《スタンダード》いきなり速いデッキ:群狼の裏技【MtG】
1.はじめに
どうも、時計です
前回の記事も多くの方に読んでいただけました。ありがとうございます
突然ですが皆さんはデュエル・マスターズが発売した『いきなりつよいデッキ』をご存知でしょうか
先日発売されたいわゆるスターターデッキなのですが、これが文字通り目玉が飛び出るほど強いんですよね
方や常に環境を睨み、最速3ターンキルを狙いつつメタも仕込める速攻デッキ【赤単我我我】 のほぼ完成形、方や白鳳の時代から続く逆転の切り札《ヘブンズ・ゲート》を軸にした【巨大天門】の雛型とどちらも素晴らしい内容となっています
初心者や子供にも行き渡りやすい値段(税込み550円)でありながら工夫によって強いカードの再録を可能にし、さらにそのままでも十分強い上に拡張性にも優れるというまさに構築済みデッキの鑑と言える内容です
さらに発売時期は少し先ですが、遊戯王からも新たな構築済みデッキ『遊戯王OCG TACTICAL-TRY DECK』が3種発表されています
現在内容が公開されているのは画像のサイバーストラクだけですが、中身はとてつもなく豪華
基本的なサイバードラゴン(いわゆるサイバー流)のパーツに加えて現代遊戯王のインフラとも言える《灰流うらら》や《増殖するG》を複数枚収録し、さらに各種魔法・罠カードも揃えてバランスも良い内容となっています
今までの遊戯王が「構築済み3箱」がデフォとなっていた中、税込み1100円で必要なパーツがほぼ揃うデッキを発売するというニュースは全国のデュエリストを環境と驚きの渦に叩き込みました
このように国産TCGが現在猛烈なセールスをかけている中で、我らがMtGはこの波に乗り遅れていると言わざるを得ません
構築フォーマット初心者向けのエントリーセットやプレインズウォーカーデッキはとうの昔に姿を消し、あるのは内容もフォーマットも初心者バイバイな統率者デッキのみ
頼みの綱のチャレンジャーデッキも昨年は発売されず。さらにこれ自体も収録内容をケチって完成度が下がったり、結果的とはいえ禁止カードを収録したデッキ未満のものを出すなどという体たらく
ただでさえクソ高いカードが席巻しているスタンダードでこの上初心者の導線となる構築済みすら無いというこの状況、曲がりなりにもMtGを布教している身としては中々悲哀を感じる今日この頃
だったら一つ私が初心者向けのデッキを作ろうじゃないかというのが今回の内容となっています
前置きが長くなってしまいましたが、早速解説に移りたいと思います
今回も長くなるでしょうが、よろしくお願いいたします
2.デッキリスト・ 採用カード解説
こちらが今回考えた初心者向けMtGスタンダード構築済み『いきなり速いデッキ:群狼の裏技』です。前回紹介した理論をベースにした赤単スライですね。芸がない
前回の記事からの間もデッキのブラッシュアップ及びウエイトダウンを進めていたため、パイオニア版以上に前のめりな仕上がりとなっています(パイオニア版の方も現在はこの構築寄りの軽量級)
総額は上記の通り基本土地抜きで6,450円(晴れる屋価格・状態言語不問)。どこぞの店が出してる似たようなコンセプトの赤単構築済みが2万円弱なのを考えるとかなり安く仕上がってるのではないでしょうか。(向こうと違って火遊び4枚採用できてるし)
嫌味はほどほどにして早速カードの紹介に入りましょう
・《エンバレスの古参兵/Embereth Veteran》 《ファルケンラスの闘技士/Falkenrath Pit Fighter》
赤1マナ2/1のポスト《ジャッカルの仔/Jackal Pup》。この枠の重要性や役割は前回の記事で解説したので今回は割愛
2枠採用のメリットは単純に初手に来る確率が上がったことによる安定性の向上と横並べ戦術における圧力の向上ですね。また。後述する新カードとの相性も抜群です
ただあと3か月ほどで闘技士の方はスタン落ちなので、この最強の切り込み役が見られるのも短い期間となっています
とはいえあと3か月使えることは事実なので、最後に大暴れしてやりましょう
・《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
説明不要の速攻の華、スタンからレガシーまで速攻の肝を担うクリーチャー
やっぱりタルキール覇王譚のイラストが一番好みですね
書くことがほとんど無いのですが、後述のスペルと噛み合わせる際の出し方には工夫があるのでそれを覚えておくと1枚上手の速攻使いになれます。詳細は前回の記事をチェック
・《逃走する暗号破り/Fugitive Codebreaker》
