砂沼から言葉歩いてー2018ー3
砂沼から言葉歩いてー2018
2018 第四巻 1月から12月 2010年3月 脳梗塞から八年目 失語症・言語発達障害・ 聴覚障害高次脳機能障害・発声発語・感覚障害
砂沼から言葉歩いてー2018ー3
●読む本を探す九年や風光る 俊克
●楤の芽をナイフ切り取りハウス追う 俊克
●春ポスト触れる言葉に笑う母 俊克
●湧水を漬物作る水かけ菜 俊克
◎ 一揃い戦火を潜り雛飾り 俊克
●希望もちいつも愉快に富貴菊 俊克
◎大仏の図面作成金華山 俊克
◎八年の育つ記憶や忘れな草 俊克
⦿十和田湖の乙女の像や朧影 俊克
●味が濃い蛤厚き鹿島灘 俊克
◎貝合絵を描き探し色使い 俊克
●春疾風武者絵魂鍾馗かな 俊克
●毛ガニ祭活気山積み赤く色 俊克
◎関心を最後の砦桜草 俊克
◎青白の親船子船蛍烏賊 俊克
◎葉を巻いて色づけ旨し桜餅 俊克
●受け継がれひな人形は町屋巡り 俊克
●枝垂梅夫婦喧嘩は喰わぬひと 俊克
●竜天の花芽の数やしだれ梅 俊克
●卒業のエールを胸に駅ホーム 俊克
●嵐後七色アーチ春の虹 俊克
◎多羅の芽や忙し夫婦は出荷する 俊克
◎白線とスカーフ流し卒業生 俊克
●桜鱒ルアーを飛ばし手が震え 俊克
●ガタガタと吹き抜け窓や春一番 俊克
⦿コウノトリ巣づくり雄のほほえまし 俊克
●鉄道ファン読み仮名表記春の海 俊克
●春風の魅力に触れて十二神 俊克
⦿床の間に長良隕石草朧 俊克
●梅の花柔らか日差し夫婦連れ 俊克
●雪解の気温が上がり進みそう 俊克
●待ちわびて植える楽しさ紅桜 俊克
●手塩かけ春蘭植えて華やかな 俊克
⦿そだねーとひなの当たってカーリング 俊克
●ロゴ掲げ懐かし電車笑ふ山 俊克
⦿四つ手網しろをの群れのサッと引き 俊克
⦿股のぞき天の橋立春の空 俊克
⦿春告げる大杉天狗あんば様 俊克
◎流す池音色流るる雛の舟 俊克
●卒業の寄り添う決意旅に立つ 俊克
●野火を入れ進む隊員演習場 俊克
●コンビニのサンドイッチやほたるいか 俊克
⦿梅園の三ヶ所在りや石山寺 俊克
●竜天に登るずぶぬれ激し雨 俊克
●肉屋揚げ夕のコロッケ雲雀笛 俊克
●梅の花ガマの口上かりんとう 俊克
●篠笛の麗らか和船熊野川 俊克
◎油風ぐんぐん超えて腕まくり 俊克
◎凧日和吹いて浜風手繰る糸 俊克
◎菜の花やほころぶ水路風そよぐ 俊克
●春プール記録樹立のバタフライ 俊克
●六名の田所回り田遊祭 俊克
●桜駅ゆっくり車窓操車場 俊克
●咲き始め行きつ戻りつ犬ふぐり 俊克
●産卵の池に鈴なり赤蛙 俊克
◎常節を料理自慢の母の味 俊克
◎啓蟄や花芽膨らみ枝の先 俊克
◎百選の陽気の汗や春の沼 俊克
◎ぬれながら金縷梅咲いて雨が降る 俊克
●春川の経済効果ダム巡り 俊克
●病気して異動職場やスイートピー 俊克
●つぼみ伸び開花ホームの桜の木 俊克
●知り尽くしあんにゃ船長風光る 俊克
●うらうらやなごみぜんざい知る涙 俊克
●河津桜見つけ筑波は染まる空 俊克
●春の空ピンクの花は斜面揺れ 俊克
◎春の海仮眠もめしも船は漁 俊克
●響き児の紅梅映える園の庭 俊克
◎鈴なりに一本枝の紅い梅 俊克
●浅利むき深川めしの伯父連れて 俊克
●うぐいすの濃い赤色に花の札 俊克
●慶喜の実父蟄居や烈公梅 俊克
●週末の遅め開花や花便り 俊克
●城跡の早雲住むや春の夢 俊克
