Generative AIと麻雀の可能性を探る
はじめに
麻雀におけるAIとは。
本記事における麻雀AIの定義についてまずは話をしなければいけません。
一般的に市民権を得ている麻雀にAIとは
「とある盤面に対し、どの打牌がベストなのかを判断するもの。」
だと思います。
本記事ではそういった市民権を得ているAIではなく、
Generative AI×麻雀の可能性について、
ChatGPT を触って探ってみようという試みです。
少し調べてみましたが、恐らく「Generative AI×麻雀」を実用レベルで何かに使えないかという試みを情報発信したのは、
恐らく本記事が初めてだと思われます。
実際にやってみようとしている人はいるかもしれないですし、
単にGenerative AIに麻雀の質問をしてみただけというものはあります。
ですがそれは何かを実用的に収益化するなどといったものではないため、「Generative AI×麻雀」について可能性を広げ、実用レベルまで引き上げることはできないか、引き上げるにはどのような取り組みを行えばよいのか、
検討し、一石を投じたのが本記事となります。
「Generative AI×麻雀の可能性を考える」
麻雀星人の夢を叶えるAI
以前、多井隆晴プロがYouTubeでこのような動画を上げていました。
動画の内容はサムネイルの通りです。
動画内でも語られていますが、イメージしているものは麻雀牌にICチップを埋め込んで、麻雀卓が自動で点数計算をしてくれる。
というものでしょう。
Generative AIの進化はすさまじく、文章だけでなく画像認識や会話ができるようになってきています。
ですので、スマホをそばにセットして動画を撮影し、画像(映像)を読み込み、盤面を再現しつつ、対話機能を使うことで、うまくいけば、点数計算や牌譜作成などを行える可能性があるのではないかと考えました。
そうすれば麻雀卓にICチップを埋め込むより低コストで麻雀星人の夢を叶えることができます。
これができれば麻雀ゲーム進行アシスタントAIと呼んでいいでしょう。
実際にAIを作成してみた。
今回使ったのが「ChatGPTの有料プラン/月20ドル」(月3000円弱、高え。)
のみで使える「GPTs」です。
無料のものとの違いは、麻雀に関する情報のみを大量に学習させて、麻雀に関することに特に詳しくなったカスタマイズChatGPTだと思ってください。
学習方法は至ってシンプルで、世の中にあるある麻雀の情報をChatGPTに教えこませるというものです。
基本的にはMリーグが情報量が多かったり共通認識を持ちやすいことから、Mリーグルールにおける盤面や状況の受け答えができるAI作成を一旦の目標としました。
具体的な事例を見てみよう。
麻雀アシスタントで活用できそうな事例を用意したので見てみましょう。
①例えばMリーグルールのオーラスで起きるこんなこと…
実際にアシスタントAIは、Mリーグルールのラス親のアガリ連荘を学習結果を元に回答しており、十分アシスタントになってます。
もちろん言葉で話しかけても同様の回答してくれます。
②よくある点数条件について聞いてみると…
点数計算について聞けるようになっていたら便利ですよね。
役がどうの、ドラがどうのは、別にいらないと思いますが、その辺は私の指示不足、学習不足なだけで欲しい情報だけ受け答えする修正は可能だと思います。
ですが、今回の質問で逆転条件と言われたらツモなら700‐1300以上をクリアしてほしいととか、直撃なら2000点は必要だよと答えてほしいところです。
③ゲーム開始時に起きるやつは…
ウソをつかれた場合は「第一自摸を取り忘れた場合は小牌だよ。」って学習をさせて、賢くしていくという作業を繰り返し行う感じです。場合によっては小牌についてどういう状態が教える必要もあるでしょう。
あとはラウンドという表現をしてしまっており、これも一般的ではありませんね。
④画像認識はどのくらいできるか?
