SD-WAN、SASEで急成長してきたFortinetまとめ【NYSE:FTNT】
お疲れ様です。今回はFortinet社について「技術面」なこと、「企業面」、「財務面」などでまとめていければと思います。
セキュリティ系の企業を見分けるのが得意!というわけではありませんが、「Zscaler」、「パロアルト」を読んで次に、「Fortinet」が来ました。
Fortinetという企業について
■いつも企業の捉え方に苦戦
企業をどうとらえるかいつも悩みながら書いています。大量生産できないnoteを書いていますので、不定期な発行になります。
分からない企業、知っているけど捉え方が分からない企業もありますので、温かい目で見守っていただければと思います。
■書きながら苦戦してます
本来であれば、noteを書く際に、「型化」とか必要な場所だけうめる、noteを売って「利潤追求」のための大量生産などもありますが、わたし自身が「そういうこと(量産型note)に興味がない」ということもあります。
ただ、これから日本のSIerに入社される方、SIerに入社されて間もない方、企業の裏側に書かれているメッセージ(社会的責任やPhilosophy)などを拾いながら企業を紹介していければと考えています。本日も以下の記載からFortinetについて記載していきます。
その他にセキュリティ企業についてもnoteにまとめているのでLinkも記載します。
過去のセキュリティ(企業)に関する紹介
【別の記事】【最新グローバルWAN事情】SASE、Zerotrust、SD-WANについて
もともと、国内にあまりSASEに関するまとめサイトがなくて人のためになりたくてSASEについて記載しました。
【別の記事】【時価総額3兆円テレワークの本命】クラウドセキュリティZscaler社について
【Google経営陣によるセキュリティ企業】PaloAltoNetworksのミッションや企業について!
Fortinet社のミッション
ミッション:あらゆる場所の人、デバイス、データの保護
社会の一員である企業としての責任
常に信頼できるデジタル世界は、公正で持続可能な社会の実現に不可欠です。フォーティネットは、持続可能で革新的なセキュリティテクノロジーを提供し、サイバーセキュリティに多様な人材を活用し、バリューチェーンで責任ある形でビジネスを推進することによってこのビジョンを実現することが、社会の一員である企業としての責任であると考えます。
企業の社会的責任
https://www.fortinet.com/corporate/about-us/corporate-social-responsibility より
Corporate Social Responsibility
"We believe it is our duty to make the world a safer and more sustainable place. Making social responsibility an integral part of our business allows us to improve the way we work, connect, innovate, and impact the world around us."
-Ken Xie, CEO of Fortinet
「私たちは、世界をより安全で持続可能な場所にすることが、私たちの義務であると信じています。よりセキュアな場所を作り続けることで、我々の働き方、接続、革新、そして我々の周りの世界に影響を与え改善することができます。」
Our company vision - a digital world you can always trust - is essential to achieving just and sustainable societies. We believe it is our responsibility to deliver on that vision by innovating sustainable security technologies, diversifying cybersecurity talent, and promoting responsible business across our value chain.
当社のビジョンである「常に信頼できるデジタルワールド」は、公正で持続可能な社会を実現するために不可欠なものです。持続可能なセキュリティ技術の革新、サイバーセキュリティ人材の多様化、バリューチェーン全体での責任あるビジネスの推進により、このビジョンを実現することが私たちの責任であると考えています。
ネットワークとセキュリティの集中対応
従来のネットワークでは、コンテンツ、アプリケーション、ユーザー、デバイス、場所などが認識されず、セキュリティソリューションを次々と上乗せしてこの欠点を補おうとしてきたため、管理の複雑化、パフォーマンスの低下、ユーザーエクスペリエンスの悪化、新たなギャップや脆弱性の発生といった問題に直面することになりました。セキュリティドリブンネットワーキングのアプローチを採用することで、ネットワーキングとセキュリティの単一かつ高速のソリューションへのコンバージェンスが可能になります。専用設計のオペレーティングシステムとセキュリティプロセッサの連携により、ネットワークパフォーマンスとセキュリティ態勢が大幅に向上し、状況の認識を可能にしつつ、ユーザーエクスペリエンスの向上、管理の複雑さの緩和、設置面積と消費電力の削減が実現します。
Fortinet社について
会社について私なりの意見を書いてしまうとそれがあっているかどうかを確認しないといけないため今回も会社のホームページから大事なメッセージを拾い上げていければと考えています。
https://www.fortinet.com/jp/corporate/about-us/about-usより
>フォーティネット(NASDAQ:FTNT)は、世界中の大手企業、サービスプロバイダー、そして政府機関を守っています。フォーティネットは現在から将来にわたり、拡大する攻撃対象領域全体に対してインテリジェントでシームレスな保護を提供し、ボーダレスネットワークにおける高まるパフォーマンス要件に対応するための能力をお客様に提供します。フォーティネット セキュリティ ファブリックは、ネットワーク環境、アプリケーション環境、クラウド環境、モバイル環境のいずれであっても、最も重要なセキュリティ課題に対応するために妥協のないセキュリティ機能を提供できる唯一のアーキテクチャです。フォーティネットは世界で最も多くのセキュリティアプライアンスを出荷し、世界565,000社以上のお客様がビジネスを守るためにフォーティネットに信頼を寄せています。