●焼け野原移ろい季節帯桜 俊克
●海女の笛旋律思い音に乗せ 俊克
●物語る漁船撤去や春の浪 俊克
◎スマホ撮り切花飾りチューリップ 俊克
⦿山里の表情違う節分草 俊克
●汗だくにアスパラガスは忙しい 俊克
⦿サヴァ缶の元気な旨味春の沖 俊克
●黄連の足元きらり山野寺 俊克
●珍しい仲良く楽し梅桜 俊克
●しだれ梅氏子ら植えて香り立つ 俊克
⦿鉢植えのさまざま色はサイネリア 俊克
●春蘭の育て品種もオークション 俊克
●雪割草異なる花はかれんかな 俊克
●サクランボ赤く色づきハウス物 俊克
●うまいけどこだまスイカは早すぎる 俊克
⦿樫棒の輪に音響き祭頭祭 俊克
⦿忘れない語り部津波春怒濤 俊克
●小女子を売り場三尺柔らかし 俊克
●春の海鮮魚豊漁つかみ取り 俊克
⦿春の寺預ける思い鐘が鳴る 俊克
●船客の散策の地図春の浜 俊克
●いろは歌五色団子の涅槃の日 俊克
●春愁夫婦揃って悪巧み 俊克
●週明けの森友巡り春の雲 俊克
●映し出し夜空を光春の闇 俊克
◎海朧孫に恵まれ奪い去る 俊克
●好天の梅を眺めや大津波 俊克
◎梅東風や勿忘の鐘鳴らしけり 俊克
◎春めくや津波で亡くし犠牲けり 俊克
●失われし離れた場所に献花台 俊克
●白魚や破片回収投棄事故 俊克
◎脳刻む時を忘れぬ三一一 俊克
●みすゞ忌や足跡たどり光明寺 俊克
⦿春かなし総理の言葉安倍昭恵 俊克
◎佐保姫や総理の妻の財務省 俊克
●龍天に登る放流稚魚の海 俊克
●水戸の梅見上げる空の違う夜 俊克
●ホーリャイや薄桃色の春祭 俊克
●河津桜でんでんころの五平餅 俊克
◎創建のサンヤレ踊り奉祝祭 俊克
●初午祭座布団背負ふ飾り馬 俊克
◎香る梅走る榛名路なめこ汁 俊克
●佐保姫や揺れる光に追悼す 俊克
◎車窓から竜天登る海時刻 俊克
⦿忘れない追悼の鐘春愁ふ 俊克
●休耕地植えて九年の河津桜 俊克
●座禅草発熱解けて地味な里 俊克
●夢灯り僧侶供養や海朧 俊克
●春風や舞に音色の倭楽 俊克
◎昇竜のゆっくり眺め枝垂れ梅 俊克
●浜に揚げ若布日干しやしゃぶしゃぶに 俊克
◎訪れて白い花咲き桃桜 俊克
◎境内の紅白の梅香る花 俊克
◎花が咲き映える紅梅抹茶かな 俊克
●春まぐろ興奮うれし仕留めたり 俊克
●ふわり跳びいっぱい匂い香る梅 俊克
●青々と山積み香り春レタス 俊克
⦿熊野桜早咲き早く新種なり 俊克
◎耕助の幻見つけ雪割草 俊克
●飲み比べ卒業記念闘茶会 俊克
◎参拝の遺徳をしのぶ涅槃寺 俊克
◎挑戦のほつきムキムキパパの顔 俊克
●トキのむら春風感じ駆け抜ける 俊克
◎桜まじオウム信者の消えるころ 俊克
◎亀鳴くや刑務所送り死命けり 俊克
●幻想の青の身投げや蛍烏賊 俊克
●梅が咲き手の子逞し母躍る 俊克
●満開の浮かぶ暗闇しだれ梅 俊克
●さくらめで昼の弁当旨し空 俊克
◎子が遊ぶタオル汗ばむ春日傘 俊克
◎歓声を県立高の受験生 俊克
◎ポカポカと電車揺られて春の色 俊克
●ふじさんの名乗る列車や春心 俊克
●早咲きの高き紅梅一つ咲き 俊克
●柔らかな薄桃色の桜咲く 俊克
⦿白い肌鹿の子模様の独活の小屋 俊克
●爆釣の珍しでかさホッケ群れ 俊克
●黄水仙爽やか丘に潮の風 俊克
●ハイキング夫婦で歩き梅の花 俊克
●ぽかぽかと進むサクラは駐車場 俊克
●花片に五輪六輪開花する 俊克
●山々の啓翁桜緑映え 俊克
