【9/22イベントレポート前編】乳化LABO~チョコレートと乳化技術の組み合わせで生まれるもの~
2023年9月22日にパティシエでレシピ開発などに携わっている吉井さんにご協力をいただき「チョコレートと乳化技術の組み合わせでどんな可能性が生まれるのか」を深掘りするイベントを開催しました。
6時間に渡り試作を繰り返し、乳化させた際の味わいの変化や、乳化技術を活用したオリジナルチョコレートリキュールの試作など、様々な学びを得ることができました。
本記事ではこのイベントで得た学びを余すことなくお伝えできればと思いますので、チョコレート好きの方はぜひ最後までお読みください!
チョコレートドリンクは乳化でどう変化する?
乳化チョコドリンクと手混ぜチョコドリンクの比較テイスティング
まず行ったのが、CLOSERで乳化させたチョコレートドリンクと手混ぜドリンクの比較テイスティングです。
こちらに使用したのは大阪のチョコレート専門店「カカオティエゴカン」のBean to Bar2種類。
今回試したのは
◾️お湯100mlに対してチョコレート10g
◾️お湯100mlに対してチョコレート30g
の2パターン。
CLOSERで乳化させたものと手で混ぜたものを用意して味わいの違いを比較します。
外観の違いはこんな感じです。
こちらで使用したのはベトナムの方のチョコレートバーです。
酸味のしっかりとした、フルーツ感の強いチョコレートでした。
【外観】
左側の手混ぜの方はどろっと濃厚な色合いなのに対して、CLOSERで乳化させたものは白濁して乳製品を加えたような色合いになっています。
手まぜの方は油脂のざらつきが見た目からも感じられますが、乳化させた方はなめらか。
【香り】
立ち上がる香りは明確に異なります。
手混ぜの方は底に溜まるような重たい香りでフルーツ感がいまいち伝わってきません。
一方乳化させたものは、1トーン明るい華やかな印象の香りで、フルーツのニュアンスも感じ取ることができました。
【味わい】
まず固形の状態でテイスティング。
口に入れた瞬間は強い味わいや香りを感じず、チョコレートが溶けていくにしたがって徐々に香りが開いてきます。
少しずつ酸味を感じるようになり、鼻からはラズベリーやフランボワーズのような明るいベリー系の華やかな香りが。
口に入れてから溶けて消えるまでの間に、これだけの変化が楽しめるのは個人的に大きな気づきでした。。チョコっておいしいですね。。
手混ぜした100:30のドリンクは、上記の特徴を最も強く感じられる味わいでした。
口に入れた瞬間にインパクトのある酸味を舌に感じ、ベリー系の香りも強く鼻に抜けるような印象。
固形のチョコレートではじわじわと感じられたカカオ由来の香り、味わいが、直接味蕾に届けられるような感覚。
口に入れた瞬間にピークが来て、そこからは比較的短い間に風味が消えていきます。
カカオの純粋な味わいの違いを知るためのテイスティングという意図であれば、この比率で手混ぜしたものを使用するのが一番良いかもしれません。
ただし、この濃度でも油脂のざらつきは目立ってしまうため、ドリンクとして1杯楽しむのはやや厳しい印象でした。
続いてCLOSERで100:30の比率で乳化させたドリンク。
こちらはバランスの取れた味わいで、チョコレートの酸味、特徴的なフルーツの香りは感じつつも、全体的に丸みを帯びたような味わいでした。
口に入れた瞬間に感じるインパクト、チョコレート感という意味では手混ぜの方が強く感じられる一方で、乳化させたものはまるで乳製品を加えたようなまろやかさ。そのためか舌の上での滞留時間が長いような気がしました…穏やかな香りが余韻にじわじわと続くような印象です。
正直にいって、この2種類はどちらが良い悪いという話ではなく、使い分けが必要な印象を持ちました。
そもそも固形のチョコレートを食べる際には、口の中で溶け、唾液と混ざっていく過程で味わいや香りが開いてくるため、「乳化」という働きがほとんど行われないまま飲み込んでいく形になります。
