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【決算】Paloalto社Q2 FY2024決算メモ

過去のPaloalto社決算メモ

PANW Q4 FY2023決算メモ

2024/2/20 Paloalto社Q2 FY2024決算メモ

 少し前のPaloalto社の決算ですが、読む機会が有りましたので振返っておきます。
 サイバーセキュリティ企業Palo Alto Networksの2022年第2四半期の業績ハイライトを示しています。主な内容は次のとおりです。

8四半期連続営業利益率の拡大

 8四半期連続で営業利益率が拡大している。売上高は19億800万ドル、残存パフォーマンス義務は108億ドルに達した。営業利益は5億6400万ドル、営業利益率は28.6%となった。

顧客企業の増加

 顧客数は着実に増加しており、年間売上が1億ドル以上の大口顧客が368社、5000万ドル以上の顧客が10社となっている。第2四半期には、主要10社の顧客で前年同期比36%の増収となった。

Prisma Cloudの顧客がマルチクラウドを利用

 ネットワークセキュリティ分野では、SASE ARRが前年比50%増と5四半期連続で30%以上の成長を遂げている。新規のSASEの顧客の30%以上がPalo Alto Networksに新規参入した。
 クラウドセキュリティでは、過去5四半期で最高のACV(年間契約価値)の伸びを示した。Prisma Cloudの顧客の約4分の1がマルチクラウドを利用している。
 セキュリティ運用分野では、XSIAMを採用した顧客のARRが5倍以上に増加し、第2四半期のXSIAMの受注額が9,000万ドルを超えた。

 要約すると、増収増益が続く中で、主力分野での着実な成長と、クラウド/SASEなどの新しい分野での高い成長を実現していることがわかります。

 Palo Alto Networksが提供するプラットフォームの概要と、そのプラットフォームを採用する顧客の動向を示しています。

3つの主要プラットフォーム

 同社が提供する3つの主要プラットフォームがまとめられています。 ネットワークセキュリティプラットフォームには9つの製品カテゴリー、クラウドセキュリティプラットフォームには7つの製品カテゴリー、セキュリティオペレーションプラットフォームには5つの製品カテゴリーが含まれています。これらを組み合わせて包括的なサイバーセキュリティソリューションを提供していることがわかります。

マルチプラットフォーム戦略を進めるPaloalto社

 複数のプラットフォームを導入する顧客の割合と、そうした顧客の平均年間売上高を示しています。 2つのプラットフォームを導入する顧客は79%で、平均年間売上高は200万ドル超と、シングルプラットフォーム顧客の5倍以上となっています。また、3つのプラットフォームを導入する顧客は57%で、平均年間売上高は1,800万ドル超と、シングルプラットフォーム顧客の40倍以上となっています。

 このように、Palo Alto Networksはプラットフォーム戦略を推進し、複数のプラットフォームを組み合わせて利用する顧客が増えていることで、企業の売上拡大につながっていることがうかがえます。今後もイノベーションを続けてリーダーシップを維持していく考えであることも示されています。

Palo Alto Networksのプラットフォーム統合戦略と今後の展望を示しています。

 同社の3つの主要プラットフォーム(ネットワークセキュリティ、Prisma Cloud、セキュリティオペレーション)について、それぞれ4~8社の既存ベンダーの製品を統合できる能力があると説明されています。実際に大手企業と複数の大型契約を締結した実績も紹介されています。

 今後の戦略として「加速するプラットフォーム化と統合戦略の活用」と「AIリーダーシップ戦略の活用」の2点を掲げ、2030年までにARR(年間リカーリング収益)150億ドルを目指すと宣言しています。

 サイバー攻撃の高度化・大規模化によりサイバーセキュリティの需要が高まっている一方、ハードウェアファイアウォールからゼロトラスト型への移行が進むなど、業界の動向が示されています。

 つまり、プラットフォーム統合によるワンストップソリューション提供と、AIなど新技術の活用を組み合わせた戦略を推進することで、今後の市場拡大を牽引していく考えであることがわかります。包括的なサイバーセキュリティ対策ニーズに応えながら、高い成長を実現していくことを目指しているということです。

Palo Alto Networksが顧客のプラットフォーム統合と製品統合を加速させる取り組みについて説明しています。

 プラットフォーム統合時の顧客側の課題点が挙げられています。実行リスク、各製品の依存性、大規模な変更に伴うリスク、二重の支払いを嫌う傾向、複雑な契約条件の調整など、経済的・実行上の exposed状況が示されています。

そこで同社は、「加速するプラットフォーム化と統合プログラム」を策定し、段階的にベンダー製品を自社製品に置き換えていく計画を示しています。これにより、実行リスクと経済的リスクを最小限に抑え、顧客の移行を円滑化することを目指しています。


2024年第3四半期から開始するこの加速プログラムの具体的な施策が紹介されています。

 ネットワークセキュリティでは、ゼロトラスト統合、ファイアウォール統一、SD-WANとSSEの統合、無料エンタープライズブラウザの提供など。

 クラウドセキュリティでは、AppSecパートナーシップ強化、マルチモジュール展開の推進、初期コストの価格マッチングなど。

 セキュリティオペレーションでは、EDRからCortexへの移行インセンティブ付与、SOCとXSIAMの統合、無償のモジュールアクセスと無料インシデント対応リテイナーなどを行います。

 このように、包括的な施策を通じて、自社プラットフォームへの統合を戦略的に加速させていく方針が打ち出されています。


 AI(人工知能)がサイバーセキュリティ分野に与える重大なインパクトと、Palo Alto Networksがこの新しい課題に対してどのように対応していくかについて説明しています。

 AIの進化によりサイバー攻撃が急激に増加していることが示されています。AI駆動の フィッシング詐欺メールが12か月で10倍に増加し、国家主体によるAI活用の攻撃も観測されています。AIにより短時間でマルウェアが作成可能になるなど、AIが新たな脅威となっていることがわかります。




 AIに対するPalo Alto Networksの優位性について説明しています。AI展開時の課題として、従業員による不適切なAIアクセス、AIモデルのセキュリティ、AIアプリの保護などが挙げられています。同社はXSIAMやXDRなどから毎日61PBのデータを収集し、1兆を超えるクラウドイベントを分析、100万人以上のユーザーからのデータを保有していることが強みとなっていると主張しています。この大規模なデータ収集力と既存のユーザー基盤を活かし、AI関連のTAM(総市場規模)を13億~17億ドル獲得できる機会があると見ています。

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