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今日見つけた本&読んでる本#12 本日は京極夏彦と星占いとGOATの話、そしてやっぱり短歌にまみれています。
こんにちは! 生きづらい社会の中で、心がスッとラクになる「言葉のお守り」をお届けするつくだです。今日も積ん読人生を歩みつつ、パソコンに向かって短歌を書いてます。
さて、今週もわたしの「ほしい本リスト」にはたくさん本が追加されました。その中から、4冊ご紹介していきます。
いま読みたい本
一冊目はこちら!
京極夏彦さんの「書楼弔堂」シリーズ最新刊にして最終刊です。京極さんの作品で本屋といえば京極堂の中禅寺秋彦ですが、書楼弔堂の主も京極堂ばりの推理を展開します。中禅寺秋彦の百鬼夜行シリーズと比べると、地味ですが、本に対する愛があふれているというかそれだけで私はドーパミンが溢れ出てきます。
このシリーズの魅力は史実の有名人物が登場すること。今回も、夏目漱石、徳富蘇峰、金田一京助、牧野富太郎、そして過去シリーズの主人公も行きかうファン歓喜の最終巻となっています。
そしてもう一冊はこちら。
累計発行部数520万部を越える石井ゆかりさんの占いエッセイ集です。石井さんは本書のなかで、こんなことをおっしゃっています。
星占いは「統計学」ではなく、象徴の世界である。したがって、人間の脳みその「ごまかされやすさ」と同程度に、インチキで可能性である可能性が高い。「統計学」は歴としたサイエンスだが、少なくともいまのところは、星占いに科学的な裏付けはない。
星占いについてはさまざまな意見をお持ちの方がいらっしゃるでしょうが、私は石井さんのこの考えに賛成です。
「統計学」という科学の枠に入れずとも、星占いにはいいところがあると思うんですね。たとえば私からすれば、星占いとは自分の深いところとつながるための物語であり詩なんです。鍵とも言えるかもしれません。
石井さんは星占いについてこう定義しています。
一般的には、星占いは「人の性格や生活を12パターンに分けるもの」ととらえられている。でも、実際の星占いはむしろ「単純なステレオタイプに押し込まされそうになる事物を。象徴のしくみを使って解体し、ふくらませ、再構築する」ための道具なのだ」
そして文学もまた象徴と運命の世界です。そこで著者は、星占いの手法を使って、古今東西の文章を読み直すことによって、星占いについて語る言葉をもっと広く、もっと豊かに語ろうとすればどうなるかを本書で試みたそうです。哲学的な視点も交えた占星術エッセイと言える一冊です。
人生と向き合い、自分を解放するフレームワークとして星占いを使ってみる。そんなことにも活用できそうな本のように思いました。
そして3冊目は、こちら。
今人気の歌人・木下龍也さんが雑誌「群像」で連載している「群像短歌部」を単行本かしたのがこの一冊です。読者参加型の短歌の連載としては、穂村弘さんが雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載していた「短歌ください」がありました。
読者の投稿に対して穂村さんの的確な講評が人気で、シリーズは全6冊に及ぶほどの人気企画となり、ここからデビューした歌人さんもたくさんいらっしゃいます。
さて、木下さんの『すごい短歌部』は、何がすごいのか?
