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キャリアチェンジ犬をお迎えするまで#1

2024年8月10日。
キャリアチェンジ犬のグレイスをお迎えして28日目。
楽しく忙しい毎日を送っています。

まずは我が家がキャリアチェンジ犬をお迎えするまでの話しをしておきたいと思います。

我が家が初めてわんこをお迎えしたのは2014年。
宮崎県の犬舎より2ヶ月のラブラドールレトリバーのブラックの女の子をお迎えしました。

この子が先代犬の「らぶ」。
始めてわんこをお迎えした私は、わからないことだらけで毎日が大忙し。
トイレトレーニングや夜鳴きとの闘いの日々でした。

1日1日が過ぎていくのと同時に、らぶはすくすくと成長していきました。

大型犬どころか、わんこを飼うのが初めての私。
毎日のらぶの様子を見ながら、こうした方がいいかも、これじゃダメかもと、その度にいろいろと試してみながらの生活。

そんな らぶでしたが、人が大好きですぐ「撫でて~」と向かって行ったり、「わ~い💗」と騒いでいる行動自体が、体が大きくなってくると「ちょっと危ないかな」と気になるように。

らぶが1歳を迎える少し前。
日常的にお世話することが多い私が、大型犬の らぶと歩いている時に、他の人にけがをさせたり、噛んだりするようなことがないよう、預かり訓練へ。

飼い主がちゃんと指示を出せないと、わんこにも伝わらないので、預かり訓練の間、面会や私も一緒にレッスンを受けに通いました。

訓練を受けると、ハウス、マテ、オイデ、スワレの指示で動くことができるように。
指示が伝わるようになってからは、わんことの生活がとてもスムーズになりました。

らぶは基本的におっとりとした性格の子でしたが、外遊びは大好き。
走り回ったり、プールや川で泳いだり、キャンプに行ったり、
らぶと一緒に色々なことを楽しんできましました。

そして らぶが6歳になった2020年、娘が就職して自立したこともあり、らぶの妹になってくれる子を家族としてお迎えしようという話になり、どんな子をお迎えするか、どこからお迎えするかを主人と話し合いました。

ご近所のお友達わんこにキャリアチェンジ犬の男の子がいて、キャリアチェンジ犬という存在は知っていました。

キャリアチェンジ犬について詳しく知るために、北海道盲導犬協会のホームページを見てみると次のように掲載していました。

~飼育委託ボランティア~

「繁殖犬飼育委託ボランティア」
盲導犬のお父さん犬、お母さん犬を家庭で飼育する。
お母さん犬を飼育する家庭では、子犬出産のお手伝いや仔犬たちの健康管理も行う。

「パピーウォーカー」
「人にやさしい盲導犬」を育成するために盲導犬候補の仔犬を生後50日くらいから約1年間家庭で飼育する。

「老犬飼育委託ボランティア」
盲導犬の仕事を終えた犬たちが老後を穏やかに過ごせるよう家庭で飼育する

「キャリアチェンジ犬引取り」
盲導犬を育成する中で適正評価の結果盲導犬にならなかった犬を、家族の一員として家庭に迎え入れる

この中でも委託に関して様々な条件があり、繁殖犬飼育委託ボランティア、パピーウォーカー、老犬飼育委託ボランティアは札幌市及び近郊という限定があったため、函館市在住の我が家は対象外。

申込みが可能なのは、キャリアチェンジ犬の引取りのみでした。

まずはキャリアチェンジ犬の引取りを申込む方法を知りたかったので、2021年5月に北海道盲導犬協会にメールで問い合せをしました。

メールの返信が届き、申込書があるので記入後返送すれば申し込みは完了となり、譲渡できるわんこがいる時に、申込みした順に連絡をいただけるということでした。

そして、このお問い合せをした段階で、順番待ちをしている方が90名いて、だいたい3~4年程度待つことになるとのことでした。

家族で話し合った結果、キャリアチェンジ犬を引き取れるまで待とうということになり、書類到着後に申込書を記入して返送しました。

この頃はちょうどコロナ禍で、家で過ごすことが多かったのですが、シニア期に差しかかってきた らぶとまったりと暮らすいつも通りの生活が続き、気長にキャリアチェンジ犬のお迎えを待っていました。

らぶもシニア期を迎え、私にできることをしてあげたいと思い、札幌で活動されているアロマスタジオ ジュエルの橋本理恵先生開催のオンラインで参加できる、ドッグマッサージに らぶと一緒に参加することにしました。

最初は身体を触られるとピクッとしたり、触られたくない部分になると私の手のにおいをかいで来たりと反応していましたが、1ヶ月もしたら寝てしまうこともあるくらいマッサージを堪能するように。

「ナデナデして~」とまるで私にマッサージしてと催促しているかのようにらぶはマッサージが大好きになりました。

私もドッグマッサージをすることで、らぶの身体の様子を今まで以上によく観察するようになり、
・「愛犬のためにしてあげられること」があると思える
・マッサージで らぶの身体に触れることで私も幸せを感じる
という気持ちの変化が生まれました。

クレイセラピストである私は、クレイ(粘土)を使ったわんこの身体のケアの他に、ドッグマッサージという新たなコミュニケーションツールも身につけ、毎日の生活に取り入れる事ができたのです。

こんなにも楽しみながら生活に取り入れることができるクレイセラピーやドッグマッサージを らぶと一緒にたくさんの飼い主さんやわんこにも伝えていきたい、一緒に楽しむ仲間を増やしたいと思うようになり、らぶと一緒に伝えていく活動をしていこうと決意し、準備を始めました。

それからも準備を進めながらドッグマッサージを続けて約2年を過ぎようとしていた頃、2023年6月に思ってもいなかった出来事が突然起こったのです・・・。

愛犬 らぶが急にお空に旅立ってしまったのです。
数時間前までしっぽを振りながらお散歩にも行っていたのに、それから3時間くらい後の出来事でした。

私は目の前の現実をどう受け止めていいのかわからず、らぶの身体を優しく、そしてゆっくりと撫でることしかできませんでした。

わんこをお迎えしてから、感じたことのない悲しみでいっぱいの気持ち。
いつも私と一緒に居てくれた らぶを感じることが出きない寂しさ。
自分の身体や心の一部が無くなってしまったような感覚だったように思います。

そして数時間経って、こんなにも幸せを感じていた時間を二度と感じることができなくなってしまった。
もう らぶと一緒に伝えることができなくなってしまった、と途方に暮れて「私にできることはもう何もない」と弱気な考えが、頭をよぎったのです。

らぶの身体を撫でながら、そんなことを思っていると、
「ママ、何言ってるの!一緒に頑張ろうねって決めたでしょ!!」という らぶの思いが私の心に聞こえたような気がしました。

らぶが伝えてくれたお陰で、一瞬"無"になりかけていた私の心が、
「そうだね!諦めちゃだめだよね!一緒に頑張ろうって約束したもんね!」という気持ちになり、「絶対に らぶとの約束をやり遂げるんだ!!」という思いにさせてくれたのです。

そこからドッグマッサージセラピスト講師養成講座を受講し、らぶの身体をマッサージしていた時に感じていた手の温もりや動きを忘れないように学び続け、2023年10月末に資格を取得することができました。

ここからは、らぶという相棒はいなかったけれど、きっと一緒に進んでくれいてると感じながら、活動の準備をコツコツと進めていきました。


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