Project Moon絵師炎上騒動(7/25~)を振り返ろう!(振り返りたくねぇ~)
※この記事は特定の企業、および政治団体を批判する物ではありません。
また、いかなる思想を批判する趣旨もありません。
※本騒動を事実と異なる形での拡散させる目的はありません。一つの出来事として、関連事項も含め振り返るためのものです。そのため訂正、削除を求める旨あればコメントください。
※コメントより指摘を受けて修正、簡素化しました。
ちょっと前(2023/7月末)にプロムンが炎上してたやつなんだったの?
半年くらいたった(投稿時点)けど結局どうなったの?
的な記事です。
話半分に読んでください。
というか責任能力のないインターネットの文は全部そう読んだ方がいいです多分。
ざっくり説明
Limbus Companyのストーリーイラスト担当者vellmori氏が過激派フェミニストではないか?という疑いで匿名掲示板を中心に炎上し、一部ユーザーが本社凸する事態に発展。
これを受けて該当人物からProject Moon社との契約終了の申し出があり、同日に契約解除する旨を告知。
しかし、声明文の内容がProject Moon社がvellmori氏を不当解雇したようにも読み取れたため、新たな組織まで立ち上がり、労働組合や人権団体に激しく非難されることに。
攻撃や非難はデマを元に行われたものもあり、それらを行った、行う団体や個人に対してProject Moon社は法的措置を行う声明が出された。
前提として
争点となった、PMが不当解雇をしたのか?という点に対しては…法的にはっきりNOと言っても問題なさそうです。理由は後述ですが…その点は安心していいと思います。
それとこのようにゲームに対するデモやフェミニズムに対する騒動は言っちゃあなんですが、よくあることです。
ウマ娘だって運営体制やキャラ設定の改変に対する抗議のためにトラックと馬車が走りましたし、
韓国版『ウマ娘』ユーザーが抗議文を掲載した馬車やトラックでデモを実施 デモ企画者は払い戻し訴訟も検討 - PickUPs!
みんな大好きブルアカや原神もPVアニメの制作者に過激派フェミニストが混ざっているという指摘を受けて、一部PV非公開にしました。
『ブルーアーカイブ』などのPVが「男性を侮辱するようなハンドサインが仕込まれている」との指摘を受け非公開に。当該シーン状況の検証進む - AUTOMATON (automaton-media.com)
公式の告知を確認しよう
改めて公式の言ってることを整理してみましょう。まあPM公式の説明下手過ぎたから大炎上したんですけどね。
7月26日/最初の声明文(9月16日に翻訳版が投稿)
職員がどんな思想を持つのも自由だけど、社内の作品と社会的な論争を生む余地のある個人SNSが結びつかないようにするよう注意していた。
イラスト担当者がその社内規則に違反したから今後その人の作品は使わず、契約を終了する予定。
8月3日/[事実表明と対応に対する声明文]
例のイラスト担当者に会社から解雇通知は出していない。
法的な専門家から不当解雇や思想に対する統制、検閲をしたわけではないと判断された。
この判断や事実確認のため、公表が遅れた。
デマによる会社、職員への批判、攻撃に対しては法的措置も検討する。
8月7日/今後のゲーム内部問題と関連したコミュニケーション方針に関するご案内
ゲーム内の問題に対するコミュニケーション方法やフィードバックの送り先を明記する。
告知のタイミングを調整し、致命的なバグは当日対応するようにする。
9月16日/①[PMユーザー協会の主体及び政治的意図に対する疑問、並びに京畿青年ユニオンとの関連性に関する疑惑 ]
例のイラスト担当者の意志を尊重し、保護するため、最低限の情報を公開していた。
しかし、職員や関係者をデマをもとに政治的な意図によって攻撃する団体が現れた。
問題の対立を煽り、世論を過熱させた「PMユーザー協会」
政治的な立場を高めるために、デマをもとに本件を利用し、国会議員とともに国政監査にも言及した「京畿青年ユニオン」
これらの団体に対して正式に謝罪、発言の撤回をするよう求めた。
しかし、翌日「PMユーザー協会」は交渉中の文書を漏洩、「京畿青年ユニオン」は政治的なパフォーマンスを理由に拒否。
交渉が決裂したため、京畿青年ユニオンから送られた声明文を公開する。
ユニオンから送られた声明文(上述の通りPM公式から投稿済み)↓
軽くまとめるとこういう内容。
9月16日/②法的対処のお知らせ
状況を悪化させたくなかったから、デマや批判にも積極的な対応はしなかった。
デマに基づいた批判や職員への嫌がらせが続くため、強硬な政治的対応をとることにした。
9月18日/最後の声明文
絵師側のこれ以上仕事できない、という意思を尊重し、絵師が望む形で保護と業務の締めくくりをしていた。
