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未熟な自分を知ったVIVIVIT体験記
こんにちは😊 金子ゆりです。
近頃は寒くなってきたので、長袖を着るようになりました。
今回の記事は、私が6月から取り組んできた、ビビビット展へ向けてサービスデザインを作ってきた学びと感想です。
今までは来場者でしたが、今年は出展者として取り組んできました。
6月から10月までの期間、私がどのように動いて、何を考えていたのかをざっくりですがまとめました。
長いですが、最後までお読みいただけるとうれしいです。
💡 6月 - 課題を見つける
6月の末、ビビビット展への出展審査がありました。簡単にサービス概要までを考え、それをもとに出展できる / できないが決まります。
私は授業でもサークルでもデザインを学んでいる身ですが、恥ずかしいことに、まだ1度も自分だけの力でサービスデザインを作り上げた経験がありませんでした。そのため、課題を見つけるところから、とても苦労しました。
たくさん悩んだ課題
私は自分がアレルギー性の症状に悩まされていることもあり、はじめは「アレルギー」をテーマにサービスを作ろうと考えていました。
そのために色々な文献を漁ったり、アレルギーをもつ友達にインタビューをしました。
そこからどのようなサービスを作ろうか悩み、書店へ行ってアレルギーの本や行動経済学の本を買って読みました。
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このとき出てきた案は、「アレルギーの子供をもつ母親へ向けたサービス」でした。私は満を持してこの案を選考に提出したのです。
課題を変更
合否発表の前でした。
「私自身が、考えたサービスに出てくる当事者ではない」=自分ごととして考えることができない、ということが引っかかり、ほとんど違うサービス内容を最終的に選考に出しました。(まだ直せる期間でした。)
最終的に私が選考を通ったサービスは「1人暮らしで料理初心者の大学生へ向けた、ミールキットの宅配サービス」でした。
💡 7月 - メンターさんとのブラッシュアップ
合格をもらい、7月からはプロのデザイナーであるメンターさんと一緒にサービスをブラッシュアップしていきました。
このとき何かモヤモヤした気持ちがありましたが、「メンターさんが言っているのだからだいじょうぶだろう」という自信のもと進めていました。
7月が終わる時点では、競合調査やペルソナ、カスタマージャーニーマップ制作までが終わっており、アプリUIのワイヤーフレームまで進んでいました。
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このとき、1人でここまでやったことがなかった経験から、ほとんどメンターさんの指示通りに動いていました。
週1回の週報を欠かさず、順調に進んでいるように思いました。
💡 8月 - 考え直す
8月の夏休み期間中も制作を進めていきました。7月までとは違い、授業は終わっていたため、1週間に確保できる制作時間が多くなりました。
2回目の課題を変更
8月の後半、大学の教授と話す機会があり、自分が今進めているテーマがいかに浅い考えだったのかが分かりました。
企業さんとお話するときに、自分は社会にどんな課題をもっていて、どうやって解決をしていこうとする人間なのか。私が進めていたサービスは所謂、「誰でも考えられるサービス」でした。
自分は良いと思って進めていただけにショックでした。しかし同時に、自分の考えの未熟さに気づき、もう1度サービス内容を考え直すことにしました。
制作に奔走
制作期間の終わりが迫っているため、ここからは今までの時間を取り戻せるように動きました。
メンターさんには謝ってサービスの内容を変更することを伝えました。今まで何も自分で考えてこなかった自分への怒りと、迷惑をかけてしまった申し訳なさで、半分泣きながらメンターさんとお話しました。
このとき、6月末の合格発表の後で感じたモヤモヤが分かった気がしました。
私は人の言葉に押されて1つのサービスを作る機会を失ってしまったけれど、自分自身力を入れて、ようやく社会に対しての課題をもち、解決したいと思えたサービスが最初に考えた、「アレルギーの子供をもつ母親へ向けたサービス」だったのでした。
もう時間がなかったため、そのサービスは作れませんでした。
そこで、自分でもう一度サービスデザインに対する考えや、制作に対する考え、ビビビット展に対する考えを改めようと思ったのです。
💡 9月 - ラストスパート
夏休みが明けていよいよラストスパート。
面談する企業さんの情報が解禁されたり、自分のサービスについてを言語化したりする時期になっていきました。
1日1日が過ぎて、1週間があっという間でした。
自分で考えて実践する
私はメンターさんに対しても向き合い方を変えました。言われたことをやるのではなくて、自分で大学やサークルで学んだことを活かそうと思いました。
メンターさんに提案される前に、今までやってきたことのある手法を思い出して自分で実践しました。
例えば、インタビューやUIワイヤーフレームのユーザビリティテストは、メンターさんから提案されたわけではありません。大学の授業やサークルで経験した手法だったので、使える知識を実践しなければと考えました。
いろいろな人の助けを借りることになったけれど、それでも最後まで作品を作り切りたいという思いはブレませんでした。
こだわって作り上げる
9月の後半、UI画面を作った時期。
私は初めてAppleの"Human interface guidelines"をなるべく参考にして作ってみようと考えていました。中途半端なものは作りたくなかったからです。
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9月の末になると、企業さんとの面談スケジュールが届きました。
