韓国ボルダリングツアー2024 Part4
岩場の紹介は前回で終えましたので(もし質問とかあれば、お気軽にDMなりメールなり、ご連絡ください)、最終回となる今回はツアー中に食べたグルメとか、韓国で登ってみた感想とか、雑記的につらつらと書いていきたいと思います。
韓国グルメ
韓国ですから、旅ブログやインフルエンサーのSNSなどをチェックすれば、観光客に人気のグルメスポットを巡ることはできるでしょう。しかし、せっかくソウル在住の友人がいるわけですから、彼の一押しレストランに巡ることにしました。「英語も日本語も通じない、メニューはハングルのみ」というお店がほとんどでしたが、さすがは地元民の推薦だけあって、どこも本当に美味しかったです。それぞれのお店のリンクも貼っておきますので、よかったツアー時の候補に入れていただければと思います。
サムギョプサル
定番の韓国料理ですね。北漢山城エリアで登った後、宿泊していた乙支路地区から近いエリアで、仕事帰りの友人に連れて行ってもらいました。
なんとも怪しげで狭い裏路地を歩いた先にそのお店はありましたが、店内は仕事帰りのサラリーマンや家族連れでごった返していました。メニューらしいメニューはなく、もちろん観光客らしいお客さんは一人もいませんでした。まさにローカルに愛されている地元のお店という印象です。
注文するとすぐにでてきて(セットメニューみたいになっているのかな?)、友人がてきぱきと焼いてくれました。辛味噌やさまざまな種類キムチ、にんにくなどを自由に組み合わせて、サンチュやエゴマの葉で巻いていただきます。お肉(豚バラ肉)はとてもジューシーですが脂っこくなく、トッピングもバリエーションが豊富で、たくさん食べても全然飽きない料理でした。登った後ということもありましたが、とにかく美味しかったです。しっかり飲むつもりでしたが、あまりに美味しくてがっつりライスを食べていました笑
ユッケ
こちらも定番の韓国ですね。生肉については、日本では2012年に食品衛生法が改定されて以来(例の焼肉屋の食中毒事件が契機になった案件ですね)、生レバーの提供が禁止になってしまいました。ユッケについては、提供自体は禁止されていませんが、生食用食肉の規格基準がより厳しくなったことで提供してくれる焼肉屋は激減しました。そんなこともあり、今回のツアーでは、生肉を食べることを一つの楽しみにしていました。
紹介してもらったお店は、広蔵市場(クァンジャンシジャン)というB級グルメが集結する市場(高知のひろめ市場のような雰囲気です!)の中にあるプチョンユッケです。ここはミシュランガイドソウルに、2017年から2024年まで連続で掲載されている超有名店です。到着した時間が遅かったこともありますが、観光客でごった返しており、今回は入店できませんでした。帰国後に調べると回転は良いらしいので、並んでいてもそれほど待たずに入店できるみたいです。
少し心残りですが、近くにもユッケ専門店が数多くあり、別店に入ることができました。やっぱりユッケと生レバー(ごま油&塩)とビールの組み合わせは最高でした。
カルグクス
レスト日の朝、少し暖かい麺類が食べたいよね?という話になり、「韓国料理×麺類」で調べるとカルグクスという韓国料理があることを知りました。一言でいえば「韓国風うどん」ですね。さっそく友人に問い合わせて、おすすめしてもらったお店に向かいました。先ほどのサムギョプサルのお店と同じような狭い裏路地にあり、こちらも自分たちだけではそもそも選択肢にすら入らないであろう場所です。
入店すると、ランチの時間帯ということもあり店内満席。店員は明らかに我々のことを韓国人だと思って接客してくれます。メニューはもちろんハングル表記のみ。ようやく我々が日本人だと気づいた店員が、スマホを片手に「どの写真の麺が食べたい?(という雰囲気の韓国語で)」聞いてくれ、なんとかオーダーできました。
一般的にカルグクスは、スープで麺を茹でるため、スープ自体にややとろみが出るらしいですが、このお店では麺を別で茹でているのか、とろみのないすっきりとしたスープでした。スープは肉系(牛肉?)の出汁が取られていてピリ辛な味付け。具材としてひき肉とねぎ、たっぷりのもやしがトッピングされており、見た目以上にボリューム満点でした。肝心の味もとても良く、個人的には今回の滞在で食べた韓国料理の中で一番美味しいと感じました。店内は若者ばかりでしたから、もしかしたら伝統的なカルグクス店というより新進気鋭のお店なのかもしれません。いずれにしてもとても気に入りました!是非再訪したいですね!
