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Fortinet2024年11月決算資料 investor Presentation

ネットワーキングとセキュリティの市場の進化と統合について示しており、「Secure Networking(セキュアネットワーキング)」が「Traditional Networking(従来型ネットワーキング)」を2026年までに市場規模で上回るという予測が述べられています。以下、スライドの内容を読み解きます:

「The Convergence of Networking & Security: A Strategic Evolution(ネットワーキングとセキュリティの融合:戦略的進化)」

 「The secure networking market will exceed traditional networking by 2026(セキュアネットワーキング市場は2026年までに従来型ネットワーキングを超える)」

グラフは、2000年から2030年にかけてのネットワーキング市場の推移を示しており、「Traditional Networking(灰色)」と「Secure Networking(赤色)」の市場規模が比較されています。

2000年:

 Traditional Networking: $16B
 Secure Networking: $7B
セキュアネットワーキングはまだ市場規模が小さい。

2010年:

Traditional Networking: $25B
Secure Networking: $9B
10年間でセキュアネットワーキングは成長したが、従来型ネットワーキングとの差はまだ大きい。

2020年:

Traditional Networking: $29B
Secure Networking: $19B
セキュアネットワーキングの成長が加速し、市場規模の差が縮小。

2025年:

Traditional Networking: $47B
Secure Networking: $43B
市場規模がほぼ並ぶ。

2026年(Tipping Point):

Traditional Networking: $49B
Secure Networking: $50B
セキュアネットワーキングが初めて従来型ネットワーキングを上回る。

2030年:

Traditional Networking: $56B
Secure Networking: $62B
セキュアネットワーキングがさらに優位に立つ。

主なポイント


市場の変化: ネットワーキング市場がセキュリティ統合型(セキュアネットワーキング)へシフトしていることを示しています。
成長ペース: セキュアネットワーキングの成長率が従来型を大きく上回る。
戦略的影響: このデータは、企業がセキュアネットワーキング技術に投資する重要性を示唆しています。
このスライドは、特に2026年を「転換点(Tipping Point)」と位置づけており、将来的な市場戦略や投資計画を策定するための指針として役立つ内容です。

Fortinetの市場優位性を示す3つの重要な指標

この画像はネットワークファイアウォールセキュリティ市場におけるFortinetの市場優位性を示す3つの重要な指標を表示しています。アナリストの視点から以下のように分析できます:

市場シェアのトレンド (左図):

Fortinetは40-50%台の市場シェアを維持しており、2023年も上昇傾向
競合のPalo Alto NetworksとCheck Pointは10%以下で停滞
この大きな差は、Fortinetの製品競争力の高さを示唆

製品収益の推移 (中央図):


Fortinetの売上は2021年以降、急激な成長カーブを描く
2023年には約$2,000M規模まで成長
特筆すべきは、競合他社との収益格差が年々拡大している点

顧客基盤 (右図):


累計顧客数は着実な成長を続け、80万社以上を獲得
2014年からの10年で約4倍の成長
新規顧客獲得の勢いは衰えていない

投資家への示唆:

Fortinetは市場リーダーとしての地位を確立し、競合との差を広げている
収益成長と顧客基盤の拡大が続いており、今後も持続的な成長が期待できる
セキュリティ市場の重要性が高まる中、同社の市場支配力はさらに強まる可能性が高い

リスク要因:

技術革新の速い業界であり、新興企業の台頭に注意が必要
高い市場シェアゆえ、今後の成長率維持がチャレンジとなる可能性




この株価パフォーマンスのグラフから、Fortinetの投資価値について以下のポイントが読み取れます:

卓越した長期投資リターン:


2009年のIPO価格$1.25から2024年には$94.20まで上昇
IPO以来の投資リターンは約7,436%という驚異的な成長
年平均成長率(CAGR)33%を15年以上維持

競合他社との比較優位性:

Palo Alto Networks(PANW)やZscaler(ZS)と比較して、大きく上回るパフォーマンス
特に2020年以降、競合との差が顕著に拡大
株価の上昇トレンドが継続的に維持されている

投資家価値の持続的な創造:

「株主価値の創造」を経営の主要方針として明確に位置づけ
2009年からの一貫した成長戦略の成功
2023-2024年も力強い上昇トレンドを維持

投資家にとっての示唆:

サイバーセキュリティ市場の成長を最も効果的に享受できる銘柄の一つ
技術革新と市場シェア拡大による持続的な成長可能性
競合他社と比較して、より安定した株価上昇トレンドを示している
このパフォーマンスは、Fortinetの事業モデルの強固さと経営陣の実行力の高さを示す重要な指標といえます。



Fortinetの財務パフォーマンスについて

安定した収益性と成長性:


IPO以降、毎年GAAPベースで黒字を維持
総請求額(Total Billings)は2009年から2024年まで23%のCAGR
2024年予想の総請求額は約64億ドルまで成長
GAAP営業利益率は20-23%台で安定推移

"Rule of 40"の達成:


収益成長率とNon-GAAP営業利益率の合計が40%を継続的に上回る
2023年は合計約60%(収益成長率約55%+営業利益率)と高水準
2024年予想でも44%と、基準値を上回る見込み
経営陣の実行力:
高成長と高収益性の両立を実現
長期的な成長トレンドの維持
収益性を犠牲にせず成長投資を継続

投資家への示唆:
安定した事業モデルによる予測可能な業績
成長投資と収益性のバランスの取れた経営
サイバーセキュリティ市場の成長を着実に取り込む体制
このような財務指標は、Fortinetが持続可能な成長軌道に乗っていることを示しており、長期投資先としての魅力を裏付けています。

noteより縦読み

「SD-WAN市場でFortinetがCiscoやBroadcomを上回る」とのこと


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