「良いお年を」の言葉は良き。
少し遅めの帰りの電車。
車両には数人。とても静かで心地よい。
が、しかーし、発車数分前に学生らしき女子7、8人の団体が来た。
1番楽しい時だな。乗るや否やわちゃわちゃと
「来月、韓国行くねん」
「わーーいいなー、、トコジラミは大丈夫?」
ズコっとなるわ。
そこ?笑
静かな車内でのんびりした空気で帰りたかったなー
余りにも煩さければ車両を変えるのもありかな?
と隣車両をさり気なくチェック。
いや、なんか嫌みったらしいな、、
我慢しよ。
二駅程進んで、その内の二人くらいが席を立つ。
女子達はそれぞれに
「良いお年を〜」「良いお年を〜」って。
「バイバイーまたねー」じゃ無く。
なんか、日本人に生まれて良かったなってふと思った。
わちゃわちゃ、ガヤガヤしていても礼儀とは違う
なんだろな?
そう言う風に自分の親達も普通にして来ていて、それを当たり前の様にサラッと言える。
こんな若い女子達さえも。
相手の幸せを願う様な呪文の様な魔法の言葉と言うか、言霊的な。
なんだろう。
年賀ハガキが手書きからプリントごっこになって、パソコンになって、今やLINEが主流のこのご時世。
時間もお金も掛けずに楽っちゃ楽だし、私もかなり前にハガキ終いは既にしていて。
AIが今後どの様に世界を変えて行くのか末恐ろしい気さえする世の中だけれども、かといって、
アレクサやSiriの方から先に
「良いお年を」なんて言われないと思う。
まだまだ人間は捨てたもんじゃない。
そんな様な事を私は、真っ暗な夜の流れる車窓を眺めながらボーッと考えていた。
二人、四人と女子達は降りて行く。
「良いお年を♪」「良いお年を🎵」
静かな車内に響く彼女達の声。
良い子に育ってくれたなあ。
あなた達の母親の代わりに思ってあげよう。
今年もいろいろありがとう。
貴方にもそして私にも幸せな年が来ますように。
そんな願いが込められた言葉
「良いお年を」
素敵な言葉だなあ。