《パイオニア》カウンターバーン反省録【0-5】
どうもこんにちは、時計です
2024年は8月24日に開催されたアルプラピックアップパイオニアという草の根大会に出場してきました
久しぶりのパイオニアでしたが、使用デッキ自体は以前からコツコツ組んでいたカウンターバーンを使用。当たって砕けろの精神で参加してきました
その結果は1ゲームも取れないままストレートで0-5、悲惨の一言に付きます
(後述しますが)運が悪かった面が多少あるにしてもこれは酷い。流石にヘコみました
しかしそれで終わったら笑い話にもならないので、せめて失敗談の提供とPDCAの過程を記録し、多少なりとも後進の方に糧を残せればと思い筆を執りました
いつも以上に真面目に読む必要性の薄い文章ですが、一つよろしくお願いします
1.構築
今回使用したレシピがこちら。打ち消し18枚、火力16枚、クロック8枚の王道を征くカウンターバーンです
序盤の脅威は不確定カウンターや火力で捌き、それ以降は確定カウンターで確実に妨害
隙ができたら《記憶の氾濫/Memory Deluge》で手札を補充し、攻め手が止まればクロックを出してゲームを決める
激しいエンドカードはいらない、その代わり深い詰みも無い平穏無事にライフとリソースを着実に攻める、常に75点が理想のデッキ
マジックの基本に忠実な、字面にすればシンプル・イズ・ベストなデッキですね
「でもクソ負けしてんだろボケ」という声が聞こえてきそうですが、その失敗を解説する前にまず強かった点を説明させてください
・クロック自体は良好
今回採用した《厚かましい借り手/Brazen Borrower》と《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》は共にナイスな活躍を見せてくれました
基本サイズが良好な上に、どちらも戦闘や除去に強い能力持ち。こんなボンクラプレイヤーでも出すだけで盤面有利が取れます
今後改造するにしても、この枠はキープですね
・思ったより強い《長川の引き込み/Long River's Pull》
ブルームバロウで登場した新しい2マナ打ち消し。通常では色拘束の強い《本質の散乱/Essence Scatter》ですが、新キーワード『贈呈』を行えば理外の《対抗呪文/Counterspell》になるというスグレモノ
カードレビュー時点では「ワンドローが余計」「かき消しで良い」みたいな声が多かったこのカードですが、このパイオニアカウンターバーンに足りなかった枠にピタリとハマってくれました
序盤のクリーチャーに対してはノーデメリットの打ち消し、中盤以降の差し合いや大型に対しては詰めの一手とまさに八面六臂の活躍をしてくれます
また『贈呈』の1ドローにしても序盤なら選択肢が増えてもマナが無く、それ以降ならこちらもカウンターが可能になるためほとんど意味を成していないというのが正直なところです
『贈呈』のドローは言うなればシュレディンガーの猫
例え1枚相手に与えても、それが相手にとって等価かどうかはこちらから判断できません
相手に与えたカードには、与えたカードが打ち消したカードと同じ可能性とそれ以下の可能性が混在しているのです
であれば、必要以上にデメリットを恐れず使うべきカードだというのが、実際使ってみての感想です
以上が今回のカウンターバーンの強い点でした
そしてここからが弱かった点、ひいてはこのデッキにおけるPDCAのCにあたる部分ですが、それはマッチ内容と共に説明していきましょう
正直なところ書きたくないし多少なりとも愚痴っぽく感じる部分があると思いますが、そこはまあ哀れなくそ雑魚ナメクジに免じて大目に見てください
2.戦績と分析
・Match1:ラクドス吸血鬼0-2
1ゲーム目は初手から思考囲いで記憶の氾濫抜き。ここまでは想定内でした
が、2ターン目にまさかの強迫。基本的に今までやってきたラクドスデッキでは未採用〜サイド込みで1〜2枚がほとんどだったので意表を突かれました。そのまま有効牌は引けず、成すすべなく絶望招来がやってきて投了
当然2ゲーム目も同様のスタート。今回もマナフラ気味で上手く動けない内に絶望招来でゲームエンド
今調べてもやっぱり強迫メイン採用のリストは少ないので、お相手の選定が見事に刺さった形となりました
また序盤有利な手札のキープは言い換えれば後続を引けないとジリ貧ということでもあります。ハンデス相手にそこを失念していたのも判断ミスでした
とはいえサイド込みでも有利なカードが少なく、メタの読み違えが根本的敗因だったと思います
・Match2:ラクドスミッドレンジ0-2
またかよ
と言いたくなるもののゲーム開始
序盤は火力で割と捌けてたんですが、中盤以降お相手さんまさかの動き無しでカウンターが無打牌に。しかもこういう時に限ってカウンターばかり手札に来る始末