⦿日差し浴び一輪咲いて河津桜 俊克
⦿一気咲く気温上昇桃見かな 俊克
●春夜焼き付け心最終列車 俊克
●首飾り春嶺待つや古墳人 俊克
●日当たりの芽吹きぽこぽこ蕗の薹 俊克
⦿神宮のロード巡りや風光る 俊克
◎竜天に登るライオンきぼう鳴り 俊克
●街路樹の笑顔見上げるさくら道 俊克
◎快晴の十輪開花染井吉野 俊克
⦿クマノザクラ山の斜面に町の花 俊克
●ラストランあずさ新宿星朧 俊克
●渡良瀬の揺らめき炎堤焼く 俊克
●春良き日数寄者一服大茶の湯 俊克
●甘辛の若布つくだ煮地元飯 俊克
⦿満開の鮎家の郷は春の風 俊克
◎春かなし荒れ果て放置不動尊 俊克
◎麗かや明神様の池の鯉 俊克
◎春半ばひょっとこおかめ裾めくり 俊克
◎彼岸前先生死去の軽井沢 俊克
●日曜日切り花団子入彼岸 俊克
⦿鬼岳のバラモン凧に風の鳴る 俊克
辻村 麻乃 3月20日
鬼岳のバラモン凧に風の鳴る 俊克
鬼岳とは五島市上大津町にある315メートルの火山である。西海国立公園に指定されており、以前近くまで行ったものの訪ねそびれてしまった。
バラモン凧とは荒々しく向こう見ず活発で元気がいいという五島の「ばらか」という方言に由来している。福江島に古くから伝えられているこの凧は鬼が真正面から兜をくわえこんだ姿が描かれ、敵に後姿を見せぬという意味がある。この凧の中に描かれたクルスは隠れキリシタンの島であることを表しているのではないかと言われている。男の子の初節句に天高く揚げながら子供の厄を払うそうだ。
挙句は「風に鳴る」とするよりも「風の鳴る」とした方が収まりがよい。
唸らせることが厄落としとなる、バラモン凧。鬼岳に子どもへの願いを託しているようだ。地域を知ることのできる秀句である。
⦿直実の熊谷桜僧の寺 俊克
●亀鳴くや敗れて自害五輪塔 俊克
●喜多方の彼岸獅子舞笛太鼓 俊克
◎デカすぎるかき揚げギネス桜えび 俊克
◎舟小屋の朝の湖畔に福井梅 俊克
●馬酔木房花を連なり大通寺 俊克
⦿蕎麦屋挽くラーメン三日風光る 俊克
◎人々のしっとりぬらし春の雨 俊克
●群生の三椏の花古道彩 俊克
●桜ぬれ満開宣言降り続く 俊克
●梅餅の種を飛ばして梅の花 俊克
◎根が傷み一本桜雨に濡れ 俊克
●お別れの歴史を締める卒業式 俊克
◎梅林の古代の歴史道祖神 俊克
◎裏山に描かれいっぱいご開帳 俊克
●コシノカモザクラ桃色新品種 俊克
●赤色の甘い大粒春苺 俊克
●佐保姫や卑弥呼の国の径百余歩 俊克
●春分の雨が降り出し通所行く 俊克
●四分咲きの桃林の花傘の雨 俊克
◎一心に卒業禊祓川 俊克
◎咲花の似てる形は錨草 俊克
●出来前の根回り太さ竹の秋 俊克
⦿夜桜の映える天空城の跡 俊克
◎暖かや生きた記録の日章旗 俊克
●春の雪今日の天気は峠道 俊克
●満開の中日降って銀世界 俊克
●稚児の舞名残の雪は鳴らす鈴 俊克
●さき彼岸踊りの名手里帰り 俊克
●山茱萸の花が寒々交じり雪 俊克
◎春分の昼の早咲き雨が降る 俊克
◎菊水の霊泉の滝時正かな 俊克
●浜名湖の花の名所や春便り 俊克
●身震いの春分の日は雪が降る 俊克
●春分の西方読経日が沈む 俊克
●鵜匠花占う数の桜守 俊克
●逆戻り彼岸じゃらくの傘を差す 俊克
⦿中日の炎の文字は万灯火かな 俊克
◎紅梅の面影残し屋敷跡 俊克
●朝市の元気な声や風光る 俊克