→拾い上げられる言葉は「セキュリティ」企業であること
「フォーティネットは世界で最も多くのセキュリティアプライアンスを出荷」→恐らくCiscoやPaloAltoよりも多くのセキュリティ製品を出荷されているということかと考えられます。
>フォーティネットは2000年に、NetScreenの創業者であり元プレジデント兼CEOのKen Xie(ケン・ジー)によって設立されました。ネットワークとセキュリティ分野で豊富な経験と実績を誇る優秀な経営陣がフォーティネットの経営にあたっています。
沿革
企業初期の状況
2000年、Ken Xieと弟のMichael Xieが共同でAppligation Inc.を設立。2000年12月にApSecureと改名し、その後「Fortified Networks」のフレーズに基づきFortinetに再改名しています。
Fortinetは2002年に最初の製品であるFortiGateを発表し、その後アンチスパムやアンチウィルスソフトウェアも発表しています。
また、2000年から2003年初頭にかけて、1300万ドルの民間資金を調達しています。
Fortinet初のチャネルプログラムは2003年10月に設立され、2003年12月にカナダ、2004年2月にイギリスで製品の流通が開始しました。
2004年までにアジア、ヨーロッパ、北アメリカにオフィスを持つに至っています。 フォーティネットの製品は、そのような市場の中で、より多くの人々に受け入れられています。
2005年4月、ドイツの裁判所はFortinetのイギリス子会社に対し、GPLでライセンスされた要素のソースコードに関連して仮処分を下さいています。 フォーティネットが要求に応じてソースコードを利用可能にすることに同意したため、この論争は1ヶ月後に終了しています。
成長と拡大期
2008年第3四半期に黒字化。同年末には、データベースセキュリティと監査を手がけるIPLocks社の知的財産を買収しました。
2009年8月には、イーサネットスイッチング企業であるWoven Systemsの知的財産とその他の資産を取得しました。
市場調査会社 IDC によると、2009年11月までにフォーティネットはUTM(統合脅威管理)市場の 15% 以上を占めています。
2009年には、CRN Magazineの調査ベースの年次報告カードで、フォーティネットはネットワークセキュリティのハードウェア部門で2007年の7位から1位に選ばれました。2009 年 11 月、フォーティネットは新規株式公開を行いました。取引開始初日の終わりまでに、1億5600万ドルを調達した。
IDCによると、2010年までにフォーティネットの年間売上は3億2400万ドルに達し、統合脅威管理市場で最大のシェアを占めるようになりました。
フォーティネットは2012年から2016年にかけて4件の買収を行っています。
2012年12月:アプリホスティングサービスのXDN(旧3Crowd)を買収。
2013年:コヨーテポイントを買収。
2015年:Wi-Fiハードウェア企業のメルー・ネットワークスを買収。
2016年6月:ITセキュリティ、監視、分析ソフトウェアベンダーであるAccelOpsを買収。
■2016年以降
2014年7月:ネットワークセキュリティエキスパート(NSE)プログラムと呼ばれる技術認定プログラムを発表しました。
2016年3月:米国内のサイバーセキュリティの空き職を埋めるためにネットワークセキュリティアカデミーを立ち上げました。
フォーティネットはこの分野での仕事に就く学生を養成するために機器を寄付し、大学に情報を提供する。
2016年:フォーティネットはサイバーセキュリティ職として軍退役軍人を採用するフォーティベットというプログラムを立ち上げました。
2017年1月:元NSAのメンバーであるフィリップ・クエイドが同社の最高情報セキュリティ責任者に就任することが発表された。
2017年末:前年比15%増の4億1670万ドルの売上高を計上した。
2018年6月:アクセスコントロールとIoTセキュリティソリューションのメーカーであるBradford Networksを買収しました。
2018年10月:脅威分析会社のZoneFoxを買収しました。
2019年1月:創業者のKen Xieがスイス・ダボスで毎年開かれる世界経済フォーラムに参加すると発表された。
2019年9月:米国政府のエンドユーザーに対して意図的に誤ったラベルを貼った中国製機器を販売した「孤立した事件」と同社が説明していることに関する内部告発訴訟を解決しました。
2019年末:ensiloとCyberSponseを買収しました。
2019年:フォーティゲートのSD-WANと次世代ファイアウォールはNSS Labsから「推奨」評価を得ました。
2020年7月 OPAQ Networksを買収しました。OPAQはバージニア州ハーンドンを拠点とするSASE(Secure Access Service Edge)クラウドプロバイダです。
2021年、アプリケーションセキュリティ企業のSken.Aiを買収し、継続的なアプリケーションセキュリティテストを提供しています。
2021年9月 アメリカのサイバーセキュリティにおける人材不足に対処するためのジョー・バイデン大統領の行動要請を支持し、100万人を訓練することを約束しました。
2020年、フォーティネットは自動インシデント管理会社Panoptaを買収しています。
2022年3月 ロシアでの事業終了を発表。同社はロシア国内での販売、サポート、プロフェッショナルサービスをすべて停止した。
同月、フォーティネットはクラウドとネットワークセキュリティの企業であるShieldXを買収した。
売上と成長について(会社案内より)
https://www.fortinet.com/content/dam/fortinet/assets/brochures/ja_jp/company_brochure.pdf
取扱高については毎年平均24%で成長しているようで企業の成長については問題なさそうです。
いつも書いていますが、売上が上がらないと新しい発想や取り組みにお金が書けれない。
■販売地域やセグメント別取り扱いもほぼ均等でバランスが取れているようです
■特許数について
セキュリティやテクノロジー系企業でもあまり書かない企業が多いと思いますがFortinetは、自身があるのでしょうね。 PaloaltoやFireEye、CheckPointと比べても国際特許数は多いようです.
