彩の国シェイクスピアシリーズ『ヘンリー八世』 2020.2.16(13:00)
さいたま芸術劇場にて公演中の『ヘンリー八世』を観てきました。
(こちらには今年初投稿ですが、実は今年9本目。
Twitterにはポチポチと感想上げてましたが、なかなか長文書く時間と気力が出ずσ(^_^;)
キャスト、衣装、美術、音楽、照明がめちゃくちゃ恰好よくて、そしてなにより面白い!!
まだ興奮冷めやらぬ、です。
2日前に観たNTLiveの『リーマン・トリロジー』の後にTwitterで同じこと言ってるので、そちらを見てる人にはあんまり信用されないかもだけどホントよ。
(ただこちらもめちゃくちゃおすすめなので、宣伝と自分のツイート貼り↓)
閑話休題。
登場人物一人ひとりに感情移入しちゃって、それぞれの人物に喜怒哀楽(+恐)を抱きながら、夢中になって観てるうちにあっという間にカテコになってました。
ちなみに私、ヘンリー八世は舞台も戯曲も未見なので、今回まっさらの状態での観劇です。
ただ、THE TUDORSとかブーリン家の姉妹や英国雑学(ふくろうの本とか)でどんな人物かはある程度は把握していて、自分的にはエリザベスⅠ世とビクトリア女王の次くらいになじみある王様ではあります。
(↑主に下半身方面の醜聞&暴君という認識ですがw)
そんな王様をエリザベス女王の治世真っただ中にシェイクスピアがどう描いてるのか。吉田鋼太郎さんがどう味付けするのか。そんな暴君と認識している王様を阿部寛さんがどう演じるのか楽しみでした。
こんな作品だったんですね。
ヘンリー八世の物語というより、ヘンリー八世を軸にした貴族や聖職者の興隆と没落の話。
独白が少ないせいか(物思いに耽る場面はあるけれど) 、観る側がヘンリー八世に対して感じるのは共感や親近感じゃなくて、君臨する王としての威圧感。
また阿部寛さんが醸し出すオーラ(と物理的な大きさw)が半端なくて。
あぁ、キャサリンとの離婚も「愛人じゃ嫌。王妃にしないと関係を断つわ!」と、アン・ブーリンに促されたからじゃないんだなって(笑)
なので、途中までの主役はウルジー枢機卿。
ウルジー枢機卿の大物の皮をかぶった小物な人物像が吉田鋼太郎さんの怪演でキャラ立ちしてたのと、バッキンガム公を演じた谷田歩さんの処刑前の演説にグッときたこともあって、けっこう本気で「うわー、ウルジーむかつくわ💢」って思っちゃってました(^^;)
でも、失脚があまりにうっかりミスすぎるのと、諸侯にボコボコにされ裸にひん剥かれた姿があまりにも哀れで……。
(1部終了前、ベッドに入る前に自分で服を脱いだ時は特に貧相とは感じなかったのに。
って、今書いていて思ったのですが、あの場面はこの場面の助走の演出だったんですかね。
ということは、クロムウェルの裸も対比の意図があったのかな? これから服を着ていく(出世)していく者という意味とか。
いやー、観劇中はてっきり『おっさんずラブ』リスペクトのサービスシーンかとw
おまけにあの意味深シーンのおかげで、ウルジーが失墜したの絶対クロムウェルの陰謀だと5幕の2場までミスリードしてた。クロムウェル、ごめん🙏)
ウルジー失脚後は、ヘンリー八世に主役が戻り自ら采配を振るう。
ここからの流れはめちゃめちゃエリザベス女王に配慮してて、ちょっと心の中でニヤニヤしてしまいました。
女王が信仰しているプロテスタント(正確にはイングランド国教会だけど)のカンタベリー司教は完全に善き人だし、
お父さん(ヘンリー八世)は聡明で偉大だし、
おまけに最後の産まれた赤子に対する美辞麗句。
The〈忖度〉(笑)
この作品って御前上演されたりしたのかなぁ。
芝居好きだったそうなので、実際観てなくても噂は耳に入ってたよね(笑)。
あとでどうだったかGoogle先生に尋ねてみよっと。
おっと、また横道に逸れた。
吉田鋼太郎さん演出の舞台は客席降りが多用されますが、今回はさらにパワーアップして観客全員巻き込み形式。
開演前に旗(タイトルの写真参照)が配られ、何に使うんだろ?と思っていたら、ラスト全員でエリザベス女王の誕生を祝うという、否が応でもテンション上がる仕掛けが(笑)。
私なんて通路側だったもんだから、王様の真横で旗振ったよ(≧▽≦)
(間近で見た阿部ちゃんはすっごい端正な顔立ちで恰好良かったです(*´▽`*)。テレビで見るより顔ちっさい(*゚ロ゚)。あと、思ってた以上に顔が濃いσ(^_^;)
開幕は厳かに、閉幕は盛大に。
最初から最後までとにかく”魅せる”舞台でありました。
キャストについて。
阿部寛さんと吉田鋼太郎さんは観る前から半端ないのはわかってたんですが、今回は蜷川幸雄さんから見たら第二・第三世代な人たちも熱かった。
最近私の中で最も気になる役者である河内大和さん(ノーフォーク公爵)。
最近私が観るシェイクスピア作品にはほぼ出演している鈴木彰紀さん(サー・トマス・クロムウェル)。
舞台だけではなく映像の世界でも活躍目覚ましい谷田歩さん(バッキンガム公爵)。
負けない、とは言いませんが確実に存在感を残してました。
次回はジョン王。
キャストだけでワクワクなのですが、
(小栗旬さんもですが、タイトルロールのジョン王は横田栄司さんですから✨)
さらに今回のを観てしまったので期待度さらにupです。
ただかなりの人気になるのは間違いないので、チケットが……。
取れるか取れないか、それが問題だ。