見出し画像

石油ストーブの匂い、プルースト効果 | 今週のすきノート



都庁前、西新宿の道、この世の果てのような空気

広く整えられた道

石油ストーブの匂い

ベビーカーで開脚する赤子

「ほんの少しの僕の気持ちがキミに伝わる そう信じてる」



雪の降った日の静けさ

暖かい部屋で食卓を囲むこと

暖房の効いた部屋に入れる、外の冷たい空気

「逃げたくて逃げたくない壁」

仰向けになってお腹を全開で見せてくれる猫

ライブが始まるのを待つ時間



年の瀬ですね〜。

今回のすきノートに出てくるものも、かなり冬らしいものが多い。

タイトルにもしている「石油ストーブの匂い」は、その匂いを感じると冬だ!!ってなるから好きなんですが、同じことを今年の夏にも思った。


暑さは、春秋冬の間は覚えていなくて、だから毎年夏が来るたびにこんなに暑かったっけ?って私は思うんだけど、でも、街中ですれ違った人から一瞬だけ感じたシーブリーズの匂いが...!!もうとてつもなく夏を感じさせて、ちょっと感動しました。

私はシーブリーズを使ったことはないけど、中学や高校でクラスメイトが使っていて、特に体育終わりの教室は各々のシーブリーズフレーバーが混ざりに混ざっていたなあ〜と思い出す。夏の暑い暑い体育終わりに出現するシーブリーズは、私にシーブリーズ=夏の記憶を刷り込ませるには十分だった。

だから、茹だるような暑さや、不快な湿気、痛いほどの日差しを感じるよりも、すれ違った人から一瞬届いたシーブリーズの匂いひとつで、「夏!!!」となるから記憶はすごい。石油ストーブの匂いもそう。実家でファンヒーターが使われていたから、今でも灯油の匂いを感じると、寒い冬を思い出す。


毎年繰り返される暑さや寒さを体は覚えていなくて、でも数年前に嗅いだ匂いは今でもずっと覚えていて、その匂いを体が感じると同時にその時の記憶や気持ちを思い出すこと、匂いが記憶のスイッチを押しているみたいで、すごく面白い。こういう現象をプルースト効果って言いますよね。私はプルースト効果が自分の身に起こるのが好きです。

体育終わりの私は、別にシーブリーズの匂いを夏のものとして覚えておこう!!と思ってたわけじゃなくて、無意識にシーブリーズは夏にだけ感じられるものと思ってたわけで。そういう記憶って貴重だな〜と思うし、今から欲しくても手に入るわけではない。だから、匂いに限らずその時にしか感じられないものをちゃんと感じられる自分でいたいと思います。


次は何を思い出すだろう?


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集