2マナ2/1果敢速攻という次世代のスペックを感じさせるクリーチャー。単純にパワーが高いのでパンプアップスペルを絡めた際の爆発力は随一
変装能力を持っていますがこのデッキでは一切使うことはありません。堂々と姿をさらして暴れてもらいましょう
実は種族がならず者であるため、サンダージャンクションで登場した【無法者/Outlaw】の範囲に入っています。なので、これを対象にしたスペルや能力に引っかかるのは注意してください
・《狡猾なコヨーテ/Cunning Coyote》
サンダージャンクションの新カード、ついに来た非レジェンダリー赤単色2マナ2/2速攻メリット持ちクリーチャーにしてデッキ名を担う存在でもあります
パワー2の速攻が強いのは言わずもがな、登場時効果でのパンプアップが小型横並びというスライの戦法と見事に合致しています
特に強いのが1マナ2/1組との連携。1ターン目に古参兵か闘技士→2ターン目コヨーテと動いた場合、ブロックされなければ5点のダメージを通せます
このカードの登場によってライフ総量の1/4をわずか2ターンで消し飛ばすという一段階上の速攻を可能にしてくれました。また熊野を絡めれば3/3という緑並みのボディになるのもいい感じ。2点火力の圏外になれるだけで同型に対して有利に出られます
今までイマイチパッとしなかった2マナ域を埋める最後のピースにふさわしい強力さになっています
強いて言えば、横並びに対して使えば強いが単体だと弱いというのが運用上の弱点。なので1ターン目にクリーチャーを並べられなかった場合は計画してターンを渡しましょう
・《火遊び/Play with Fire》《ショック/Shock》
稲妻を操る術を失って以降、赤の火力を担ってきたカードとその後継者。今回は2枠8枚フル採用
マナを絞っている以上効率を最大限追い求めようとした結果のフル採用。序盤の小型をどかして攻撃を通す、最後の数点を削りきると役割は多いのでこれだけ積んでも問題ありません
一応優先度としては火遊び>ショックですが、クリーチャーに対してはこれが逆転します。まあそこまで神経質にならなくてもいいので、できれば火遊びは本体に撃つということだけ覚えていれば大丈夫です
・《稲妻の一撃/Lightning Strike》
2マナ3点火力。特にいう事なし
個人的には赤単色だと火力が足りないので火遊びみたいな上位互換が出てほしいですね。《火葬/Incinerate》でもいいんだけど再生持ち減った今はやっぱり完全新規が欲しい
・《熊野と渇苛斬の対峙/Kumano Faces Kakkazan》
赤単の歴史を変えた英雄譚。最大ダメージ効率は《稲妻/Lightning Bolt》をも上回る文字通り1マナ域のホープ
運用法などは前回の記事で詳しく解説していますのでそちらを参照してください。使い方次第で結構ダメージ効率が変わるので必須に近いテクニックです
そんな熊野ももうすぐスタン落ち。とはいえ少々強すぎた気もするので、これが落ちた後にどうするかがスライというデッキの見せ所ではないかと思います
・《早撃ち/Quick Draw》
サンダージャンクションの新カード。西部劇でお馴染みの早撃ち(というか決闘)をカード化した1枚
『荒野の用心棒』なんかで見たことのある方もいるのではないでしょうか。西部劇のお約束と言えるぐらい有名な存在ですね
修正値は僅かながら、先制攻撃の獲得と相手の先制攻撃と二段攻撃封じが魅力的。特に現在の環境においてはビートダウン殺しの《グリッサ・サンスレイヤー/Glissa Sunslayer》に対して明確に有利になれます
また同型に対して一方的にアドを稼ぐことができるのも魅力的。先手にせよ後手にせよ、同数のクリーチャーが並んで戦場が膠着した中で一方的な有利を作り出すというのは、ビートダウンにとって計り知れないアドとなるのです
さらに何かと話題の《精鋭射手団の目立ちたがり/Slickshot Show-Off》のワンショットをメタれるのもメリットの一つ。火力が足りない中でも二段攻撃ワンショットを回避して返しに持ち込めるようになります
フレーバーも性能も100点満点のカード、メインで採用しなくなってもサイドに忍ばせておきたいですね
ここからはサイドボード
・《地盤の危険/Tectonic Hazard》
全体1点火力。もうすぐ落ちる《祭典壊し/End the Festivities》のほぼ同型再版ですね
一応PWに飛ばなくなったのが弱体化ではありますが、そもそもPW減らしていくデザインみたいなので無問題
