なの日記「良い日の条件」

今日は朝から家事やら買い物やらと色々歩き回った。
優柔不断な僕は時間をかけて作業をしてしまうため何をするにも人より時間がかかっているのだと思う。
今日の買い物でも時間がかかった。
こんな感じのものが買いたい　とイメージがあってもそれに完璧に当てはまる物には出会えず、どこかは妥協しなければいけない状況が多い。金額が思ったより高い。色味が若干薄い。素材感が思っているものと異なる。など。
完璧を求めて歩き回るが、選択肢の中から選ぶのはとても疲れることだ。
考えて考えた結果、選んだものを後悔しないよう大事に持って帰って使うこととする。

この選択で良かったのだろうか。
と今更ながらもぐるぐると意味のない思考を巡らせていると、前から歩いてきた人が目の前でハンカチを落とした。

あ。ハンカチ落としましたよ。

と声をかけた。咄嗟に出た声だから酷く掠れていただろう。反射的に出してしまった。

だが落とした人は「ああ！」と気づき、ハンカチを拾い上げる。そして僕に「ありがとうございます」と言う。

それだけで僕は今日を生きていて良かったんだ。と思えた。

ありがとうを言える人は綺麗な人だな。　　　　なの