仕事の仕方:クライアントとの対話編
仕事の仕方って、なんで学校で教えないんでしょうかね。
富国強兵のような話になりますが、教育は国家がコスト(元は税金なので国民ということになります)を負担しているので、国のためになるようにしたいはずです。
国は税収が上がれば強くなれるので、経済力を高めるのは国家のためになると思います。確か、小学生の指導要領にも「この国に相応しい人材を育てる」的なことが書いてあったような。
だとしたら、仕事の仕方教育に含めていい気が・・・ブツブツ
ということで、主題は僕なりのクライアントとの対話の仕方をまとめておきたいと思います。ちょうど、社員に伝えたこともあったので、いい機会かと。(ただ、言い訳として僕もちゃんと習ったわけではないので、あくまでも我流ということでご容赦ください)
どんな仕事をするうえでも、必ず必要になるのは、クライアントとの対話(コミュニケーションです)。
自動販売機だとしても対話があるはずで、メーカーがおすすめなものを上段にもっていくとか、「あったかい」か「つめたい」かをわかりやすくするとか、そういう気配りも全て対話だと考えます。
そこでの基本概念は、「相手が投げやすいボールを投げる」ということです。
僕は仕事をし始めたときに、先輩から
「ボールは持ちすぎず、相手に渡せ」
と言われました。
例えば、クライアントから
「〇〇は可能ですか?」
という連絡が来たら、ボールがクライアントから僕に投げられたことになります。
返信しなければ、僕はボールを持ったままなので、相手を待たせてしまいます。そこで素早く
「可能です」
と返信することで、ボールを投げ返すことが出来るんですね。
トラブル防止のためにも、ボールは持つな、は原則のように言われました。
これはとても大事な教えでした。
最近では、顧客との対話がチャットになっているので、より素早く、よりカジュアルに対話が可能になったので、レスポンスが悪いと評価が下がりやすくなりました。
だから、ボールはすぐに投げ返す必要は今でもあると思います。
僕はこのボールの考え方を推し進めて、バージョンアップしたので、聞いてください。
キャッチボールは楽しい方がいいですよね。対話も一緒です。
トラブル防止のために顧客と付き合うのは、負のエネルギーが前提になっているので、どうにか楽しくできないかと考えました。
卓球でもいいんですが、楽しいキャッチボールというのは、相手と呼吸があってリズム良く程よい場所にボールがくる状態かなと思います。
どんどん続くと気持ち良くなって、ずっと続けたいという状態になるし、外したらまずいという心地よい緊張感もあります。ゲームとしても楽しいんですよね。
そういう状態を対話に生み出すためには、「相手が投げやすい(打ちやすい)ボールを投げる」という事です。リズムよく程よいボールを投げるのです。
それはどういうものなのでしょうか。
リズムが悪く、コントロールも良くない対話を例にあげてみます。
面接などで、面接官が
「志望動機を教えてください」
と言った時に、しばらく考えてから
「家が近いからです!」
というのは、よくない対話とされています。
正直者なのに、なぜなのでしょう。
回答者が質問者の質問の意図を読み切れていなくて、自分本位だからかもしれません。
家が近い、という理由は間違っていないのでしょうが、そういう会社なら他にもたくさんあるでしょうし、会社から近い人を全員雇用しなきゃいけなくなるので、「会話しづれーな」と思われるんです。
まず面接前に、回答者はなぜこの会社が募集しているのかを考えるべきでしょう。会社はコストを下げるか、売り上げを上げるかのために採用しています。慈善活動で採用していたとしても、ブランディングに影響し、長期的に売り上げに跳ね返ると考えています。
ですので、会社が欲しい人材を平たくいうと、
・会社のサービスを理解している
・そのサービスを利用する顧客の気持ちを理解できる
・その仕事に携わることが、自分の人生も豊かにできると考えている人
なのです。
こう考えると、志望動機が「家に近い」というのは的外れですよね。
聴きたいことに応えていないんです。
これは対話ができていないことになります。
実際にあった、具体的なお仕事の話を例に取りましょう。
