「この2週間で何が変化したか」を考える_#気候危機止めるために学校休みます で立ち上がる私たち。vol.1
こんにちは。
私たちが学校ストライキを始めてから第3週目が昨日終わりました。
このストライキを通じ、いろいろな意味で、多くの関心が集まりました。
私たちはこれまで「NDCの最低62%引き上げ」を政府に求め、立ち上がりました。
↓詳しくは第1回のnoteを読んでみてください↓
また、東京新聞さんがわかりやすくまとめてくださっているので、こちらもぜひご覧ください。
そして、4月22日の温室効果ガス削減目標(通称、NDC)発表まであと1週間を切り、政府の動きが見えてきました。
今回は「この2週間で何が変化したか」を中心にまとめてみました。
【何のためのNDCの引き上げか】
さて、日本政府はどこまでNDCを引き上げるのか...
最近とんでもないニュースが飛び込んできました。
(以下記事抜粋)
「日本の2030年の温室効果ガス排出削減目標について、政府が13年度比で40%台減らす方向で調整していることが7日分かった。
政府内には35%減や45%減を推す声もあり、決定まで曲折も予想される。」
私たちが求めている62%(2013年度比)という数字には到底及びません。
また、「欧州連合(EU)や米国と比べ、見劣りしない目標にできるかどうかが鍵となる。」と書かれていますが、
日本のNDC45%(2013年度比)という数字は、はたして欧米に比べると、見劣りしない目標なのでしょうか。
★日本のNDCは見劣りしない?★
【上図】主要国の2030年の国別排出削減目標(日本経済新聞, 2021)
この表から見てもわかるように、イギリスは68%以上(1990年比)と日本に比べ圧倒的に高く、
アメリカは22日に行われる気候変動サミットで発表予定とされています。
しかし、アメリカもバイデン政権は気候変動を「最優先課題」と位置づけ、野心的な数値目標になることが期待されています。
ここで一つ気になるのは(○○年比)でしょう。
これは、「○○年に比べて、どの割合の温室効果を削減するか」を表しています。
では日本は各国と違いなぜ2013年を基準としているのか、
それは2013年が、3.11東日本大震災後、火力発電に大きく依存し、1990年以降で最も温室効果ガスを排出した年だったからです。
【下図】日本における温室効果ガス排出量推移
全国地球温暖化防止活動推進センターより
なので、NDCを2013年比から1990年に変えると、圧倒的にNDC数値は下がります。
【下図】NDC数値の2013年比と1990年比の比較
「日本の温室効果ガス排出量データ」(国立環境研究所)を参考に作成
最初の問いの「日本のNDC45%(2013年度比)という数字は、はたして欧米に比べると、見劣りしない目標なのか」については、明らかでしょう。
どうみてもEUの55%削減(1990年比)と、日本の39%削減(1990年比)はどうみても大きな差があることがわかります。
日本は歴史的温室効果ガスの排出量を見ても、やはり45%という数値は気候変動を止めるような数値ではありません。
★高まる外圧と日本の対応★
そんな中、日本のNDC引き上げは世界からも注目が集まっています。
日本の発表を前に、外国から大幅引き上げを求めて、
元米副大統領のアル・ゴア氏や
俳優そして環境活動家のレオナルド・ディカプリオ氏、
IPCC前事務局長のフィゲロス氏が菅首相をメンションし、声が上げているのです。
そして日本はNDC50%の見通しになるという報道がなされました。
★何のためのNDC引き上げか★
私たちは当初から「NDCの最低62%引き上げ」を政府に求め、学校ストライキを始めました。(62%の数字の理由はこちらから)
これは、気候変動を解決するための科学の声なのです。
外圧によって渋々引き上げた数値に、私たちは納得がいきません。
なぜ、今NDC数値を見直し、引き上げるのか...
それは「気候危機を止める」事ではないのでしょうか。
気候危機を止めることが大前提の数値を決定していただきたい。
いや、していただかないと困ります。
【広がった運動】
仙台、東京、京都、鹿児島で始まったストライキは札幌(スタンディング)、岩手(スタンディング)等にも広がり、各地域参加者数も増えていきました。
第2週目、3週目のストライキの報告はFridays For Future Japanにてライブ配信されたアーカイブからご覧いただけます。
私の地域、鹿児島では第2週目からは3人の方に参加していただきました。
この3週間、若者が声を上げ、NDCの大幅引き上げを求めてきました。
私たちの声が、直接NDCの大幅引き上げに影響を与えているのか、わかりません。
しかし、多くの方にこの危機感は少なからず伝わったのではないかと思います。
まだまだ、十分な数値とは言えませんし、NDC報告が最終ゴールではありません。
その先の、気候変動解決に向けて、私たちは声を上げ続けます。
担当:中村 涼夏(気候変動に危機感をもつ高校生・大学生 有志)