そして井上尚弥は。。リアルタイムレジェンドなった。。
「日本が大好きだ。私と家族のように関わってくれた。私を大事に扱ってくれた。だから私は最大の力を発揮できたんだ。」
34年前に東京ドームで、ジェームズ・バスター・ダグラスがタイソンをまさかのKOに仕留めた後に、絞り出すように語ったヒーローインタビュー、今でも覚えている。直前に母を亡くした彼を、日本人はきっと家族のように温かくもてなした、だから彼は第一声が「日本が大好きだ」だったんだと、私は思った。
わかりやすい悪役として登場したネリだったが、最後は健闘をたたえた井上が握手に行き、観衆は彼の肩をたたいた。ネリは「死ぬ気で戦う」と宣言し、それをリングで実証した。ネリは本当に勇気があった。今日の彼は侍だった。だからこのような劇的な試合になった。
第1ラウンド、誰もが予期せぬ事件が起きた。井上はネリの渾身のカウンターで、一回転してひっくり返った。まるで漫画のように。きっとネリはあの必殺カウンターを、何度も練習してきたに違いない。
私ら60代なら知っている「逆転の貴公子」大場政夫は、よく初回にダウンした。そしてそこから必ず盛り返して、最後は漫画のように逆転KO勝ちした。大場は幼い私の心を鷲掴みにした。
そして現代の我らがヒーロー、尚哉はもっとかっこいい。2ラウンドに得意の引きながらの左フックカウンターで、ダウンを奪い返す。まさに漫画のような展開。それでもネリはひるまない。これまでの自分の失態を素直に謝り、正々堂々と勇気を持って戦った。こういうのを日本人は大和魂と呼ぶ。次第に私もそれに感化され、「おー、ネリ凄い!しかし尚哉はもっと凄い!」という声援に変わっていった。
試合中まるで東京ドームが、昔眩しく見ていたラスベガスのシーザースパレスに見えた。その主役尚哉は、初回は大場政夫のようにダウンしながら挽回し、途中でシュガーレイレナードのように相手を挑発し、そして最後はマイク・タイソンのように、豪快に倒した。正に「世界の千両役者」の誕生だ!
さあ舞台は整った。昔夢見たラスベガスが、今日本にある。カジノ不要の健全なボクシングの聖地を、尚弥は日本に作ってくれた。日本には、ダイバーシティーなんてものはとっくの昔からある。悪者ネリだって、正々堂々と戦えば、その健闘に素直に拍手する。冒頭のダグラスを家族同様にもてなしたことも、日本人なら当たり前のことだ。
そんな日本に、尚弥が生まれた日本に、今日も外国人は訪れる。懐かしい何かを感じで。
そんなことを思った、衝撃の一夜だった。
最高のファイトを、最高の仲間と観れた。井上vsネリは、十条の焼肉屋「いつものところ」で、いつものボクシング仲間と観戦した🥊🥊ここはボクシングチーム徳を運営する徳さんがやっている店。改めて知ったが、TVに何度もとりあげられている、有名店だった。
そしてもう一つ。隣のおむすび屋さんは、平日も行列ができる超有名店だった。灯台下暗し、知らんかった。今度朝鮮高校ジムでの練習の後に行ってみよう🍙🍙
以上、「人生行く処、ジモネタあり」
ジモネタまるさんでした。
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