手混ぜのドリンクはおそらく、「口の中でチョコレートが溶けた状態」を再現できる方法であるため、「口に入れた瞬間にチョコレートの味わいの最大値」を感じることができるのでは…?という気がします。
CLOSERで乳化したものは、固形のチョコレートを食べる行為とはまったく違う原理で、綺麗に乳化した状態で口の中に入ってくるため、新しいカカオの味わいの楽しみ方になるのでは…?という期待感がありました。
別物のような味わいに変化しているけれど、使用しているのは水とチョコだけ。香りも味わいもカカオ由来のものしかないはずなのに、感じる味わいや香りが異なる、、この現象をどう説明すれば良いのか、、このあたりのお話を伺えるカカオフリークの方がいらっしゃったらぜひお話を聞かせてください。
乳化を活用したチョコリキュールの可能性
チョコレート×ウォッカで万能チョコレートリキュール
チョコレートリキュールを作る上で重要になりそうなのが、できるだけ加温せずに仕上げることです。加熱すればアルコールは飛んでしまいますし、チョコレートの風味も減少することは容易に想像できます。
「いかに低い温度のままリキュールに仕上げられるか」ということが重要なポイントになります。
今回は「湯煎で溶かした約40℃のチョコレートを、常温のウォッカに注ぎ込みながらCLOSERで乳化させる」という方法でチャレンジしてみました。
比率はウォッカ100gに対してカカオマスを50g、2:1で乳化させてみました。
ウォッカ100mlをCLOSERで回しているところに、湯煎したカカオマスを流し込んでいきます。
予想に反して(?)、何の問題もなく、とても綺麗に乳化することができました。最低限の加温でチョコレートリキュール作り、いけます。
こちらが完成したオリジナルリキュールです。
アルコール度数は30度弱程度あるはずですが、綺麗に乳化されているためか丸みがあり、それほどの強さを感じません(危ない)
カカオの味わいがかなり強く、ど直球でチョコレートを感じられる、幸福度の高いお酒に仕上がっていると思います。。
カカオマスを使用することで甘みは0の状態なので、こちらをベースにお好みのカクテルに仕上げることも容易にできます。
「手で混ぜても同じようなリキュールができてしまうのでは…?」という疑問をクリアにしておくために、手混ぜパターンも試してみました。
湯煎して40度まで加温したカカオマスを常温のウォッカに注ぎ入れ、一生懸命ホイッパーで撹拌してみたところ、見た目には大差のないものができてしまいました、、できちゃったじゃん、、
CLOSERで乳化したものと味わいを比較してみます。
…手で混ぜた方はアルコールがきつすぎて飲めたもんじゃありませんでした。全くの別物です。
チョコレートリキュール作りに関しては、CLOSERで作る価値が明確にありそうな予感がしました。これはびっくりします。アルコールの感じ方、カカオの香り、テクスチャー、全てがまったく異なりました。
繰り返しになりますが、加熱せずに作れるという点も大きなポイントです。
アルコール度数を維持し、カカオ本来の香りを生かしたリキュールに仕上げることができます。
またスチーマーも使用しないため、余計な水分が入ることもありません。
カカオマスとウォッカのみで作っているため、常温保存でも日持ちします(理論上)
これは多くの人に試してもらたいですねぇ。。
さらなるリキュール研究やスイーツ作りは後編で
レポートが長くなりすぎたため全編後編に分けたいと思います。。
後編はこちらからどうぞ!
こちらはチョコレートとミルクリキュールを乳化させて冷やしただけのトリュフです、、とても簡単で、とろけるような口溶けのトリュフまでできてしまいました。。
こちらのレシピや作り方の詳細については後編でお伝えしたいと思います。
その他にも、チョコレート×乳化で様々なリキュールやドリンクが生まれました。
こちらもぜひお読みいただければ幸いです!
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