
Photo by
living_atelier
古い手紙と新しい家
部屋の片付けをしていたら、元夫(10年前に他界)から昔もらった手紙やメッセージカードを見つけた。
今までの私は、それを見つけるたびに中身を読み返して、またそっと箱の中に戻すということを繰り返していた。
でも今日は初めて、「今ならさよならできる」と思った。
元夫からの手紙は、私にとって愛されていた証拠だったように思う。
「愛されていた私」であることによって自分の価値をようやく認めることができていた。
だから、何年経っても手紙を捨てられなかったのかもしれない。
でも、今のわたしはそれが無くてももう困らなくなっていた。
自分で、自分の価値を認めることができるようになったから。
結婚していた頃から住んでいるこの家を離れることに決めたのも、もう未亡人的に生きていたくないという気持ちのあらわれだった。
今までのいろんな経験から私は形作られているし、無駄な過去なんてひとつもないと思っているけれど、これからの私を生きていくのにいつまでも過去にとらわれていたくはない、と思っている。
今度の引っ越しは、新しい私への第一歩。