マンピンソー字牌を平気で間違っていて、自然なウソをつくのが上手くて愛おしく思えてきますが、形はあっていますね。
もう少しマンピンソー字牌の学習量を増やせば、ここは修正できそうです。
あとは待ちの形も学習させないといけませんね。
アシスタントAIに求められるのは多面待ちってこともありそうなので、基本の形を間違えているようでは、ここも詰めていかないといけません。
これをみてどう思うか。
まあ、こんなもんか。って私は思いました。
私はたまたまChatGPTを日常使いする環境に恵まれていますが、
情報を書き込む(プロンプト)書くことがメインの仕事をしているわけではないので、
もっとうまい人が時間をかけてやれば精度は上がるとは思うのですが。
本記事ではあくまで一石を投じたいと思って書いているため、これ以上はAIの精度の話をするつもりはないです。
ただ個人的には実際に作成していく中で、
Generative AIの可能性よりも麻雀の難しさを解消することのほうが未来が広がるのではと感じました。
麻雀というゲームをAIが理解するのはあまりにも難しい。
ここからのパートは麻雀のルールや問題点について、私の独断と偏見で語る箇所がほとんどになることをご承知おきください。
麻雀というゲームのUIとUX
麻雀の点数は、役の数を数えて、符の数を数えて、親子の関係を確認して、供託を確認して、申告しないといけません。
そりゃあ難しいよ。
そもそもChatGPTは現在の技術では複雑な足し算とか計算が苦手と言われています。
まあその辺は一旦技術の進歩に期待するとして。
先ほどの多井プロの動画の話をしましたが、
そもそもAIだろうが、牌にICチップを入れようが、現在のルールでは点数計算の自動化は難しそうだなと感じました。
「牌を所定の位置に置くだけで点数計算」するには、
牌を所定の位置に置いたうえで、ロンかツモかを自動卓が判断することになります。
すなわち対局者は麻雀牌をミスなく置く必要があります。
6枚切りを破ろうものなら判定がさらに難しくなります。
その上で、ボタン操作をするなどの追加操作が必要になります。
Mリーグのように露出が多い場所であれば、
プレイヤーに決めを守ってもらうことはできる可能性はありますが、
麻雀店でそれをするのは現実的ではないと思います。
その上でスポンサーがつけば技術開発もできますが、
そこらの店でそんなもの導入しようと思ったらコストが上がりすぎて、
店は立ち行かないでしょう。
Mリーグだって、視聴者が増えてくれさえすれば、
Mリーグをビジネスにしている側にとっては何ら問題はありません。
現在においても視聴者が一定いる以上は困っていないはずなので、
視聴者が心地よく視聴するための画面上の点数表示や麻雀用語のテロップは開発はしても、
そこら辺の麻雀愛好家のゲーム進行の開発の投資なんてやるわけないでしょう。
映像の表現は、株式会社朋栄というところが技術提供を行っているようですが、もしこういったトラッキングの技術に加えてAIが上手く介入っていうのも、言うが易し行うが難しで、お金がかかりますからね。
投資して得られる成果がしょぼかったら、そんな開発誰もしません。
点棒がない麻雀卓を置いたお店があったが…
出たときはスゲーみたいな雰囲気も多少はあったように記憶してますが、結局のところ全く広がっていないですよね。
その理由の1つに押すボタンが多かったりなどといったUIやUX(要するに使用感)があまり良くなかったのではないかと推察しています。
スティーブジョブズはiPhoneの発表をする際に、iPhoneのことをこのように言っています。
本考察におけるAIもそうではあるのですが、使いやすくてわかりやすくないとダメってことですよね。
結局、点数申告→点棒授受が、悪くはない。ということを示唆している気がします。(この麻雀卓を実際に体験してみればよかった。)
供託とか連荘もAIには判断が難しい。
言わずもがなこれは点数やゲーム進行の判断材料を増やしすぎてしまうのがあまりにも難しいと感じます。何本も積んでいたら、逆転するための条件とか計算が複雑です。
供託を自分の箱に入れてしまったみたいな供託泥棒ミスも減ります。
(そしたら伊達ちゃんも涙を流さずに済んだ。)
あの場に座っている人、みんな悪いんですよ。対局者であり審判でもあるから。っていうのが今までの当たり前だったわけですが。
だから選手にそこまで責任を負わせる形を作りたくない。
というのが多井プロの動画のテーマの一つでもあると個人的には思ってます。
ですが供託はAIだろうが、点棒にICチップで判断しようが、ズレなく置かないと反応してくれないし、何かしらのテックの力を使おうとなるとUI、UX面であまりにも微妙ということが本記事を考察していくうえで分かりました。
リーチに供託を置くのもやめるんか。ってなるんですけどね。
リーチって役が反則級に強いんで見直すこともできそうではあるのかなとは思いますがどうなんでしょう。
連荘がなくなることで世界標準に近づくだけでなく、
判断要素がシンプルになりテクノロジーと麻雀について考えやすくなると思います。
いつかつっちーと連荘について対談したいです。
これ以外にも供託や連荘をなくすメリットもたくさんあると思ってて、
そもそもアガったほうが楽しいんだから、
アガリに価値があるゲームのほうが良くないかってことや、
あとはゲーム進行の時間が読みやすくなるとか。
大会運営とか中継とか打ち切りルールとか店舗の回転率アップとか色々メリットが大きいし、ビジネス目線で価値しか感じないです。
言語統一ができていない
例えば「シャンポン」「シャボ」「バッタ」どれが正しいんですかね。
私たちはどれ聞かれても同じだってわかりますが、すべてAIに学習させるとか、共通認識を持たせるのは難しいです。
