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風の時代を生きるための物語

 いつも自宅でゆっくりするときは、音楽かまたはYouTubeのタロットカードリーディングの動画を流しています。

 最近なぜか気に入って、つい自分にはあまり関係ないテーマなのに聴いてしまう占者さんがいましてね。
 どんなテーマって、恋愛系のテーマ。
 もういい歳だし既婚だし、反抗期真っ盛りの子供もいるので、それどこれじゃないんだが。

 最初はもうこんなもん聴いたって何の役にも立ちゃしねえ、なんて遠ざけていたときもあったんだけど、諦めて聴いてる。
 自分のなかの何かが求めてるんだろうな。

 この占者さんはほぼ毎回テーマは恋愛で、運命の人だとか深い繋がりだとかそんな感じ。
 あ、夫ですか?
 うーん。

 星読みされる方なら分かってもらえると思うんですが、月星座は強烈なスクエア。火星(夫)と海王星(私)は強烈なオポジション。
 ただし火星はお互いに風星座のトライン。
 私の太陽星座はノーアスペクト。
 でもASC(私)とVT(夫)はがっちり重なってる。
 うん、友だち相性ですかねw
 結び付きは強いんだけど、その結び付きほどには分かり合えない……
 学校とか部活やなんかの気楽な男友達ならいいんだろうけどさー。

 だから憎しみ合ってるとかじゃないんだけど、いろいろありすぎて最早なにも期待してないし、こういうリーディングで頭のなかにこの人がちらっとでも出てくることはない。すまん。

 これまでの人生で、例外的なひとりを除いては、ほぼ誰かを前が見えなくなるほどに好きになることはなかった私で。
(なぜ例外的に、としたかと言いますと人外なので……あ、二次元ではないです。ちゃんと三次元の男性だけど昔の人だからです)

 これまでの人生でもなんやかんや、嫌なこともあったけど、これはトラウマっていうよりは、本来持つ自分の性質的な理由からくるもので。 それは確信がある。
 だから生身の誰かをどうしようもなく求める感覚ってゆーのがよく分からない。
 それに悲しいかな、これから発展することもない。当たり前だけど。

 ただこの方って、たまたま思いつきでシナストリーチャートを作ってみたら、なんとびっくりグランドセクスタイル(六芒星)の一辺落ちができてしまった人なんです。

 そーゆー意味でも特別で例外。
 何が起こってるのか、正直よく分からなかったし、グランドセクスタイルの威力をもう嫌というほどに体感したし……沼から這い出るのは、もう諦めたよ。
 一応、3年半近く格闘したんだ。だって、おかしいじゃない、こんなの。普通じゃない。

 そいつのことくらいは、ちらっと考えるかも。
 あ、でも私にはそーゆーのないんだっけw ってすぐまた現実に戻るんだけど。
 何故かまた、新しい動画が上がってるとつい見ちゃうのよね。
 今は、きっとこれも何か意味があるんだろって、そう思ってる。

 その人を知るときも、そのグランドセクスタイルを発見するときも、何故か変にそのことから頭が離れなくなっていて、だから……うーん、なにか必要性があるのだろう。

         🖤🖤🖤


 人間って、心のなかに『物語』が必要なんだと思う。きっと、それは誰もが。

 終わってしまっているけれど、過去の幸せな物語を心のなかに、今の逆境を乗り越えていく人がいる。
 反対に、過去の逆境をハッピーエンドに塗り変えるべく、今を戦う人がいる。

 私は一体、何故この物語 ── この占者さんが語る『運命の人』という物語を必要としているのか。
 その理由は未だに分からない。

 求めるならば、口当たりの良い、ひたすらに甘いだけの物語のテンプレは幾つも転がっている。
 だけど私は悲しい哉、現実主義者だ。
 子供の時分に母親から『調子にのるな』と言われて以来、調子に乗らないことを心がけて生きてきた。

 だから、まさかの喜ばしい出来事があっても、未だに心のどこかで疑ってしまう。素直に喜ぶことができない。
(勤務先で過去に表彰を受けたことがあるんだけど、その時ですら前日まで「間違いじゃないの?」と疑っていたほどだ)

 なあ、これは私に「少しは調子にのれよ」って伝えたいのか?
 そうだよね。分かるよ。少しぐらいは調子にのって、ちょっと浮かれているくらいのほうがうまくいくってことはね。
 あ、母親も私とのシナストリーの月星座は誤差ほとんどなしのスクエアだ。
 だから、そんなこと言ったのかな。

 魂は多分、調子にのりたい。
 イケイケでこの冥王星水瓶座時代を走り抜けたい。
 私の金星は牡羊座だし……うーん。
 もっといえば、そいつの火星は獅子座だ。
 それに私のASCも獅子座だ。そいつの火星とコンジャンクションだ。

 全てそいつのせいにして、調子にのってしまおうか。いいよね、別に。

 ……なーんちゃってさ。

 真面目でビビリな私は、それでも調子に乗り切れやしないんだけどさ。

 これからの風の時代は、波動の軽やかさが大事なのだという。

 私の魂は軽やかになりたくて、だからこんな物語を引き寄せたのだろう。
 それが何故、この方だったのかも分からない。
 分からないけど、それでいい。

 きっとこれからが答え合わせだ。

 この時代にちょうど間に合うように、あなたという物語を引き寄せられたこと。
 それはきっと、これからの激動の世界を生きる私の御守りのようなものになってくれること。

 それでいい。それで充分なんだ。

 ── こうして今、私はここに在るのだから。


 どうぞ、善き冥王星水瓶座時代がともにありますように。

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