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文春砲を考える(透明化され続ける女性たちと、これからのこの国について)

 いわゆる文春砲が炸裂している。
 前年、性加害疑惑で大騒ぎを起こした大御所お笑い芸人と、同じく性加害疑惑で現在絶賛炎上中の大御所アイドルが交友関係をもち、共犯関係にあったのではないかとするものだ。

 これに関しては様々な方向に波及が及んでいるし(Xではフェミニストとアンチフェミニストの争いの、新たな火種となっているみたいだ)一部では「デマだ!」「誹謗中傷だ!」という声もあるようだ。
 今回はこれらを俯瞰して眺めた結果、考えたことを書き残そうと思う。


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 その前に、この文春砲の裏でとんでもない法案が可決になっていることを、これを読んだ方は知っておいていただきたい。

 それがこの「食料供給困難事態対策法」だ。
 令和7年4月1日から施行されるこれは、日本政府が「食料の流通が何らかの事情(災害、戦乱、疫病などか)で安定しない」と判断した場合には、その流通量や価格を政府の判断で統制する、としたもの。
 ほとんどニュースでは報道されず、半ばなし崩し的に可決されたとのこと。緊急事態条項と同じ手口である。

 この「食料供給困難事態対策法」最大の問題点は「日本政府の判断で」決められるというところだ。
 要はなんでもいいのだ。情勢不安定につきでも、架空の疫病でも。
 理由をつけて、きっと野菜や米の価格はまた上がるだろう。

 その「食料供給困難事態対策法」を報道する代わりに報道されていたのが、フジテレビの一件であり、元ジャニーズ事務所の大御所アイドルの性加害の一件だ。
 まー、目眩ましだよ。マスキング。
 はっきりいって、これは国民に都合の悪い法案だからね。

 ただし、だからといって例の大御所お笑い芸人も、大御所アイドルも「無罪」ではないのだ。

 そこから波及して浮かび上がっている様々な性加害問題。
 そんなことを話すより違うことを話せとか、まともな内容を報道せよ(それこそさっきの法案だけど)という声もあるよね。

 だけど、はっきり言って「女性たちの口を塞いで、日本政府の悪巧みをみんなで阻止して、はいハッピーエンド!」となるだろうか。

 私はならんと思うんだよ。
 これも出るべくして出てきた問題だ。

 例えばこれがフェイクニュースだったとしても、火のない場所にこれだけの煙が立つだろうか。
 もちろん、これも推測にすぎませんが。
 ただし、それを言うならば「デマだ!」と仰る方たちもまた推測でしかないのだよ。厳密な意味での真実など、当人たちにしか分からないのだから。

 まあ、百歩譲って認識の違いとしよう。
 彼らは「性加害」として認識していない。だが女性たちからすれば「性加害」でしかなかった。

 この国は性加害の問題に対して本当に甘い。
 それは江戸時代からの傾向だ。

 女性への性加害に対しての裁きは「男性側が酔っていれば減刑」や「女性の立場により刑罰が違う(既婚女性に対しての性加害の方が重罪だった)」など、一貫していない。
 また住民である男性の町人たちも、現代社会ではいわば役人に相当する武士たちも、これが重大犯罪であるという意識は希薄だったようだ。
 よって現代同様、泣き寝入りが多かったとの記述がみられる。

 何百年もの長きにわたって続いた、そんな体質が限界を迎えたという考え方もできるだろう。
 この世界に変わらないものなどないのだから。


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 江戸時代は平和な時代であったといわれる。その前の時代にくらべれば、それはそうだろう。

 だけど、女性たちはどうだったろうか。
 リアルなこの時代に大岡越前はいないし、藤田まことの必殺仕事人もいない。
 正当な裁きを受けることもなく、何の歴史上の文献に残ることもなく、どれだけの数の性加害に遭った女性たちが人知れず涙を流してきたのだろう。

 そう、そういう女性たちは、透明化されているのだ。
 それは本当に平和な時代と言えるだろうか?