白赤ブリッツが隆盛している現在、全体火力はいくらあってもいいので4枚採用。本体にも飛ぶので最悪詰めになる他、クリーチャーとの戦闘でのリーサルラインを引き下げられるだけでも十分です
・《十字砲火/Caught in the Crossfire》
額面2マナ、実質3マナの全体火力。無法者か無法者以外かに2点ダメージ
従来の全体火力と違う点はやはり範囲を選べること。特にこのデッキでは(相手次第ではあるものの)無法者だけを対象にするモードを選べば暗号破り以外の自軍を巻き込まずにダメージを与えられます
またそうでなくとも2点火力のインスタントというだけで優秀。《戦導者の号令/Warleader's Call》や《イモデーンの徴募兵/Imodane's Recruiter》に対応してこれを撃てれば相手のアドバンテージを一気に失わせられます
・《焦熱の射撃/Scorching Shot》
ソーサリー2マナ5点火力。《抹消する稲妻/Obliterating Bolt》を越え《ナヒリの戦争術/Nahiri's Warcrafting》以上のマナ効率を誇る火力がついに登場
死亡時誘発や墓地利用を咎めたり山札を掘ったりはできませんが、そもそもこれらのオマケが活きてくる時間帯まで勝負を長引かせないようにするためのカードなのでより高火力なものを選びました
メインから採用してもいい気がしますが、メインでは今のところ役割の多さを加味して本体火力を優先してます。中型を並べるミッドレンジが増えてくればメインに昇格もあるかもしれません
・《魔女跡追いの激情/Witchstalker Frenzy》
こちらも5点火力。4マナインスタントながら軽減持ちなのでこのデッキでは結構軽く撃てます
想定される運用は焦熱の射撃と同じ。インスタントとはいえ軽減できないと重いため枚数を抑えています
まあ軽減できない状況であるならば大体マナフラッドしてるので、それ考えたらフル採用してもいいと思います
・《削剥/Abrade》
アーティファクト対策とクリーチャー火力。《蒐集家の保管庫/Collector's Vault》のようなアド稼ぎの置物や同型の《ウラブラスクの溶鉱炉/Urabrask's Forge》の対策も兼ねています
本来これらがワークする時間帯までゲームが伸びている時点で赤単としては失格レベルなのですが、万が一そうなった際にも不利がつきにくくなるためのカードです
また、あまり褒められた使い方ではありませんが《上機嫌の解体/Gleeful Demolition》が対象に取ったアーティファクトをスタックで破壊することで、相手の横並びを回避することもできます
多少アド損しても致命的なカードに対処するというのは、このデッキ全体のスペルの切り方にも通じるので覚えておいてください
3.入れ替え候補・拡張案
続いて紹介するのは入れ替え候補のカードたち。主にスタン落ち予定の入れ替え候補や色を足した場合に入れたいカードたちです
ですがあくまで「入れ替え候補」であるため、現時点での優先度はデッキに採用されているカードに一段下がる他、無理して買いそろえる必要性も薄いカードです
余裕が出来たら、あるいは独自のチューンをする際の参考になれば幸いです
・《魔道士封じのトカゲ/Magebane Lizard》
ポスト《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》、一律課税ではなく累進課税方式になりました。パワーは減りましたが、2点どころか3点火力の範囲からも素で逃れているのもグッド
クリーチャーに反応しなくなったことで同型へのメタ性能は下がりましたが、マナ総量を問わなくなったことでミッドレンジ以降の重たいデッキに対しては大歓楽以上の働きをしてくれます
ですが、ことスタンダードに関しては今のところ刺さるデッキが思い浮かばない。一応エスパージャンクのような中量デッキは環境にいるものの、それに対しては序盤からのビートダウンとインスタント火力によって対応できていることからも、そこまで優先度は高くないと考えられます
とはいえ持っていて損するカードではなく、またパイオニア含む下環境ではより刺さる相手が増えるため赤を含むデッキを握りたくなった方は4枚揃えても良いのではないでしょうか
この性能のカードがアンコモンってのが時代を感じますね
・《無謀なる従僕/Reckless Lackey》
新時代の《怒り狂うゴブリン/Raging Goblin》。先制攻撃とリソース確保能力が付いて、ついでにタフネスも1上がりました
コモンでここまでやるのかという性能。速攻持ちなのでコヨーテを絡めた2ターン目5点にも寄与できます