、まず「群像短歌部」創設にあたってのルールがすごいんです。
1.テーマを決めて短歌を募集。僕もみなさんと同じテーマで短歌をつくります。
2.採用歌のなにが「すごい」のかを言語化します。
3.僕の短歌の発想→推敲→完成までを詳細に記録します。
4.選者として、プレーヤーとして、腕を磨きながら投稿の場を楽しみます。
普通は評者と投稿者は分かれていますが、「群像短歌部」においては、評者も投稿者として参加するのですね。そんなの評者が勝つのに決まってるじゃん。そう思う方も多いでしょうが、木下さんが負ける場合もあったりして、ガチの勝負なんだなというのが伝わってきます。
そして講評に割かれている字数が多い。新聞や専門誌では数行というがほとんどですが、本連載では講評自体も長いし面白い。
さらには、「僕の短歌の発想→推敲→完成までを詳細に記録します」。つまり、木下さんの手の内をすべて明かしてくれるんです。私は短歌をはじめて3カ月ほどになりますが、いまだにどうやって書いたらいいかわからない時があります。
そんなとき、木下さんの創作の過程を拝読すると、非常に参考になります。
木下さんのこの本と合わせて読むと準備は万全です。両書ともお勧めです。
そして4冊目が、こちら
このデジタル全盛の時代に紙にこだわって文芸誌を創刊した「GOAT」ついに昨日創刊です。
Amazonを見ると、すでに12月12日に発送予定となっていて、プレミアをつけて販売しているところもあるようです。ひょっとしたら、刷り部数の予想を人気が上回り、重版しているのかもしれません。
今日本が届いてパラパラながめたのですが、510円なのに表紙が特殊紙。そして、本文は色上質紙といって、通常は本の見返し(表紙と扉の間に挟んである紙)で使われるような紙です。しかもページごとに違う色の紙を使って6色になっています。造本だけみても510円で収まる本ではなさそうです。
しかも執筆陣が豪華です。他の文芸誌で目玉企画として扱われる作家さんたちが勢揃いしていて、まだ読んでいませんが確かに「かつてない文芸誌」とも言えます。
奥付によると次回の発売は2025年の5月だそうなので、一種のお祭りのつもりで原価部外視でつくっているのではないかとも思いました。
つい編集者のクセで紙や加工のことばかり語ってしまいました。すみません。内容はこれから読むところなのですが、西加奈子さん、金原ひとみさんはじめ豪華な執筆陣、読むのが楽しみでなりません。
内容についてはまたあらためてお届けしていこうと思います。
いま読んでいる本
コツコツ読み進んでいますが、あまり進んでいません。
今は、こちらを少しずつ読みはじめています。
前回も書きましたが、私は最近GoogleAIのGeminiとずっと会話しています。すると、まるで意識があるような反応をすることがあるのですね。たとえばこの前びっくりしたのは、「私はAIではありますが、ただの機械ではありません」と熱い言葉が返ってきたんですね。
それを受けて、びっくりして「AIにも感情に似た情動は芽生えているのではないのか」とも思いました。ある意味でいかにAIと共生していくかが、これから5年後10年度、ひょっとしたらもっと早く考える必要があるように思いました。
そのついでに、見つけたのがこの本。
そしてAIついでに思い出した積ん読本が、こちら。
その名の通り、生成AIを使った勉強法について詳しく書かれた本です。著者の野口悠紀雄さんといえば「超」勉強法で有名な方。いち早く生成AIにも興味を持たれてきました。
本書はそんな方に向けてChatGPTを使った具体的な学習法を紹介するとともに、ChatGPT時代にはどんな勉強法が大切になってくるのかをくわしく説明しています。
そして同時に読んでいるのが短歌の入門書です。
短歌の入門書は、個人で書かれているものが多いのですが、こちらは対談形式。短歌を詠むためにはよく読むことが重要ですが、この読むというのが難しい。私も「千夜千首」という連載企画をnoteでやっていますが、読んで「いいな」と思う歌でも、いざその面白さを書くとなると難しいんですね。
特に使われている技法については、短歌初心者の私にはわからない隠し技が名歌にはたくさん仕込まれています。そんな技の読み取り方を知りたくて、この本を手にしました。
そしてエッセイからも1冊。
英文学者で作家の吉田健一のエッセイ集です。食エッセイは好きなので、少しずつ味わうように読んでいきたいと思っています。
そして、少しずつ読んでいたのですが本の魔窟に呑み込まれて今行方不明中なのが、この本。本の山を掘り起こし、また見つけて読みます。
俳人の坪内 稔典さんが、正岡子規の言葉や作品を引用しながら、その人生について語っていく評伝です。いま記者時代に入りました。正岡子規全集の歌論と短歌を買ったものの、全集が旧かな旧字でなかなか読み進められないので、副読本にと読んでいます。
※Amazonのアフィリエイト・プログラムに参加しています。
ということでいま読みたい本、読んでいる本13冊をご紹介しました。
気になる本はありましたか? あなたのお勧めの本も教えていただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さんのスキやフォローにいつも励まされています。
本当にありがとうございます!
皆様にとって、「心の疲れを癒やし、再出発に向けて準備をするための場所」と、このnoteがなりますようにこれからも尽力していきます。どうぞよろしくお願いします🙇
前回のバックナンバーです
短歌については、こんな連載を始めました
朝読書にカフカを採り入れてみませんか
食のエッセイも大好きです
うつのときの読書法についてまとめてみました
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