 日本人は精神性が高い民族であるとはよく言われる。
 この冥王星水瓶座時代の始まり、時代の変わり目である今、スピリチュアル業界では本当によく聞かれる言葉だ。

 けれど、間違わないで頂きたい。
 全員の精神性が高いということではないし、これで完成、完全無欠であるということでもない。
 あくまでも相対的に見て……ということ。

 時代は物質的に既に飽和点を迎え、現在は精神性における成長を求められているとも言えるだろう。
 私たちの精神性が成長し、本質的な部分で問題をクリアしなければ、この問題はきっと何度も繰り返される。

 その度に彼らは無理矢理、口を塞ぐのか。
 それのどこをもってして、高潔な民族とすれば宜しいのか。
 黙認した者もまた同罪であるといえる。
 加害者を野放しにすることで、また新たな被害者が出る。そしてその被害者も透明化しておけば、この問題が議論の俎上に上がることもない。

 週刊文春が悪いのではない。
 被害者が黙っていればよかったのでもない。
 そこに漬け込まれるような精神性が、社会構造が悪いのだ。
 これは、この性加害を黙認してきた者たち、みんなの罪だ。


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 Xで、とあるアカウント(女性)が「女たちは黙ってさっさと子どもを産め、国が滅びる」と宣って炎上していたことがあった。
 私は閲覧専門なのでリプライせずスルーしたが、正直、気分は良くなかった。

 子を産むということは生殖行為ありきだ。
 好きでもない者とは番えないし、その体験はとてもデリケートなものだ。少し間違えれば、相手の尊厳など簡単に傷つけてしてしまう。
 傷んだ尊厳は2度と元には戻らない。

 国は人があるから国なのだ。
 土地があったって、人がいなければそんなものは国でもなんでもない。ただの土くれだ。

 この国は滅びるかもしれない。
 でも、別に構わない。

 ひとつ断っておきますが、私は日本人ですよ。在日外国人でも、その何世でもありません。反日ではないということ。左翼でもない。
 それから、反出生主義者でもありません。

 この国は好きです。
 だけどその国民は、一皮剥けばみな不幸せで、女性たちは尊厳まで傷つけられても泣き寝入りするしかない。逆にその尊厳を売る者まで存在する。
 男性たちは加害することにひどく鈍感で、自らが土足で踏み荒らしたものなど、顧みることすらしない。
 それどころか、弱い者がさらに弱い者を叩いている(女性たちを「女さん」「まんさん」などの蔑称で呼ぶアカウントが存在すること、それ自体が何よりの証拠です。逆はほぼ見ない。存在するのかもしれませんが)

 確かにこの国は、この国の50代から下の世代たちは、不遇の時代が長すぎた。
 就職氷河期、年功序列制度の破壊、リーマンショック、新卒でコケると2度とやり直しは効かない社会。
 だとしても、叩くべき誰かは違う。
 自らが不遇であるとするならば、その原因をつくることになった者たちを叩くべきです。
 女性たちが恵まれているようにみえるから、とりあえず叩きやすいところを叩く? ── はっきり申し上げて、短慮も甚だしい。

 だから、滅びても構わない。

 今のままで現状維持した結果、この国はどうなるのでしょう。
 争うな、男女が分断してしまう。
 そういう意見もありますが、分断してしまえばいい。
 お互いに膿を出しきって、それからならば再び和合する道もあるはずです。
 少なくとも、それは現状維持から導かれる未来などではない。

 終わりを恐れてはならない。
 終わってそれからでこそ、見えるものもあるのかもしれない。

 だからといって、日本政府(既に日本かどうかも怪しいですが)の悪巧みを看過していいかといえば、それも違いますが。

 私たちは詰んでいるのかもしれない。
 でも、詰んだその先にある未来は?
 詰む = Dead End なのか?

 そこから先は私たちが創っていく新しい未来でもあるはずです。
 私はこれまでの現状を維持することに全てを注ぎ込むことより、新しく立ち上がる新時代に期待したいと思っています。

 どうか、善き未来がありますように。
 そう願うばかりです。

 
 

 

 

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