基本的には闘技士と入れ替えるカードの最有力候補です。ただクリーチャー同士の戦闘に際してはパワー2が活きる場面が結構あること、ほぼバニラのパワー2軍団を舐めた相手のヌルいプレイを誘いやすいという事情もあるので、上記のレシピでは闘技士を使っています
ブルームバロウでの新規で新たな1マナパワー2が出てほしいですね
・《しっぺ返し/Return the Favor》
こちらもサンダージャンクションの新規。額面2マナで能力のコピーや呪文の対象変更ができる。除去や相手の火力なんかの移し替えが想定される使い方ですね
赤単としては以外と馬鹿にできない効果で、除去をパクってブロッカーをどけたり相手の火力を逆用してリーサルラインを下げたりなんかができそうです。倒されたくないクリーチャーへのスペルを他の自軍に移して守るだけでも十分に便利
ただ片方だけでも3マナ使うというのがやっぱり重い。スペルのコピーだけなら《双業火/Twinferno》だけでもいいですし、無理に採用するだけの魅力が感じられませんでした
・《稲妻のらせん/Lightning Helix》
カルロフ邸で衝撃の再録を果たしたボロス軍の十八番
白を足したボロスカラーにすることによって火力の不足を補うことができます
単純なインスタント火力としての性能もさることながら、相手のリーサルラインをずらせる3点のライフゲインがありがたい。「1ターン耐えれば返せる」「トップデッキ次第で勝てる」というようなワンチャンスを生み出せるカードでもあります
相手が戦術を発揮する前に勝てた時の喜びもさることながら、最後のトップデッキでライフを削り取るのはこのアーキタイプでの何よりの快感です。それを味わう機会をふやすのも一興です
・《勇敢な姿勢/Valorous Stance》 《盾、構え/Take Up the Shield》
続いてもボロスカラー版の採用カード。破壊耐性を付与できるカード群です。戦闘によるリソースの消失を避けることができる他、相手の除去カードをから撃ちさせてリソースを削る用途もあります
勇猛な姿勢は破壊不能とタフネス4以上の除去カード
特に赤の火力カードだけでは対処の難しい高タフネスを問答無用で倒せるのは長期戦にもつれ込んだ場合に効果を発揮します
盾、構えは団ドミからの新規カードでサンダージャンクションでも再録。破壊耐性の他、+1/+1トークンとライフリンク付与とビートダウン向けの性能です
こちらは破壊耐性以上にライフリンク付与が魅力的。果敢やコヨーテによるパンプアップがあるため、一発で結構なライフアドバンテージを稼いでくれます
優先度はブロッカー除去も可能な勇敢な姿勢の方が上。ただし現状スタン落ちの可能性があるため、もしそうなった場合は盾の方を採用してください
・《次の一手/Make Your Move》
カルロフ邸の新規。1マナ増えたら除去がついた置物破壊
3マナという重さがやや気になるものの、おまけ付きの置物破壊としては戦術とかなり噛み合った一枚
特に現在コントロール気味のデッキで猛威を振るっている《一時的封鎖/Temporary Lockdown》を返しで除去できるのは魅力的。コントロールの驚く顔が目に浮かびますね
とはいえ重さが気にかかるのもまた事実。アーティファクトが壊せなくなりますが《邪悪を打ち砕く/Destroy Evil》でもいいかもしれません
・《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》 《感動的な眺望所/Inspiring Vantage》
ボロスカラーにする場合のマナ基盤。感動的な眺望所の再録によって、アンタップインマナ8枚体制を取ることができるようになったため構築として成立させられました
運用法も何もないので解説はありませんが、実際MtGアリーナで回した赤白型のスライは結構強かったのでお勧めです
ただしこれらをフル採用する場合、予算が追加で5000円前後かかるためそこは留意してください
ペインランドである戦場の鍛冶場はともかく、感動的な眺望所の方は下環境でも使える有用な土地なので再録で安くなっている今のうちに揃えておくのを推奨します
上記カードによるボロス版がこちら。繰り返しになりますが結構強いので土地だけ揃えてこっちに変えるのもオススメです
4.《精鋭射手団の目立ちたがり/Slickshot Show-Off》不採用理由
ここまで読んできた方には一つの疑問があると思います。それが現在一番ホットな赤のクリーチャー《精鋭射手団の目立ちたがり/Slickshot Show-Off》の不採用
