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いとへん(糸偏) 7
恵糸やさんのアルバイトもやめて、H先生のアトリエもやめて、私はしばらく細々とMMFを織り続けました。最初に織ったランプシェード地が、私の心に、これだという確信を与えてくれていたからです。
最初は、新築の家の窓に合わせて窓飾りを2枚織り、次はランプシェード地を2個分ほど織りました。いま掛かっている機は、もう少しで織り上がりますが、ランプシェードへの加工をしてもらっていた方が、八ヶ岳から岡山県備前市に移転されたので、次のオーダーはどうしようか考え中です。
そして、織物への傾倒が一段落した私は、クンストレースにはまっていくのです。クンストレースは、5本針(大きくなったら輪針)内側から外に向かって編み目を増やしながら編むレースの技法です。
細い糸と針を使うので、集中力と忍耐力が問われる手芸です。
その繊細さの虜になり、日本語の入門書で独学で編めるものを編み終わった私は、インターネットで仕入れた情報を元に洋書を買い求め、より細い糸で繊細な柄を編むようになりました。
いままで編んだ中で最大のものは、直径が1メートル以上あり、糊付けする台(まち針が刺さるもの)がみつからず、まだ仕上げが終わっていません。
しかし、最初は普通のレース糸で楽しめたものが、いつしか編み図通りの細い糸で編まなければと思うようになり、0号以下の針は扱いが難しく、ある時を境に、編むのを諦めてしまいました。
つづく