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Dreamforce - Agentforceについて

皆さん、こんにちは。
Cloudly AssistantのToruです。

本日は2024年度の*DreamforceのKeynoteで発表されたSalesforceの最新機能「Agentforce」について簡単にまとめてみたいと思います。筆者は残念ながらSan Franciscoのイベント会場ではなくオンラインのライブ配信での視聴でしたが画面越しにも会場の熱気が伝わってくるようでした。 2024年9月17日現在でAgentforceの日本導入に関する日程などは未発表のようですが、おそらく今後Salesforce社から発表があると思いますので気になる方は同社のWebサイト等をチェックしてみてください。

*Salesforceは米国サンフランシスコに拠点を置くソフトウェア会社で、世界中で幅広く活用されているCRMやeCommerce, Marketing Automation, Data StorageそしてBIツールなどの機能を有する「Salesforceプラットフォーム」を提供しています。また、単体としても広く使われているBIツールのTableauやコミュニケーションツールのSlackなども買収し傘下に収めています。
同社は年に一回、Dreamforceと呼ばれる大規模のカンファレンス・イベントを実施しており、そこで定期的にSalesforceプラットフォームに関するアップデート情報や新機能の共有をしています。

さて、今回Dreamforceで発表されたAgentforceの機能ですが、端的に言うとこれまで導入企業がSalesforceプラットフォームに蓄積してきた顧客データや商品データなどのマスターデータ、またはその他の業務データを生成AIで活用できるようになり、さらにその生成AIの方向性についてもノーコード(ほぼ?)でカスタマイズできるのが最大の特徴のようです。 
また、活用方法としては大きく顧客向けと社内活用向けの2パターンがある模様です。

実際の顧客向けの活用方法として、米国の老舗高級百貨店「Saks Fifth」 のコールセンターにおける活用デモが行われました。

Agentforceを活用したAIカスタマーサービスのデモ

まずはKeynoteスピーカー(Patricさん)がSaks Fifthオンラインストアで購入したセーターのサイズが合わなかったという設定でSaks Fifthのコールセンターに交換依頼の電話をかけます。この電話にAgentforceで作成したAIオペレーターのSophieが対応します。Patricさんが「この前ネットで買った商品のサイズが合わないんだ。」とSophieに伝えるとまるで実在してる人のような流暢な言葉でサイズ交換が必要かをPatricさんに確認して正しいサイズを再発送するように手配します。

ところが、ここで「問題」が発生します。 Patricさんは2日後のイベントでその服が必要なのに今から配送すると3日かかってしまいます。Sophieもこれには対応できず「(人の)オペレーターに繋ぎましょうか」と対応を実際のオペレーターに引き継ごうとします。

Patricさんはここで一旦デモをと止めてSophiaの対応を少し振り返ります。「今はまだ店舗在庫のデータが繋がってないんだ。」 そこでAgentforceの管理画面を開き、即座にAPI経由で店舗在庫の外部データに接続し、再度Sophieに電話をします。 店舗在庫データが接続されたSophieは必要なサイズがサンフランシスコ店にある事を発見しPatricさんに店舗での即日ピックアップを提案し問題は解決しました。

もちろんこれはお膳立てされたデモなので上手く行くに決まってるのですが、新たなシステム開発やコーディングなどを必要とせずに別システムのデータを繋ぎ顧客体験の改善に即座に取り組めるのは現場としては非常に頼もしいツールではないでしょうか。

今までも「チャットボット」や「音声対応システム」でユーザー(顧客)が直接システムと会話し該当のヘルプページを探したり、配達時間の変更など簡単な依頼を行うケースはあったと思うのですが、生成AIを活用したAgentforceはそれとは全く異なる完成度(=人と対話している感覚に近い)になってると感じました。

Agentforce管理画面でAIオペレーターの対応(Action)を定義

また社内での活用例としてAgentforceに連携されたBIツール(Tableau)を使い売上などのデータを自動的にビジュアル表示したり、また特定の事象(例えば売上の増減)の原因を対話形式でドリルダウン分析させたりと、マーケターや事業責任者にとってはありがたい連携もできているようです。

内包されているBIツールで現状分析の自動化

さらにはコミュニケーションツールとして広く活用されているSlackとも連携するとの事で社内での議論もより活発かつ効率的にできそうです。

Slackとの連携

Salesforceの創始者であり共同経営者のマーク・ベニオフ氏もKeynoteで繰り返し伝えてたのが「Don't DIY your AI(AIを自作するのはやめよう)」という言葉です。当然、彼としては自社のツールの利用を促進したいので当たり前のセリフかもしれませんが、やはり自社のみで顧客とのタッチポイントからデータを取得し、データを蓄積する箱を作り、そしてそのデータを活用するアウトプットまで作るのはかなりコストが嵩むのは否めないでしょう。 

筆者もSalesforceプラットフォームは活用経験があり、Salesforceであれば全てうまくいく、という訳では決してありませんが既にSalesforceを導入している企業においてはAgentforceの導入を前向きに検討しても良いかもしれませんね。

Don't DIY your AI

Cloudly Assistantでは米国に進出している、またはこれから進出を検討されてる企業様向けのコンサルティングサービスを提供しています。
是非お気軽にご連絡ください。


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