新世代のカードパワーの体現者であり、実際既にパイオニアでは赤単ウィザード果敢の看板を張っているこのカードですが、ことスタンダードにおいてはぶっちゃけ今持て囃されているほどの強さは無いです
このカードの売りはスペルとの相性の良さ。これ自体は果敢と変わりませんが、こちらは上昇幅の大きさから強化スペルとの噛み合いが果敢以上です
ですがその強化スペルは基本的に1体だけを対象にするカードですので横並びとは相性が悪く、総合すると「すべてのリソースを目立ちたがり1体に注ぎ込む」という運用を想定されているものと考えられます
この単騎運用というのは従来の速攻とは違って中々に興味深いですが、これは言い換えればあらゆる妨害を一手に引き受けるということでもあります。これが現在のスタン環境と実に相性が悪い
現在のスタンは史上まれに見るほど除去が豊作です。詳しくは下記を参照してもらった方が早いのでここでは割愛しますが、単体除去も布告も山ほど環境内に存在します
普通の除去はあろか単騎運用であれば布告も刺さる、さらに言うとクリーチャー強化の常であるバウンスによるアド損も強化幅の分だけ大きくなっていますし、もっと言えば果敢と違ってタフネスが増えないためショック一発で沈みます
じゃあ横に並べやすくなる4ターン目ぐらいまで耐えればいいと考えるかもしれませんが、そのターンまで粘られているのであれば一発耐えるだけのカードなんて吐いて捨てるほど存在します。それこそ長引いた分だけ上記の対策カードを引き込んでいる確率も高くなっていますし、そうでなくともカウンターや一発耐えてのソーサリーの全体除去となんでもござれです
さらに現在話題になっている強化スペル軸の場合、要求値が高すぎる割に妨害のタイミングが多すぎます
例として3ターン目の20点ライフに対して単騎でリーサルを出す場合、どう足掻いても5種4枚のカードが必要になります
(T1:悪魔の大騒動計画/T2:目立ちたがり計画/T3:計画した2枚を出す・火遊びか巨怪の怒り・双業火か双頭の狩人の出来事で二段攻撃を付与でリーサル)
これらのうち1枚でも欠ければ残りのリソースはゴミになり、さらに計画する段階で手の内がバレるため相手が妨害を構えるのも容易です
さらにこれらのパーツの内二役以上の役割があるのは火遊びと双業火のみ、それ以外は目立ちたがりが無ければ完全な威力を発揮しない、いわば専用パーツです
過去にもこのような絵合わせ系コンボのワンショットとしてはゴブナイトがありましたが、この手のデッキは息切れしやすい上にちょっとした妨害や計算の狂いで勝ちきれなくなります
爆発しなくとも勝てるデッキの選択肢がある中での絵合わせデッキというのは、『AKIRA』の言葉を借りるなら「そんなのに乗ってる方が気が知れねぇ」デッキなのです
先ほどパイオニアでは結果を出していると書きましたが、それはパイオニアのように多彩な役割のある火力スペルが複数枚あってこそ
コンボパーツ以外の役割しかないカードを複数枚入れて初めてバーストを出すのではせいぜい地雷デッキ止まりであり、そのような運用法がせいぜいなスタンダード環境においては必ずしも強いと言い切れないというのが私の見解です
あくまで「スタンダードでは強くない」というだけであって他で強くないというわけではないため、買って損するカードではないとおもいます
ただこれを書いている時点での価格である1枚2000~3000円は高すぎると思いますし、もし私の目が節穴であったなら遅かれ早かれ規制されるでしょう
どちらにせよ今すぐ買わないといけない性質のものではないですね。パックから出たら取っておく、というのが今のところは一番良いと思います
5.さいごに
以上が私の考える初心者に進めやすくてそれなりに強く、拡張性もあるMtG版『いきなりつよいデッキ』とその強化パーツの紹介でした。素人が考えたにしてはそれなりの出来栄えなのではないでしょうか
新規の呼び込みが議論の俎上にのぼりやすいゲームではありますが、実際にその案を示す流れの先駆けとなれればいいなと思っています
是非ともこの速攻デッキで#1《プリメーラ》を目指してください
このデッキでMtGを始めたという方が出てくれると嬉しいですね
今回もクソ長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!
余談
普段はこちらのサーバーで活動しています。低予算でのデッキ作成だけでなく各々が考えたレガシー環境やデッキについての話やフリープレイなんかもやってます
レガシー以外のフォーマットの話もしているので興味がある方はぜひ一度覗いてみてください
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