プルコギ
レスト日のディナーはプルコギ。徹底的に定番どころを攻めていきます笑 そして友人は、もれなくプルコギのお店も薦めてくれます。「このエリアではここが一番好きな食堂だからぜひ行ってほしい」とのこと。たぶんまた裏路地なんだろうな…と歩いていくと、やはり裏路地!笑
少し頑固そうなおじいさん(でもめちゃくちゃ優しい)が接客してくれます。当然、英語と日本語は通じないので、「プルコギ、イー(2)!」とシンプルにオーダー。すると、店主は白濁したスープ(たぶん牛骨スープ)が入った鍋を出してきました。コストコのプルコギしか食べたことのない私は、味付け肉をただ焼くんじゃないの?と驚きました。実際には、日本のすき焼きと同じように、スタイルが各家庭ごと(お店ごと)に異なるそうです。水分がある程度蒸発して、野菜とお肉に日が通ったら完成。このお店では、サムギョプサルのように、辛味噌やにんにく、キムチなどのトッピングと一緒に、サンチュやエゴマの葉で巻いて食べます。これも美味でした!
レスト日の過ごし方
宿泊地がソウル市街地ですので、その気になれば、景福宮やNソウルタワー、免税店といった定番の観光地をめぐることができましたが、我々は洗濯したり、ホテルの近所を散歩したり、美味しいものを食べたり、ゆったり過ごしました。こればっかりは個々人の趣味趣向次第ですが、我々は観光にあまり興味がなく…笑
これは余談ですが、近年韓国ではボルダーが半端ないブームで、ジムの開業ラッシュが続いているらしいです。ソウル市だけでも50-60ぐらいあるんじゃないかとのことです。海外まで来ておいてジムで登るのはさすがに…と個人的には思ってしまいますが、雨が続いてどうしようもない場合には、調べるとたくさんのボルダージムが出てきますのでよかったら。ちなみに、Son Sangwon氏もいまやジムオーナーですし、Kim Jain氏もジム経営に携わっていますね。
雑感
5年ぶり2度目の韓国ツアーでしたが、前回以上に、しっかりと登ることができましたし、何より友人のサポートがあったおかげで、クライミングだけじゃなくて、ローカルグルメも楽しむことができて、一つの旅として充実した時間を過ごすことができました。
振り返れば、5年前は全く韓国人クライマーと繋がりがなく、もちろんネットで調べても岩場の情報は得られず、「英語ができそうで、それなりに登れる人」というなんとも自分勝手な条件で韓国人クライマーのSNSアカウントを漁り、DMを送りつけ、そのままBukhansan National Parkを案内してもらいました。今考えたら、すごい行動力(そしてわがまま!)だなと我ながら感心しますが、クライミングという共通言語を通じて広がっていく世界にとても興奮した記憶があります。何より、いきなりわけのわからない日本人が訪問してくるのに、快くエリアを案内してくれた友人たちには感謝しかありません。その後、コロナ禍に突入してしまいましたが、それでもやり取りが切れることなく、昨年の秋に、瑞牆で再会できたときには心にぐっとくるものがありました。これからも両国を行き来しながら、交流していければと思います。
ちなみにグレード感ですが、特に甘いとも辛いとも感じませんでした。数を登ったわけでもなく、登ったグレード帯も限定的ですが、「Owl」(V9)や「Meet at Prost」は日本にあっても2段でしょうし、「Lucky」(V12/13)も4段で良いと思いますし、敗退した「X-rated」(V12)もトライした感じでは4段くらいなのかなと感じました。あくまで参考情報ですが、ここで共有しておきます。
今後の韓国ボルダーの展望としては、前回にも少し触れたとおり、Moraksanはまだ手付かずの岩がゴロゴロしていますので、今後もエリアは拡大していくでしょう。以前はSon Sanwong氏やChon Jongwon氏ぐらいしか高難度を登れるクライマーはいませんでしたが、最近は韓国もどんどん強いコンペティターがどんどん出てきていますし、岩場を中心に活動している強いクライマーも何人かいますので、高難度もこれから増えていくでしょう。韓国は山々の多くが国立公園だったり、軍の管理区域だったり、なかなか自由に開拓できない事情もあるみたいですが、ソウル自体が山々や丘陵に囲まれた土地(だからこそ、外敵からの攻撃を妨げやすく発展してきた歴史がある)ですので、ソウル近郊の新たなボルダーエリアの登場にも期待したいですね。
ソウル以外の地域に目を向けると、最近はMudeungsanの開拓が進んでいるみたいです。所はクァンジュ市郊外で、アクセスとしてはソウル駅からKTR(高速鉄道)でクァンジュ市に入り(約2時間)、そこからレンタカーか、タクシーで移動なのかなと思います。岩質は砂岩で、友人も一押しのエリアだそうです。Moraksanの宿題も気になりますが、韓国南部にはソウルとは違った食文化もあるでし、別のエリアへ赴くのも楽しそうです。
久しぶりの海外ツアーでしたが、たとえ韓国であっても、異国でのクライミングというのは実に良い刺激になりました。次はいつ、どこにいけるのか、それはまだわかりませんが、クライミングを続けている以上は、これからもいろんな場所に「旅」したいと思います。拙文にお付き合いいただきありがとうございました。ではでは。
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