1.需要曲線と値上げによる収入の変化
需要表
価格とその価格であれば実際に購入する量である需要量の関係を表した表。需要量は、所得やその他の財の価格によって異なる。
例えば、
・1億円の貯金があれば、1万円のステーキを購入するが、10万円の貯金であれば購入しない
・軽自動車が5000万円であれば、1000万円の高級車を購入する
などです。
下に需要表の例を示す。
これをグラフに起こすと、
さらに、このプロットした点を繋げてみる
このプロットした点を繋げたものがあの需要曲線になります!中学の公民なんかで習った需要と供給が~とかいう時に出てくるあれです。今はまだ階段状ですが。
実際には横軸の個数が1、2、3のように離散的ではなく、1.5や1.75のように連続的になるので、青色の需要曲線がちゃんと滑らかに曲線になります。
需要曲線から分かること
支出額 = 価格$${\times}$$需要量
この例の場合、1個120円を3個を購入
⇒ 支出額 = 120$${\times}$$3 = 360(円)
これは上の画像の赤い四角の面積にあたります。
さてここで素朴な疑問を考えてみましょう「価格を上げると支出額は増えるか?」です。値段を上げればもっと儲かるんじゃね?ということです。
支出額が減少するパターン
支出額 = 売り手の収入
つまり、「価格を上げれば収入は増えるか」という命題が成立する。
そこで、単純化した需要曲線を考える。
まず前提として、需要曲線は右肩下がりとなります。
要は、価格が上がれば上がるほど買う人が少なるという事です。
例えば、お米が10kg100円なら多くの人が購入するが、同じものが1万円なら買う人が減る、100万円ならさらに減るといった感じです。
そのため支出額(企業の収入)を求める式は
支出額 = 価格(増加)$${\times}$$需要量(減少)
となります。
価格を、PからP’に上げたことで、需要量はQからQ’に減少しています。それぞれの支出額(企業の収入)を求めると、
価格がPのとき 支出額 = PQ(赤い四角の面積)
価格がP'のとき 支出額 = P’Q’(青い四角の面積)
つまり
赤い四角>青い四角のとき 価格を上げると支出額(企業の収入)は減少
赤い四角<青い四角のとき 価格を上げると支出額(企業の収入)は増加
することが分かる。
今回は、明らかに赤い四角の方が面積が大きので支出額は減少するパターン。
支出額が増加するパターン
次に増加するパターンのグラフを見ていく。
この様に右肩下がりの傾きの大きいものは、価格を上げると支出額が増加する。実際、青い四角の方が大きくなっている。
この様なときの需要曲線の特徴は、「価格を上げても、需要があまり下がらない」という点である。
つまり、高くても買わざるをえないもの、いわゆる必需品などがこのようなグラフパターンの財となる。
まとめ
・需要表をグラフにして繋げたもの(を拡張したもの)が需要曲線となる
・需要曲線を見れば、価格を上げた方が儲かるのか、損するのかが分かる
・価格を上げても儲かるのは必需品などが多い