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「今週の株式市場は更なる急落が続くのか、反転相場の出発点にいるのかを見極める重要週」

10/11

現状の株式市場は米国の金利見通しに振り回されその日、その日の経済データで日替わりで急騰急落を繰り返す先物主導の空中戦、連銀と先物のタッグマッチの様相だ。中央銀行である12の連銀は民間銀行である。

先物は基本3ヶ月の短期決戦であるから、上下のブレが大きければ大きいほど利益が出る。

先物主導のマーケットであるので、年初から SQ(先物清算日)前後が目先相場の天井か底となっているし、従来からメジャーSQに絡んだ4月6月10月12月に天底を形成していることが多い。

特に日本の株式市場は米国市場の影響を受け、増配含みの好調な企業業績も欧米よりも良好な経済パフォーマンスも反映されない理屈の通用しないマーケットになっている。

米国の景気指標次第で見方がコロコロ変わるマーケットだけに先の見通しが読めないというのが今のマーケットの姿で、年末までに日経平均は30,000円回復するだろうと言う見方も、さらなる下げで24,000円あるいはそれ以下も、とするコメンテーターもいて全く正反対の見方が投資家を混乱させている。 

そこで今後のマーケットを見るいくつかのポイントを挙げてみたい。
注意しておきたいのは理屈の通用しないマーケットが今後も続くならば、意味をなさないかもしれないと言うことだ。

10月は米国の2023年の会計年度のスタートの月だ。(かなり変則と言えるが)
日本は年度の半分が過ぎた中間決算に当たる。
日米ともこの時期は先物等も相応のけじめをつける重要な転換期と言える。

以下のマーケットを見るポイントを読めば、重要な経済スケジュールや需給の転換点が今週に集中していることが分かると思う。

①10月から年末までの株高は2013年以降8勝1敗と圧倒的に年末高になっている。

②13日(木)に米国のCPI(消費者物価指数)が発表される。このところの波乱要因で注目されるが今回の日本のSQ(先物精算日)は木曜日のこの日。(米国SQは21日)

③米国のヘッジファンドは11月決算が多い。年間の損益通算などの税金対策で売り圧力がある時期だが、売却を希望するヘッジファンドの投資家は決算日の45日前までに通知する必要があるため(45日ルール)10月中旬までにそのための売りも一巡すると思われる。

④11/8米国の中間選挙がある。その直前の11/1.2に注目の次回FOMCが開催される。(10月はFOMCはない)選挙対策等で直前の大きな下ブレは予想しがたいが。

⑤10/16に中国共産党大会が開催される。
コロナの新規感染者は大幅に減少。成都の都市封鎖も9/19に解除された。
インフラ投資のための資金調達支援、建設が中断された住宅の建設再開の促進、家電や自動車に対する消費支援などを実施したことで、8月の経済指標も「景気持ち直し」を示している。

⑥10/12.13に20カ国の財務相、中央銀行総裁会議がワシントンで開かれる。為替に対する何らかの反応があるのか。

⑦日本企業の中間決算が10月末から11月中旬にかけて発表が集中する。
好決算に違いはないだろうが例の如く、「事前予想を下回った云々」などと言うコメントで押さえ込まれる可能性もあるが、増配や自社株買い、円安の収益押上げをどの程度評価するか?
何よりPER 10~11倍まで下がった日本株の割安感にこれ以上の下値があるのか?

⑧ドル建ての日経平均で見れば、年初から右肩下がりを続けすでに2020年のコロナ発症当時の日経平均の19,000円当時の水準にまで落ち込んでいる。
(コロナ発症当時の最安値は16,500円)
特に半導体関連や情報通信といったハイテク株は業績等から考えても、あるいは成長株の多い中小型株にしても信じ難い株価だ。
既に円安で割安感の出た首都圏を中心とする高級マンションや不動産等には海外勢による買い漁りが始まっているとの報道もされている。

⑨本日(11日)から海外旅行者の受け入れ拡大がスタート、海外旅行者の増加と円安をバックにしたインバウンド期待が高まれば国内消費の拡大要因となる。

⑩中国上海のロックダウン解除によって自動車等の日本メーカーにとって生産のネックとなっていた部材、部品供給が解除されつつある。

⑪経済対策としての国内旅行支援策が相応の経済効果を発揮するか?
特に土日の梅田や神戸の町中の人出の多さには活気を感じさせる。

⑫日経新聞のニュース等からも円安でマイクロンを始め海外企業の日本での工場進出や日本企業の生産工場等の国内回帰が始まっている様子は読み取れる。
先日のレポートでビッグマック指数を取り上げたが、日本と米国の価格差はマクドナルドが日本の国内でビックマックを作って米国で売れば十分利益が出るということなのだ。食べ物なので現実的ではないが理屈としてはそういうこと。

前述の通り年末までのマーケットを見る上では今週が最重要週になると思われる。
本日の日経平均は700円を超える下げをやっているが、今週が絶好の買い場となるかどうか?

いずれにしろ、そう遠くない時期に海外勢の割安な日本株買いが本格する時が来るだろう。
マンション不動産の買い漁りは、株買いのその前ブレとなるか?
今週はその時期を見極める時期に来ていると思われる。


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