その一環で直接的な経緯の説明や声明文の翻訳をしなかったため、不当解雇などの余計な誤解を生んでしまった。
デマを口実に政治的意図を持って会社や職員を攻撃してきた団体に法的対処を持続する。
この投稿を最後に本件は終了しました。
プロムンの公式声明にはないんですが、その後両団体に告訴状を送っています。「強硬な法的対処」ですね。
もっとも公式が告知していないことはファン、ユーザーにとって知る必要のないことと思っています。公式からの声明が以上なのでこれ以上でもこれ以下でもない出来事と言われればその通りなんですが…
しかし、急に深く説明のない団体が出てきたり、いろんな出来事が省略され、公式の声明文もちょっと変な文章になってます。
そういうわけで「出来事」として、もうちょい細かく何が起きたか振り返っていきましょう。
具体的に何があったんだよって話
時系列に沿って追っていきます。
7月21日~匿名掲示板でLimbusが炎上
騒動の発端は韓国「DCインサイド」の「ロボトミーコーポレーションギャラリー(以下ギャラリー)」の投稿。なんじゃこの団体はって感じですが、団体と呼んでいいかも怪しく、日本的に言うなら5ちゃんねるプロムンスレ総合板って感じです。
このサイトの住人(ネラーならぬギャラー)が「シンクレアは半裸の水着衣装なのにイシュメールの水着衣装が実装されなかった」という話題で盛り上がります。
さらにこれは女性プレイヤーへの忖度、古参ファンへの冒涜、フェミニズム的な思想の介入だ、といういちゃもんご意見が出始めます。
Limbus Companyが当時、韓国ソシャゲでは珍しい50:50の男女比を誇っていたことや、運営が落ち着いてゲーム自体の不満(具体的には同期Ⅳのごたごた、5章前とはいえイシュメールの連続実装)が溜めまってきていたことあり、バカバカしいこのトピックもフェミニズム問題を巻き込み熱を帯びてきます。
そもそもご存じの通り人格やEGOのイラストを手掛ける人物やチームは特に目立った発言などもない男性スタッフ方です。
ところがストーリースチルを手掛ける「VELLMORI氏」が女性であり、以前に自身のtwitterアカウントでフェミニズムに関する投稿をいくつかRT、いいねしていたことが発覚。
しかしこの投稿は契約前に削除し、自らフェミニズム的な内容を投稿していないにも関わらず、「公式にクレジットされているアカウントでフェミニズムに関する投稿をRT、いいねしたことがある」という事実一点でますますヒートアップします。
7月25日午後4時/ギャラーの本社凸
そこでさらにこの件が過激化し、ついにギャラリーから本社凸する人たちが現れます。結果10名程度が本社前に集まり、スタッフが仕方なく対応。
ギャラーの要望は以下の通り。
人格の偏った実装ローテーションをなくすこと。
バグ報告や難易度調整などゲーム内の問題に対応する窓口を作ること。
VELLMORI氏は過激なフェミニストであり、能力に疑問がある。同氏の作品を今後使わず、契約を終了すること。
しかし、代表であるキム・ジフンは(おそらく)当時TGSの件で日本に出張しており、スタッフは回答ができないという回答で終わりました。
7月25(26)日深夜/VELLMORI氏との契約終了を発表
この本社凸を受けてPMは公式声明文を投稿。
VELLMORI氏との契約終了を発表します。
のちの投稿を見るにこれは炎上騒動に気づいたVELLMORI氏側の要望であり、少なくとも法的には互いに「合意の契約終了」だったようですが、書き方がメチャクソマズかったです。
この声明、なにがマズいって微妙にいろんなとこぼかしたり、はしょった結果、アンチフェミニストの抗議に企業が屈してフェミニストの女性絵師にクビを言い渡したっていう構図とも読み取れちゃうことです。
最悪ですね。
7月27日~/各種メディアによるPMの報道
その結果、ネットニュースはもちろんのこと、ハンギョレ新聞の本紙や
MBCテレビでも「ゲーム業界で不当解雇か」とこの件について各種メディアが報道。
8月3日/青年ユニオンによる会見とPMの事実表明。
最終的に告訴状を送ることとなった、PM本社が位置する京畿道の労働組合、「京畿青年ユニオン」が8月3日に議員と共に会見を行いました。
また、この団体は最初の声明を受けてから、不当解雇が疑われるPM社に警告や批判を行っておりました。
PMが地域活性化プログラムの支援を受けていることも指摘し、不当解雇が行われる悪徳企業に税金が使われていいのか、支援していいのかと、PMに出資しているデシウス社にも声明を送っています。
この件に対し、韓国ゲーム業界ではネットいじめ、不当解雇は断固反対すべきであり、それを扇動したPMは悪徳企業だと改めて公の場で強く批判しました。
そのため、PMも8月3日に急遽、不当解雇はなかった旨の声明文を出したわけです。
8月8日/PM協会(今は韓国ゲーム消費者協会)の設立
のちのちも問題となる以下の組織が設立されました。