その間に展開されたのは《変わり谷/Mutavault》と《目玉の暴君の住処/Hive of the Eye Tyrant》のミシュラン2種。こちとら手札は溢れんばかりのくせに肝心の《廃墟の地/Field of Ruin》は一向に来ない。そのままゲームエンド
2ゲーム目は廃墟の地が手札に2枚。カウンターや火力も最低限はあったのでゲームスタート。しかし今度は後続が続かない。しかもお相手はラクドスミッドレンジの本領発揮でガンガン詰めて来る
手札を使い果たした後はどうにもできず投了
とにかく負けに拘泥しすぎ、典型的なティルトでしたね。我ながら恥ずかしい
このデッキ自体が「常に75点」というコンセプトなのに、それを自ら崩して勝てる訳がありせんでした
・Match3:5cニヴ=ミゼット0-2
1ゲーム目は立ち上がり上々、相手のライフを一時6点まで削れました。しかしそのままマナフラッド
勝負を焦りすぎたのもありましたが、その後ライフを射程圏外に持っていかれてそのまま負け
2ゲーム目はマナと手札の噛み合い不良。微妙に相手のアクションとリズムが合わずマスカン連打に持っていかれ負けました
アリーナで練習していた都合か中々練習機会の無かったコンボデッキ相手。今イベントでは一番マシな勝負ができましたが、それでも経験値不足が如実に現れました
サイド次第でいくらでもやりようはあったので尚更後悔がつのります
・Match4:棄権
マッチ開始直前にまさかの「クレジットカード不正利用監視」のメール
当然ゲームどころではないのでお相手さんに言って棄権
ところが10分ほど調べてみると、どこぞのボケからの詐欺メールだったことが発覚
時間を無駄にされましたとさ
これは私悪くない
・Match5:Bye(ラクドス吸血鬼)0-2
クソみたいなアクシデントに時間を無駄にされ、疲れ果てながらの最終戦(しかも直前に迷惑電話まで来てる)
Byeでしたが運営のアルティメットプライスの方とフリーマッチを行いました(勝てばパック貰える)
本日3回目のラクドス吸血鬼、今回の構築は比較的オーソドックスな型でした
1ゲーム目は単純に火力が引けず、対処をカウンターだけに頼らざるを得なくなった結果弾切れ。序盤からカウンターを切らされるという典型的な負けパターンでした
2ゲーム目は目を覆いたくなるようなマナフラッド。4~5ターン連続土地を引いて流石に諦めました
ティルト、サイドの構築不足、土地割合など今回の集大成とも言えるクソ負け。全ての原因が1〜4マッチ目からある上に、対処可能なものにすら対処してない。これが全てですね
性も根も尽き果てて会場を後にし、用事を済ませて今これを書いてます
書いてて泣きたくなりますが、痩せても枯れてもデッキビルダー、ここで終わればデッキが廃る
ということで、次の項目ではPDCAの“A”、即ち改善案を示していきたいと思います
まあ禁止改定で全部無駄になるかもしれんのですがね
3.改善案
・全体的な軽量化
今の環境はとにかく序盤からガンガンパワーカードが叩きつけられて、そのままゲームエンドに持っていかれやすい環境です
しかし裏を返せば、それは少なくとも3〜4ターン目までは余剰マナが生じにくいということでもあります
そうなるとどうなるでしょうか。追加マナ要求系の不確定カウンターが仕事をする時間が長くなるということになります
有象無象が増えている環境ならいざ知らず、ミッドレンジが幅を利かせる2024年8月環境であれば、3マナ域の確定カウンターよりも2マナ域の不確定カウンターに多くの枠を割いた方が序盤からリードを取られる事態には陥りにくいでしょう
特に欲しいと思ったのが《検閲/Censor》。1マナ要求でも十分働ける場面が思いの外多かった上に、最悪キャントリップで手札も回せる無駄のないカード
《ジュワー島の撹乱/Jwari Disruption》も同様の役割ではありますが、終盤引いても腐らないという点では検閲に軍配が上がると思います
・ドローソース
決まれば強い《巻き直し/Rewind》からの《記憶の氾濫/Memory Deluge》
しかしこのミッドレンジ環境ではこれを撃つ段階だとすでに大勢が決まっていることも多く、中々上手に活用できませんでした
そもそもドローソースに特段の枠を割くという事自体、常に75点というコンセプトと若干ずれている気がしないでもないです
これを踏まえると、この枠は1枚で複数の役割を兼ねる《呪文渦/Spellgyre》や《三歩先/Three Steps Ahead》、あるいは息切れを防ぐ《悪賢い隠蔽/Devious Cover-Up》あたりがいいかもしれません
尤も、ここは他以上に環境次第な枠でもあるので安易な結論は出せません。継続的な検討が必要になると考えています
・土地枚数、割合の変更
そして今回特に負け筋となったのが土地事故。特にマナフラッドが多かったです
