としてはマストだと考えています.
経営層の描いている未来を咀嚼・言語化し,それぞれのチームでドリルダウンした目標やOKRを立てると思います.それを更に開発チームでどう達成するか,どう貢献するか,という目標に落とし込む時,EM がしっかり経営の考えを理解して,メンバーに伝わる言葉で翻訳ができていると線が繋がり,この目標の納得感と,会社,お客様への貢献できるという実感が強まるからです.
ということで,経営陣の発信することや数字周りなどは追えるなら追うのが吉.もしないなら定期的に見れるようにまとめてもらえるようお願いをするのも手ですね💁また,カミナシでは EM 陣が週次で経営資料を読み込む会を開き,理解を深める場を設けております.これが効果があったのかはまだわかりませんが,引き続きやってみたいと思います.
終わりに
自分が EM に挑戦し始めて8が月とちょっと(途中1ヶ月の育休を挟みました).これまでの経験を通じて,EMの役割が如何に難易度が高いのかが分かってきました.「チームの成果を最大化する」ためには,幅広い経験やスキルが求めれるため,なかなか教わることも難しく,育てることも同様に難しい.
それでいて EM は成果を求められることが多いので,場合によっては板挟みになってしまいかねません.が,手探りな中色々チャレンジするしかないと思っていて,すぐにバリバリ成果を出せるような EM はおそらくいなく,皆さん大小の失敗経験とそこからの学びを通して EM になっていくものだと思います.その中で頼れるものはしっかり頼りつつも,一歩ずつチャレンジし続けることが駆け出しの EM に挑戦するスタンスとして丁度よいなぁと感じております!誰かの参考になれば幸いです☺️
さて,明日は @gessy0129 さんです!お願いします!
余談
EMConf JP 2025 というカンファレンスが来年2月に行われます.このアドベントカレンダーを知っている・見ている方はすでにご存知の方も多いと思います.自分は CfP を2本提出し,
どちらも不採択になってしまったのですが,これらについては改めて note 記事にします(宣言駆動).今回の内容はそれらの土台の上に自分の中で培われた構えでもありますので,その背景や出来事などもしっかり言葉に残しておきたいと思います.未来の誰かの参考になれば.
ではでは(=゚ω゚)ノ
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日々感じていること・思っていること・考えていること
Keeth Kuwahara が日々の業務・生活の中で, twitter でも facebook でもつぶやかない思っていること, 感じて…
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