要約するとこのような内容です。
この突っ込みどころだらけな表明文もあえて深くは言及しませんが、後述も含め、活動に問題が多かったことから国内の不信感はすさまじく、今もこの団体にはあまり触れない方がいいかとは思います。
そのため、この団体の日本語訳付きの声明文はほかにもございますが、割愛させて頂きます。
とりあえずこういう組織があったんだなくらいの認識でいいです。
現在は青年ユニオンの支援もあり、名称も変更され、PMというより韓国ゲーム業界の労働者の保護にかかわる活動がメインとなっているようです。
8月17日/Wonder Lab掲載終了
これらの炎上騒動をうけて、作者の미미(ミミ)氏の要望により掲載が中止されました。
Limbus Companyでも重要になったLobotomy支部や変異体の初出作だっただけに残念な話です。
9月16日/交渉決裂、PMの意志表明。
ここから激動です。
PMユーザー協会が声明文を公表。
それを受けて、PMも交渉決裂と法的対処の声明を発表します。
公開されたPMから送られた文書の内容はざっくりまとめると以下です。
ところがなぜかPMユーザー協会は公開するなと書かれた内容証明を公表。それと合わせてVELLMORI氏を適切に保護すれば辞めなくて済んだ、圧力をかけたのではないかと声明を出します。
京畿青年ユニオンは不当解雇は無かったという事実は認めたものの、政治的なアピールの都合で正式な謝罪はできないという趣旨を伝えます。
ものの見事に交渉決裂です。
最悪ですね。(2回目)
そんなわけでPM側も対抗して声明を発表。
公表された声明文とほぼ同じ内容の声明と、逆に京畿青年ユニオンから送られた文書を公表し、この辺から両団体への強硬な対応をすると明記しています。
11月16日/PMから告訴状を受け取ったと発表。
各団体の代表がPMから告訴状を受け取った旨を発表します。
もっとも告訴状なので、ここから和解で落ち着くのか、さらなる裁判に発展するのかはまだわかりません。
もっともPMから仕掛けてる点と不当解雇がデマだったことを踏まえればPM有利とは思われますが…
PMから告訴状が送られたことを伝える韓国ゲーム消費者協会。
PMから告訴状が送られたことを伝えるイ・ジョンチャン元京畿道青年ユニオン代表。
12月1日/PMユーザー協会から韓国ゲーム消費者協会に変更。
以降は前提でもあげた
『ブルーアーカイブ』などのPVが「男性を侮辱するようなハンドサインが仕込まれている」との指摘を受け非公開に。当該シーン状況の検証進む - AUTOMATON (automaton-media.com)
このサイン問題に対して労働者の保護のため活動しているようです。
2024年7月26日/リヴァイアサン漫画掲載中断および著作権紛争に関するお知らせ
※2024/9/28追記。
2024年にも大きな動きがありました。
結構長いですが、要約すると以下のような内容です。
ワンダーラボは掲載中止になり、リヴァイアサンは途中で小説形式になるなど、両作家とは難しい関係だったみたいですが、こちらも完全に法廷で決着をつけるようです。
無断で著作権を登録するのも問題ですが、メールを転記するのも企業のやることじゃないような…
まあ両者主張と根拠があるでしょうから、公式アナウンスを待ちましょう。
両作品ともかなり好きな作品なので、部分的にでも復活するのを祈るばかりです。
おわりに
センシティブな話だからあんまり大きな声で話すのはやめようね!!!!
公式外の続報追ったり詳しいこと調べてもあんま楽しいことないよ!!!!
じゃあこんなもん書くなよ、残すなよという気もしてますが、この件、もう少し後を引きそうな気もしますし、(実際、6章sdアートに対する声明出ましたし、やっぱまた追記する羽目になったし※2024/9/28追加)ざっくり流れとあの2団体がなんだったのかわかる記事があってもいいよなという思いです。
それといろんな団体やら人物がツイ消ししたり、ゾーニングしたりで真偽不明の情報ばっかなのでドライに「起きたこと」だけ捉えるのがいいと思います。こういうのは。
<でも気になる!ほかにも知りたい人向け>
みかなぎa.k.aいっとうりゅう様のtogetterまとめ。最後まで本件に対してまとめており、多分国内のアーカイブとしては一番情報量が多いです。
https://twitter.com/mikanagi_ayame
tamamushi様の8/16日時点までのまとめ。ソース付きで時系列に沿って本件に関する出来事がわかりやすく、事細かにまとめられております。
Moon Channel様、「GACHA GAMES GENDER WAR」
韓国で政治と宗教がゲームにどのような影響を与える、受けるのかについて扱うゲームメディア。本件もざっくりと流れをまとめたうえで似た事例や韓国の社会的背景についても扱っております。