FortinetのOS市場について
Fortinet、PaloAlto、Checkpoint、Ciscoと比較しても2021年時点で圧倒的にFortinetの出荷量が多いようです。
Fortinetの強みが何か?IRに記載されている内容からは、WAN Edgeに関するMQでは、LEADERの立場であることが書かれています。
さて、SD-WANとは何でしょう?
SD-WANのコア機能:
・ マルチパスコントロール
・アプリケーションの識別
・動的なアプリケーションステアリング
SD-WANの基盤
SDWANでは、古くなったハードウェアとソフトウェアのみならず、古くなったビジネスソリューションの入れ替えも必要です。企業がを推進する理由の1つは、ビジネスユーザーによるテクノロジーの使用方法が変化したことにあります。クラウドの採用、デバイスの統合、接続コストの削減は、インフラストラクチャの大々的な進化の推進要因となっています。テクノロジーリーダーにとって、ユーザー体験と生産性の向上は、トランスフォーメーションプロジェクトを推進する大きな動機です。
SDWANソリューションは、インターネットや企業への接続ポイントを複数持つ支社を活用し、個々のアプリケーションに最適なパスを決定します。
データは最適なパスで伝送されるため、パフォーマンスは向上し、可用性は最大限まで高まります。パスフェイルオーバー、リンクアグリゲーション、リンク修復、アクティブパスのパフォーマンス評価指標を活用することで、企業や複数のクラウド環境に接続するインターネット全体でアプリケーションの可用性とパフォーマンスを確保します。特定のアプリケーションで求められるパフォーマンス要件を満たす最適なパスの特定と、そのパスに対するパケットやセッションの割り当てます。
SDWAN前の概略図
SDWAN後の概略図
SD-WANのメリット
・インターネット回線を利用しながらも高いネットワーク品質
を担保し、構成変更にも柔軟に対応できることにあります。
これにより常にデータセンターを経由していたクラウド
サービスへのアクセスをインターネットにオフロード
(ローカルブレイクアウト)することでWAN全体を最適化
SD-WAN技術
・アプリケーションを識別して可視化し、WANを流れる
トラフィックをコントロールする技術がSD-WAN
・SD-WANはキャリアが提供するWANサービスよりも安価な
インターネット回線を利用して回線コストを抑えつつ、
ネットワーク品質を高めることが可能です。
1.アクティブ・アクティブ構成でさまざまなWAN回線を制御できる
2.コモディティなハードウェア上で仮想的なCPE(専用VPNルーター)を提供する
3.アプリケーション等のポリシーに基づきダイナミックにトラフィック制御できる
4.セキュリティ、企業ガバナンス、コンプライアンスの要件ごとに個別のアプリに対して可視化、優先度付け、ステアリングを行える
5.可用性・柔軟性の高いハイブリッドなWANを構成できる
6.スイッチやルーターと直接相互接続可能なL2/L3に対応している
7.拠点、アプリケーション、VPN品質の状況をダッシュボードで可視化したりレポーティングしたりすることが可能
8.オープンなノースバウンドAPIを持ちコントローラーへのアクセス・制御が可能
9.ゼロタッチプロビジョニングに対応している
10.FIPS-140-2を取得している
そもそも以下の内容でSD-WANについて多少触れていることを思い出しました。
Ken Xieについて
Ken Xie(中国語:谢青、ピンイン:Xiè Qīng)は、Systems Integration Solutions(SIS)、NetScreen、Fortinetを設立したアメリカの億万長者の実業家である。
シリコンバレーに拠点を置くサイバーセキュリティ企業であるフォーティネットのCEOを務めています。
Xieは以前、NetScreenのCEOを務めていたが、同社は2004年にJuniper Networksに40億ドルで買収された。1996年に最初のASICベースのファイアウォール/VPNアプライアンスを構築。経歴1993年、謝はネットワークセキュリティ企業であるSystems Integration Solutions (SIS) を設立した 。
1996年、謝はカリフォルニア州パロアルトの自宅ガレージで最初のASICベースのファイアウォール/VPNアプライアンスを作った 。
同年、彼はオンラインセキュリティ企業のNetScreen TechnologiesをYan KeとFeng Dengと共に設立したNetScreen Technologiesはその後ジュニパーネットワークス株式会社によって40億ドルで買収された。
ニュースより見えるFortinet
The Australian Financial Reviewより
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