時を超えて
ある日、母のパカパカ携帯の待ち画面を変更しようと、機械オンチな母に代わって妹が待ち画面を変えた。
待ち画面を変更する際に携帯をピコピコ操作していると、、電話以外、メールもカメラもいじれない母の携帯に、、、、、
写真ファイル50枚???
妹がそのファイルを見つけ直ぐ様、私に連絡が来た。
「お姉ちゃん、お母さんの携帯に懐かしい写真がいっぱい入ってるんだけど、今度見てよ」
翌日、私は実家へ行き母の携帯を見せてもらった。
母の携帯の中の50枚は、、、亡くなった父の携帯の中に入っていたファイルであった。
何故?このファイルが??
実は、亡くなった父の携帯は当時、父が機種変したばかりで、その携帯を破棄せず母へ名義変更し使用していました。それから機種変する度にファイルも移行され現在に至った様です。
ファイルの中身は父が撮った写真、私たちが父宛に送った写真がファイルされていました。
ファイルの中身の多くは初孫である私の娘と息子の幼い頃の写真、まさか父が撮ってくれていたとは、、、。父は撮っても送ってくれる事は無かったし撮っている事も伝えてくれなかったので私たちは知る由もありませんでした。
父は伝えること愛情表現が不器用だったので私はファイルの写真を見て、とても目頭が熱くなりました。
もしも妹が発見しなかったら、、、、
ガラ携が使用する事が出来なくなっていたら知らずにスマホに変更という状況だったと思います。もしそうなった場合、この50枚の写真と出会える事は出来ませんでした。
父が遺したもの、遺してくれた写真が11年の時を経て、こういう形で出会える事が出来、嬉しかったです。
写真…写真は絵画と同じに、その時代でしかない風景と、そこに生きた人々がその中に生きています。