これ自体はマジックをする上で縁が切れないものではありますが、それにしても今回のは構築でカバーできたはずでした
今回の土地事故の原因となったカード、さらに言うとプレイしてて一番いらないと思ったのが《尖塔断の運河/Spirebluff Canal》、ファストランドですね
序盤アンタップインというのは魅力的ではありますが、ファストランドというのは(順当に行けば)4ターン目以降は急速にバリューが下がります
序盤を捌けている場合、それ以降の差し合いにおいては使えるマナの数が物を言います。1マナのカードが火遊びだけの都合上4マナ立てでの2アクションは難しいですが、5マナが立っていればそれだけで選択肢が一気に増えます
実戦を踏まえてみると、この流れを阻害する可能性を加味してまで序盤のアンタップインはあまり魅力的に感じなくなりました
ならスロウランドも同じだろと思われるかもしれませんが、こちらは逆に3ターン目以降の価値は常に一定です。ゲームの都合上、価値を持つ時間はこちらの方がずっと長いです
カウンターバーンは中〜長期戦を旨とするデッキ、序盤の微有利ではなく後半の安定性に目を向けるべきでした
また、同様の理由で基本土地枚数も不足も反省すべき点の一つです
寓話の小道採用に加えて廃墟の地も使っているくせに基本土地枚数5枚は少なすぎです
加えて基本土地というのはノーデメリットでアンタップインできる土地カード。上記の価値理論に沿うならその価値は常に一定です
歩く《発展の代価/Price of Progress》こと《陽背骨のオオヤマネコ/Sunspine Lynx》もいる現在、やたらと特殊土地に頼るよりは圧倒的に基本土地の方が便利で優秀です。下手な小細工はやめた方がいいでしょう
そして先に述べた軽量カウンターの増量も踏まえると、土地23枚はやや過剰かもしれません
この辺りの理論には明確な正解が無いとはいえ、土地の引きすぎが負け筋となっている以上は(少なくとも今回の改善案においては)限界まで軽量化するべきでしょう
・サイドボード
今回は全く活かせなかったサイドボード。しかしこれに関しては理由があります
事前の段階では(ハンデスメインと当たらなかったのもあって)メイン五分弱だったラクドスではなく、メイン圧倒的不利なイゼットフェニックスにガードを上げたサイドにしていたのです。呪文の連続使用を咎める《揺らぐ信仰の呪い/Curse of Shaken Faith》や墓地対策の《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》あたりがその好例ですね
その仮想敵と全く当たらなかった結果、今回はサイドが全滅に近い結果となってしまったんですね
メインで可能性のある相手よりも全く可能性が無い相手にガードを上げたこと自体は間違ってないと思ってますし、環境が変わってもイゼフェニ不利は恐らく覆らないので対策を外すつもりはありません
が、それでも《頭蓋割り/Skullcrack》は流石に何も考えてなさすぎでした
この枠を変えるならば候補は二つ
・盤面に出てしまった大型クリーチャーやPWを除去できるカード
具体的には《抹消する稲妻/Obliterating Bolt》
または《焦熱の射撃/Scorching Shot》あたりでしょうか
・置物による継続的なダメージ・妨害
も候補に入ってきます。《乱動する渦/Roiling Vortex》なんかはまさにうってつけですね
これ1枚で今回の負け筋の内
・ライフゲインによるリーサルライン逸脱
・呪文踏み倒し
の2つはケアできました
毎ターンの1点ダメージも、火力による詰めと好相性ですし入れておいて損は無いかと思います
以上を念頭に置いたリストがこちら
基本的な設計思想は維持しつつ、土地を減らして2マナカウンターを10枚に増量
ドローソースにはユーティリティな《三歩先/Three Steps Ahead》を採用し、《悪賢い隠蔽/Devious Cover-Up》で疑似的に枚数を水増ししています
サイドには《乱動する渦/Roiling Vortex》を採用してライフレースで不利を取りにくくしました
ぶっちゃけ環境に合ってるのかも何もかもわかりませんが、少なくとも今回のイベントで想定される環境に対してならこういったチューンをするべきでした
4.終わりに
いかがだったでしょうか
我ながら女々しいというか、後悔先に立たずな内容だった気もします
これを読んで笑うもよし、こういう失敗をしてはいけない的なしくじり先生として読んでくれれば報われるものになりました
日本時間であと50時間もすれば禁止改定が来ますが、それで環境が変わることを祈ってこの文章の結びとしたいと思います(ラクドスカラーばっかりとやらされて食傷気味)
ここまで読んでくださり、ありがとうございました
余談
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