カルティエ、時の結晶 -国立新美術館-
国立新美術にて開催中の『カルティエ、時の結晶』に行ってきました。
繊細さと優美さと大胆さを併せ持つデザインと目も眩むような輝きの宝石類。
余りにも美しいハイジュエリーの世界にため息を通り越して笑いが(途中から自分の中でダイヤモンドのゲシュタルト崩壊/笑)。それくらい、どのジュエリーも宝飾品も素晴らしい品ばかり。
今回の展示品は半数以上が“個人蔵”。間違いなく一点千万超えなこれらの個人所蔵品が一堂に介する機会はかなり貴重だろうと思います。
私的には細野不二彦『ギャラリーフェイク』に出てきたミステリークロック、しかも“モデルA"の実物が見られたのにときめきました。
針がまるで中空に浮かんでいるようにみえる時計……。今は解説しているサイトが沢山あるのでトリックは判明してるとはいえ、この美しさだけでも充分に神秘(ミステリー)です。
https://www.cartier.jp/ja/%E3%83%A1%E3%82%BE%E3%83%B3/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9-%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88/mystery-clocks-cartier-collection.html
なお、展示品はもちろん素晴らしいのだけれど、注目すべきは会場の構成。(会場構成:新素材研究所)
仏像彫刻を手がける工房が作成したオリジナルの木製トルソー。トルソーの台座にはガラスや木材や石を使用しているのだけれど、それがまたジュエリーと不思議と調和していて、とても素敵。
展示ケースの装飾に布や木や石を使用したり、掛け軸とジュエリーを床の間風展示したりと、洋と和・人工物と自然物の調和が宝飾品の美とカルティエの世界観を更に際立たせてました。
https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/20653
ちなみに、なんと一部の展示品は撮影OK。もう次回の展覧会まで見られないと思ってつい色々撮ってしまいました💦
画質イマイチなのが残念です……。iPhone11買っておけば良かった😓
そんな画質でもこちら(↓)のコブラと鳥と蛇の輝きの凄さは伝わるはず。青や赤や紫など色々な宝石が使われてるように見えますが、これダイヤモンドのファイアなのですよ(*゚ロ゚)
カルティエ展。
自分の中でカルティエといえば三連リング。あれも今だと普及しすぎて、なんてことないデザインだと感じていましたが(バッタもんしか付けたことない自分が言うのも何ですけど😅)、この展覧会を見て考えが変わりました。
トリニティーリングにはハイジュエリーで培われたセンスと技術とエレガンスさが最小限の素材でデザインされているのですね。
残念ながら、私の懐の寂しさでは本物を手に入れる機会はないでしょうが(T_T)
余談ですが、トリニティーリングの伝説として語られる「ジャン・コクトーが恋人(ラディゲ)に贈るためにカルティエに制作を依頼した」というのは眉唾のようです。(さっき三連リングを調べるためにググったら出てきました。でもコクトーがこのリングをはめていたのは事実)
あと、実は個人的にはずっと悪趣味だと思っていた蛇やら爬虫類やら豹やらのカルティエのデザイン。実物のジュエリーを見ると支持を受け続けている理由が分かりますね。好みかはともかく、フォルムの美しさと職人の技術に圧倒されました。
あまり○○すべき!と言う言い方は好きではありませんが、カルティエというブランドに興味なくても宝飾品や宝石など美しい物が好きなら、この展覧会には行くべきです。1600円の価値は充分あります。
今日は三連休の中日なので混んでいるかと思いきや、それ程ではありませんでしたし。ただ会場を後にするころには会場入口で20分待ちとあったので、土日に行くなら午前中が良いかもしれませんね。