仮想プライベートクラウド(VPC)ピアリング
仮想プライベートクラウド(VPC)ピアリングとは、Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloud Platform(GCP)などのクラウドコンピューティング環境にある2つの仮想プライベートクラウド間のネットワーク接続です。これにより、これらのVPCは物理的に離れていても、あたかも同じネットワーク上にあるかのように相互に通信することができます。
ここでは、VPCピアリングの基本的な仕組みについて説明します:
1)VPCのセットアップ
各VPCは独自のIPアドレス範囲とリソースを持っています。
ピアリングに関与するVPCは、重複しないIPアドレス範囲を持っている必要があります
2) ピアリング接続
ピアリング接続は2つのVPC間で確立されます。
つまり、VPC AがVPC Bとピアリングされ、VPC BがVPC Cとピアリングされても、VPC AとVPC Cは自動的に接続されません。
3) ルーティング
ピアリングされると、各VPCのルーティングテーブルは、ピアリングされたVPCのIPアドレスへのルートを含むように更新されます。
これにより、ピアリングされたVPC間でトラフィックがシームレスに流れるようになります。
4) セキュリティグループとネットワークACL
セキュリティ・グループとネットワーク・アクセス制御リスト(ACL)は、インバウンドとアウトバウンドのトラフィックを制御するために通常どおり適用されます。
これらのルールはピアリングされたVPC間を流れるトラフィックに適用されます。
5) 通信
ピアリングされたVPC内のインスタンスは、プライベートIPアドレスを使用して相互に通信できます。
データはパブリック・インターネットを経由せず、クラウド・プロバイダーのネットワーク内に留まります。
6) 制限事項
作成できるVPCピアリング接続数には制限があります。
そのため、2つ以上のVPCを使用する場合は、各ペア間で個別のピアリング接続を設定する必要があります。
要約すると、VPCピアリングによって異なるVPCが安全かつ効率的に通信できるようになり、クラウドプロバイダーの環境内でネットワークの範囲が広がります。VPCピアリングは、インフラの異なる部分間の分離を維持しながら、複雑な分散アーキテクチャを構築するための強力なツールです。