AIはありとあらゆる言語を学習しているという話をしましたが、麻雀の用語はローカルなものも多く、何気なく聞いても精度がとても低いです。公式で分かりやすい言語を作る必要があると考えています。
「ツモ」のこと「面前清前自摸」って言っている人見たことはないですが、これもAIと認識合わせしないといけないのは正直やってらんないなと。
正しい言葉や由来や歴史を残していったりするのも当然大事なんですが、それが大衆やAIにとってわかりやすいものかどうかは全く別問題です。
そういったわかりやすく易しい共通言語を団体が横断して作っていく必要があると考えています。
どんなルールであればテクノロジーと麻雀の融合ができるか。
お前偉そうに語っているけどどうすんだよ。
という方も多いのではないかと思うので、実際に「テクノロジー×麻雀」を考えたときに必要なルールや要素、必要な知識や情報について考えていきたいと思います。
まずは符について少し話しをしたい。
「テクノロジーと麻雀」を考える上でハードルになりそうな符についてお話をしていきます。
符のある麻雀自体、日本の麻雀はアルシーアル麻雀から発展したものであり、世界的に見たら珍しいです。
最近なにかと注目を浴びてしまった、福地さんの記事で触っていますね。
Mリーグの活動目的にはこのようなことが書かれてますが、
日本の符のある麻雀を正式種目として、国際的な交流をしていくのは難しいだろ。
とツッコミを入れた方はいるでしょう。
じゃあスタンダードはなんなんだよ。
って話になりますが、スタンダードと枕詞を置いた場合、
ひとつ参考になるものとして国際公式ルールというのがあります。(中国麻雀)
よく符の計算をせずに1役1000点、2役2000点とかで簡略化みたいなの見ますけど、(そういった取り組みをしているところを否定するつもりはないです。)これも変換が発生しています。
スタンダードは1点、2点と足し算をするだけです。
符がなくて納得いかない方向けにも愚形待ちやカンが含まれたら点数を足すことができます。
もちろん連荘もありません。
シンプルな足し算であれば比較的簡単に行うことができてAIも判断に迷いにくくなるのではないかと思います。
とりあえず変換作業をなくしていきたい。
とにかくシンプルなゲーム性にしていくこと。
複雑なゲーム性にもコクがあることは重々承知しています。
けれどただあくまでも私は本記事において、ありがたいIT技術を使って、麻雀をより簡単にアシスタントするためには、どうすればいいかという論点。
それから麻雀の人口や裾野を広げていきたければ、
持続可能な業界にしていくために、AI活用や進化を活用するために、
ここから見直してもいいのではというのが、課題、問題提起に少しでもなればうれしいです。
果たして今のルールが全てにおいてベストなんですかね?
今一度見つめなおして欲しいと私は考えています。
「この熱狂を外へ」~麻雀とビジネスと。
麻雀をAbemaで流しているだけでいいのか。
最近Abemaで麻雀やっているというのはかなり知られてきているなというのは感じるのですが、
感じているだけ、見ているだけで実際に麻雀をしている人はそれに対してはかなり少ないように感じます。
「見る雀ってなんだよw」って思ってましたが、
実際私も色々忙しいなーとか思っていたら「自分も見る雀じゃねーかw」とツッコミを入れている状態でして。
中間層が育っていない
人によって麻雀に求めるものは異なるので、そこで争いごとが起きるのは常だと思うのですが、初心者としっかり麻雀を打つ層との間の層があまりにも大きく、ビジネス面での拡大を妨げていて、そうであるうちはお金の匂いもしないんだろうなって気がします。
これらを踏まえると初心者から中間層に育てるのがマーケットを大きくするのにものすごく重要だと考えているのですが、それらを妨げているうちの大きなものに、「麻雀は今のChatGPTですら理解が難しい」ということが言えるのではないかと考えています。
風営法やオンレートの問題
少しまえに話題になったこの話。
AI開発の権威が「麻雀AI開発に携わります。」ってなったとしたら、オンレートのお店には開発提供とかしたくない。
って思われるのが普通だと思います。はっきり言ってしまいますが。
今まで積み上げてきたものが崩れる可能性だってあるわけですから。
オンレート文化があるのもわかりますし、
それがあるからこそ業界が支えられている側面があるのもわかります。
もうこれはAIも関係ないけど、業界の収益性を工夫していかないと厳しいです。
来店時の単価をどのように上げていけばいいのか、DXでの人員削減など、効率的な収益化、経営を考えていかないといけないと思います。
麻雀で稼ぐのではなく、BARで酒飲んで稼ぐような業界では未来は切り開けないと思います。
ギャンブルしないと楽しくないという人がいるのもわかるんですが、
私は老若男女問わず楽しめること。
それが麻雀のいいところのはずなのに、
その良さを活かせないほうがもったいないと思っています。
本気で外からテコ入れしたほうがいいですよね。
実際なにかしているのかもしれないけど、
変わったようには見えないので本気度は足りないですよね絶対。
この問題が解決すれば、麻雀そのもののロイヤリティが上がり、仕事の話がしやすくなったり、プロの価値が上がったり、そこから生まれるお金がさらなる歯車を回してくれるようになるんだろうと思います。
いつかその時のために
その時に誰もがわかりやすい麻雀が市民権を得ている状態であることは、とても重要なのではないか。
もしそんなときのために一石を投じたいと思い書かせていただきました。
Generative AIと麻雀の未来とその可能性。
もしこんな私でも詳しく話をしてみたい方がいらっしゃったら連絡をお待ちしています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?