日記の闇
次の日、部屋で過ごすつもりで居たオレは書庫から持ち帰ったお祖父さまの日記を読むことにした。
背表紙はなんら変哲もない少し薄めの本だ。だが書籍と呼ばれてもおかしくないくらいの厚さはある。
『私の嘆きを記す』著:ツーフ・ジョチ・スーゲ
お祖父様たちの間に子供が居ないと言う理由で弟夫婦の間に生れた双子の弟である我が父を養子にして育てたって事は解った。
それとわが父は遅くに結婚したと言う事も判明した。何気に第一王妃は性格が最悪で我儘なお姫様って事はよく解った。だから母上のお抱え従者たちを奪い我が物顔で宮殿で暮らしていたのか。
ゲスイ奴だ。
って事はだ。。。第一王子と第一王女の性格ももしかして 第一王妃に似て最悪なんじゃ。。と一抹の不安を残しつつも日記を読み進めて行く。
昨日読んだまでの中身は、第一王妃は父上の一目惚れなんだったら顔だけで選んだ節あり。
顔が良ければだれでも良かったのか?あの性格だと何故解らなかったのか。
”その辺りほんとポンコツである。あれが自分の父親と思うと先が思いやられる。
本殿の膿を洗い流したいものだ。
オレの中では第一王妃は排除対象なのだが、兄上はどう思ってるのか、そしてどんな性格の人なのか気になる。オレは母上と離宮暮らしだからまだ顔も見たことの無い家族?
その辺りもこの日記にあれば良いのだが・・・”
父上が第一王妃と結婚1年後に、お祖父様は母上を父上の紹介しているのか。
よほど第一王妃の我儘放題がお祖父さまにはキツかったんだろうなぁ。
書庫に行こうとした時 遠目ではあったが一度見かけたことがある。
性格の悪そうな お腹真っ黒な感じの 何を考えてるのか読めない顔をしていらっしゃった。
ブスは無いが。。オレの個人の感想で言わせてもらえれば 美人とも言い難かった。
性格が顔に現れるくらい 厚化粧の香水臭そうな顔してたわぁ~ キツイね(笑)
ビィ歴 800年 第一王子 ナルシー様誕生
ビィ歴 804年 第一王女 アクレイ様誕生
ビィ歴 800年 母上と顔合わせ
ビィ歴 801年 母上と父上結婚 離宮にて母と愛を育む父
ビィ歴 808年 白の季節 8の日 カオールン様誕生
私たち夫婦はそう遠くない未来 離宮の片隅に追いやられる様なそんな気がしてならない。
クーサデインは 政に向かない。今でこそ第二王妃のワールが仕事を担ってくれている。それで我が国は成り立っているようなもの。第一王妃のフーリンは金使いが激しい。だけであり仕事なぞ出来ん。フリスギ侯爵家のイゲールは誠実な青年に育ったと言うのになぜフーリンは我儘な性格に育ったのか。
そして、これはクーサデインの知らない真実。クーサデイン以外には意外と知れている事実がある。墓まで持って行くのはもったいない気もするので、わしの日記に気づいたお主にこれを授ける。
そしてその授けられるであろう事実は重すぎた。
クーサデインとフーリンの間には子は居らん。
第一王妃と王妃護衛の騎士との間に出来た子が第一王子とされているナルシ―である。
容姿は完全にフーリンよりではあるが、王家の色は一切持っておらぬ
そして第一王女に関しては、巷で噂の僧侶との間に出来た子だ。名前はアクレイとつけられているが僧侶の名前がイレクアと言うらしくイケメンなのじゃ。そのイケメンとの間に子が欲しかったフーリンは僧侶に股を開いたというわけだ。
フーリンの名にふさわしい行動をして出来た子は、二人とも王家の血は一滴も含まれておらん。
なんと嘆かわしい事か。勿論アクレイにも王家の血は一滴も流れておらん。
なんとまぁ エゲツナイ内容である。
王家の色と言うのは多分祖父の色が入っているかどうかなんだと思う。
祖父は銀髪で金色と緑のオッドアイ。
祖母は金髪で金色の瞳
父上は金髪で金色の瞳
フーリン様は 茶髪で緑の瞳
ナルシ―様は 緑の髪で茶色い瞳 (フーリン様の騎士様の色が 緑の髪で緑の瞳)
アクレイ様は 茶髪で青い瞳 (イケメン僧侶イレクア様は金髪で青い瞳)
お子様たちはみな フーリン様の色は継いでいても王家の色は一切入らず
一体誰の子なのかと言う噂が当時は飛び交っていたようだが…闇の葬り去られる前にここに記して置く。いつか使えるときが来たら大いに振舞ってくれ、そしてこの国を正しい道へ導いてくれると助かる。と最後の文はオレとしては嫌だなぁ~って思うものだったが 使わせてもらおう。
第二王妃 ワール様は金髪で青緑の瞳
第二王子 オレの色は金髪で金色と緑のオッドアイ
オレの髪色は父と母の色を継ぎ 瞳の色は隔世遺伝なんだろうか 祖父様の色を継いでいる。
完全なる王家の色を継いだ 王位継承者の証である。
父上ってドンくさいのかヘタレなのかポンコツなのか。。はたまた。。。
祖父の日記は 闇がいっぱい書かれていそうだ。そう思ったオレは自分の大切な書籍や資料なんかを入れてある箱の中に大切に保管した。宰相の悪事なんかも書いて居そうだ (*´・∀・)ふっ…
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