そこで一気に体が熱くなりました。制作意欲というよりは、早く自分のサービスについて誰かに話したくなったのだろうと思います。
プレゼンボードも大急ぎで制作しました。もともとスケジュール管理が下手な私は、最後のギリギリまで作ることになりました。
それでも最後までこだわって作りたい、企業さんと自信をもって話せる完成度まで作り上げたい。
頭の中は毎日そんな思いでいっぱいでした。
💡 10月 - 完成と反省
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10月の初めに、プレゼンボードを提出して無事に制作を終えました。
あとは企業さんとの面談、一般公開日に向けて準備するのみとなりました。
6月から進めてきてあっという間に思えました。
今までグループワークで作ってきたものが多く、なかなか自分1人の力でやってのけた実感が湧きませんでした。
今回はどう進めても、どう判断しても、全部自分が選んだことであることへのプレッシャーと同時に、自分で進めていける楽しさも少しだけ感じていました。
🏢 企業面談
企業面談は計6社の企業さんに面談をしていただきました。
約20分という短くも長いような時間で、私の作品を上手く伝えられるだろうか、正直とても不安でした。
最初の1社目はとても緊張したのに、話した途端に次々話したいことが溢れるという不思議な体験をしました。
うれしかったこと
私がうれしかったのは、UIを評価していただいたことです。
私はもともと、そこまでUI画面作りが得意ではありませんでした。けれど、今回は根気よく自分が納得するまでUIを作り込みました。上でも書いたように、ガイドラインも参考にしました。
自分がこだわった部分が企業さんに届いていることを実感でき、とてもうれしいと思ったし、自信にもなりました。
また、企業さんは見えることだけではなくて、私がなぜその過程で進めたのか、なぜそのデザインを作ったのか、私がデザインに込めた思いや体験、どんな人柄なのかを丁寧に聴き取ってくださいました。
中身まで知ろうとしてくださっているとを感じることができました。
悔しかったこと
当然ながら悔しい思いもたくさんしました。
自分が少しでも自信がないところを尋ねられると、一気に答えられなくなり、詰まり詰まりでようやく話すことができました。
また、できなかったこと・考えていないことは、正直に「できなかった」「考えていなかった」と伝えました。こんなに言葉を重く感じたのは久しぶりな気がしました。
再度、自分の考え方に対して未熟さを感じ、情けなくなり、面談が終わったあとは頭を抱えました。
作品に正直に向き合ったからこそ悔しくて、もっとがんばれた、もっとこうすればよかった、ということが次々と出てきました。
↓ 企業さんフィードバックの一部です。
(企業名は伏せてあります。ほんの一部なので他にもたくさんフィードバックをいただきました。)
うれしかった評価
・プレゼンボードがきれいで、準備が良くできている。
・ユーザーに自然と学ばせるのがおもしろい。
・UIがとてもきれい。
・最後の「気づきと学び」のところを褒めてもらえた。
考えさせられた評価
・ユーザーが使うタイミングは考えたか。
・UIだったり写真だったりがときどき小さくて読みにくいところがある。そのときは画面を分割して見せるとかの工夫をすると良い。
・考えたコンセプトにユーザーが変わっていくのが、UIのどこで表現できているか。
📣 一般公開の日
最後に自分の作品を、他大学の学生さんや他の出展者の方へ一般公開しました。
同じ大学の先輩や後輩が来てくれて、先輩方からはフィードバックもいただきました。
ここでは出展者として「出展者トーク」にも出させていただきました。
今思えば、制作中、同じチーム・他のチームで一緒にがんばってきた人たちと何も交流がなかったことに改めて気づきました。
一緒に話すと、自分と同じ不安に思っていた時期があったことや自暴自棄になりそうだったことなど、共感できるお話をたくさん聴くことができました。
✍️ 学んだこと
まずは、授業以外で、自分で1つ作品を作り上げられたのは良い経験だったと思っています。ひとまず、という形でしたが、誰かに見せることができる自分の中の1作品を増やせたことはうれしいし、ブラッシュアップもできると思うからです。
しかし反対に、もっとできたこともたくさんありました。
特に事業者のところはあまり考えられていなくて、ユーザーの体験重視で考えてしまったところは反省するところです。
また、知識の体系化(リサーチ→分析→設計などの)が完全にできていたわけではなかったので、自分でどう進めれば良いか、とか、どうしてこの手法を使うべきなのか、をほとんど手探りで進めていったようなものでした。
正直に、今学んでいることを活かせる場面が、自分の中であまりにも少なく感じて、本当にまだまだだなと感じています。
きれいな言葉でしか説明ができない、抽象的になってしまうというのが自分の弱いところだなとも思っています。
ビビビット展に出なければこんなに自分のことを客観視することはなかったし、企業さんとも作品を通してお話できることもありませんでした。
自分で考えて作る・大人と話す・自分の課題をつかむ場数を増やすことができた時間として、ビビビット展は貴重な経験であったと思います。
反省はたくさんありますが、自分の作った作品を企業さんに評価していただいた瞬間、デザインをすることが楽しかったと思えたのも、また事実でした。
答えのないものであるからこそ、これで満足することなく、泥臭く学んでいるのが、今の自分らしいと思います。
ビビビット展は終えましたが、私の学びはまだまだ始まったばかりだと思うし、まだ納得しきれていないこともあるし、何より自分の未熟さを痛感しています。
「学びの終わり」を決めずに、自走していこうという気持ちです。
最後に、ビビビット展で面談をしていただいた企業様、ありがとうございました。
最後まで読んでくださりありがとうございました😊
↓ 私の出展した作品です。よろしければご覧ください。