「アエネーイス」神話が語るヨーロッパ世界の原点 小川正廣
プルーストをテーマにした卒業研究が頓挫して、来年度の申請時期を待つことになった。
勿論、次は事前質問の期間を利用して申し込もうと思うわけだが、質問をするには、何を質問したらいいかがわかっていないと質問はできない。
だから、半年かけてじっくり参考文献を読んで、何に焦点を当てて研究したいのかを問い直す必要がある。
私は、文学の方向で研究を考えようとすると、どうしても何らかの病に関する事象が思考に入り込んでしまうという特性がある。
また、哲学のなかからテーマを選ぼうとすると、誰のどのような思想に的をしぼればいいか、悩んでしまう。
とりあえずいまは、ラテン語で描かれた文学世界に触れて、そのルーツとなるギリシアに思いを馳せてみる。
「アエネーイス」アエネーアスの物語というウェルギリウスの著書について、あらゆる方面から知識を得て、それをたよりに思索してみたいと思っている。
そのように思うことになったのは、表題にあげた本が実に刺激的だったからだ。
ウェルギリウスに関する伝承や、世界文学の中でのウェルギリウスの立場。そして「アエネーイス」という書物の意味すること。
すべてがとてつもなく大きく深いのだ。
いっそのこと、ウェルギリウスに関する本をたくさん読んで、そこから得た着想で小説でも書いてしまったほうが楽なのではと思うくらい、大きな壁の前に立っているという感じだ。
その壁(書物の山でもある)の前から立ち去ることなく、答えを見いだすまでしがみつく、他に方法は無いと思う。
まさに小学生の頃に望んだように、一生勉強が続くのだ。
きのうは2名でじっくりお話聴きますサービスの利用者さんと電話で話して、現状と対応策を伝えておいた。
他にも、数件の依頼があり、対話のプラクティショナーとしての活動は順調である。
12月からは、大阪の医療法人の依頼で、トライローグの研修も始まる。
1月からは、3ヶ月間の古代ギリシャ語講座もはじまる。
たった3ヶ月間学んだ語学で何ができるわけでもないだろうが、学びたい気持ちを解放させるには、学ぶ場を持つしか方法は無い。
他にもやりたいことはたくさんあるけれど、本を読むことが苦痛でないいまは、とにかく目の前にある本に取り付いてみようと思う。
たあこ