●鵜舟往く忘れ去られる彼岸過ぎ 俊克
●狸眠む陽だまりぞろり山雪解 俊克
●汗の風漁の解禁大蜆 俊克
●山際の蕗の芽感じ顔を出す 俊克
●黄水仙花芽次々諏訪湖畔 俊克
◎春休み名所ぼんぼり錦帯橋 俊克
●ガチャガチャのお土産ダムや春休み 俊克
●糸垂らしきらめく湖面春休み 俊克
⦿尾道の俳句ぼんぼり花吹雪 俊克
⦿さくら咲き濃い色小ぶり密蔵院 俊克
⦿日が差すと深山躑躅の石仏 俊克
●春の夢ひっくり返し初勝利 俊克
●日差し咲き訪れ見入る枝垂桜 俊克
●山茱萸の花を散策心字池 俊克
⦿ネコギギの口ひげ八本春動く 俊克
●満開の抹茶のんびり花の門 俊克
⦿龍神の土手の満開クマノザクラ 俊克
⦿花を愛で巨樹の境内歓喜寺 俊克
●片栗の花弁斜面は反り返る 俊克
⦿染まる丘眺める親子黄水仙 俊克
●鉄瓶の追悼思いさくらふぶき 俊克
●鳴き声を続々飛来海猫渡る 俊克
●塗るつばき献上若布うま味増す 俊克
●春の花桃源郷の案内人 俊克
●うそつきの内閣総理春かなし 俊克
●春の海縦走の道つなぐ道 俊克
⦿待ちわびてタモ網光るホタルイカ 俊克
●到来の近衛邸跡糸桜 俊克
⦿ゆったりと並木流るる花見舟 俊克
⦿鬼怒校舎窓の田園さくらの木 俊克
⦿堤防の蕾に交じりさくらかわ 俊克
⦿三椏の花を眺めて差すひかり 俊克
●花が咲き十四種類桃の里 俊克
⦿発電にダムの改造風光る 俊克
⦿城跡のボンネットバスは桜風 俊克
●シート敷き五重の塔に桜晴れ 俊克
●子の太鼓三味線屋台春乗せて 俊克
●岐阜蝶のかれん初めて陽気かな 俊克
●セクハラの福井ミートウ春嵐 俊克
●開花咲き森の木陰の一輪草 俊克
⦿おおいぬのふぐり田畑の畦の道 俊克
●春薄暮脇侍が揃い薬王院 俊克
●風通し自生サイクル座禅草 俊克
◎若草の紫色に花が咲く 俊克
◎豚汁の春の縁日仙ケ滝 俊克
●潮風に大漁桜愛らし 俊克い
⦿川堤目当て桜や百十郎 俊克
●両岸を艶やか水都山桜 俊克
●卒業の叫ぶ勢いヨボシ岩 俊克
●人が触れ仏足伝わる春心 俊克
●竜田揚げ年配馴染む春鯨 俊克
◎早く咲き名所百選枝垂桜 俊克
◎薄明かり照らす表情桜餅 俊克
●観桜の花がちらほら姫路城 俊克
⦿真下から桜眺めてかむろ坂 俊克
◎ミズタコの必死の思い春の海 俊克
●大漁の十三倍に春いわし 俊克
⦿桜旅芭蕉に会える水門川 俊克
⦿戦国の戦火に散った大桜 俊克
⦿紅梅の初鳴きの弓的を撃つ 俊克
●聖堂の古い鐘の音長閑かな 俊克
⦿枝垂桜樹齢守りや祥雲寺 俊克
●赤色の陽だまり花に椿園 俊克
⦿蜜蜂は土手の花粉に飛び回る 俊克
⦿バス停に枝垂桜の歩く人 俊克
●幕末の歴史を感じ花見客 俊克
●帰路の寺八房梅の植える種 俊克
●ワンテンポ不思議明石の桜かな 俊克
●桜染め明かり照らされ天の川 俊克
◎はなの木は色と形の美しさ 俊克
●振る舞う茶巨木の枝に枝垂桜 俊克
●奥座敷こつこつ告げて枝垂桃 俊克
●堰堤の空に一本桜かな 俊克
●いい匂い菜の花そよぐ木舟かな 俊克
⦿百景の砂沼の便り若桜 俊克
●さとざくら脳の教えていまわかる 俊克
3
桜まじ刻むベンチの残る場所 俊克
2
鐘突いて暮らし眠らせ桜まじ 俊克
1
音を鳴らし余韻聞き入り桜まじ 俊克
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