以前、クライアントから仕事の相談がありました。
内容はざっくりしていて
「動画編集を頼みたいんですけど、できます?」
って感じでした。そうそう、うちは動画編集をしている会社なんです。
ここで素早くボールを返す僕は、
「もちろんできます!」
と返すべきでしたが、それだけでは終わらせませんでした。
「もちろんできますが、要件をお伺いしたいので、差し支えなければ十分程度オンライン会議いかがでしょうか?いついつなら可能です」
と日程を2〜3つけて送りました。グイグイおしすぎですか?笑
相手が、YesかNoで答えられる質問は応えやすい質問だと思います。
また、相手が次に言いたい事を先回りしておくことも、気配りだと思います。
この場合、クライアントは
編集の仕事をしなければいけないけど、うちではできないので困っている
まずは、できるところを探さなければならない
つまり急いでいる
できるところがあれば、そのあと要件を伝えるか契約したいと思っているが、相手ができないのに要件を伝えることはできない
つまり守秘義務を要する案件である
などが考えられます。
もし急いでいるのであれば、様子見のやりとりで無駄に時間を過ごすわけにはいきませんし、守秘義務があるのであれば、そのことも伝えたいはずです。
僕がもし「できます」とだけ返したら、きっと先方から「ではMTGできませんか?」ときて、「できます」と返して「ではいつがいいですか?」みたいな無駄なキャッチボールが発生します。イライラしそうじゃないですか。
まとめると以下のような事です。
Before
「動画編集を頼みたいんですけど、できます?」
「できます!ぜひご依頼ください!」
「ではMTGできませんか?」
「はい!可能です!」
「良さげな日程をいくつか送っていただけますか?」
「そちらに合わせますので、逆に送ってください!!」
「えーと、ちょっとお待ちくださいね」
After
「動画編集を頼みたいんですけど、できます?」
「もちろんできますが、要件をお伺いしたいので、差し支えなければ15分程度でも構わないので、オンライン会議いかがでしょうか?弊社はいついつなら可能です」
「では、この日でお願いします」
「ありがとうございます!では、その際にお伺いしたいことを添付いたしますので、当日ご教授頂けますと幸いです!」
無駄なやり取りを削ったことと、相手が調整や考えるストレスから解放されているのがお分かりでしょうか。
また、依頼者はクライアントなんですが、日程調整・聞きたい事をこちらが先に送ることによって、イニシアチブをとっています。これにより他社よりも顧客をグリップしています。
目標は、クライアントが
「この人とやりとり(キャッチボール)していると気持ちいいなぁ」
と思ってもらうことで、相手の仕事やエンドユーザー、担当者の立場などを理解すればもっと気遣いができると思います。
たとえ、仕事が受注できなかったとしても、気持ちのいいキャッチボールができれば満足度は高く、信頼に繋がります。そしていずれまた仕事のお話をいただけると思います。
ボールを相手に渡し後も、できることはあります。
クライアントから頂いた資料は全て読み込むこと
クライアントについて可能な限り調べておくこと
競合について調べること
受注できた場合を想定してリソース調整をすること
受注できない可能性もあるので、舞い上がったりしつこくしないこと
などです。
自分を大切にするのは必要ですが、大切にするあまり、相手のことを理解しないのは対話になりません。仕事においては、いかに相手の立場になって考えるかが重要と考えます。だって、お金払ってくれるんだもの。
究極を言えば、自分が忙しいとかやりたい仕事じゃないから、というのも排除すべきだと思います。
どこまでもやれ!とは言いませんが、いきなり拒否するのではなく、「本当に時間ないのか?」「やりたくないからやらないという姿勢でいいのか?」と自分に問うべきです。
お客様は神様ではなく、仲間です。仲間が助けを求めていたら助けてあげるべきでしょう。そういう人のところに人や仕事が集まると思います。
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