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おばあさまたちの恋バナ~女子の生き様~

高齢者の入院患者が多い病院で清掃の仕事をしていたときの話である。
病室から廊下まで、ワンフロアを掃除機がけをしなければならない。それも、普通に生活をしている入院患者様の間を邪魔をしないように気を使いながらである。
広いロビーで車椅子の入院患者様が集まっているところを掃除機がけしていると、介護福祉士さんたちの大きな声が聞こえてくる。
その日はホワイトデーだった。
「今日はホワイトデーです。バレンタインデーでチョコレートをもらった男性が女性にお返しをする日のことです。皆さんは今まで男性からもらったプレゼントでなにが一番うれしかったですか?」
と言っていた。かなり、突っ込んだ質問だなと私は掃除機をかけながら思っていた。
車椅子のおばあさまたちは恥ずかしいのかどうかわからないが、小声で話していたので、その先の話は聞こえてこなかった。
しかし、その質問自体が認知症などを患っているおばあさまたちの脳の活性化にはいいらしい質問なのだった。

社会福祉士の実習に行った時も、入所しているおばあさま方はいわゆる恋バナが人気だった。私は自分のことを話すのは気が引けるので、一緒に実習に来ていた医大生の女子に話をふり、恋バナをしてもらっていた。
昔は、いとこ同士とか、ちょっと遠い親戚同士で結婚させられることが多く、それが嫌で街に出てきたとおっしゃるおばあさまがいた。仕事で苦労した話や旦那さんとのなれそめなど聞いていた。
そのお顔は血色がよく、生き生きとしていた。

恋は老いてなおも人を輝かせるエッセンスの一つなのだなと感じた。
私も素敵な恋バナをしてみたいものである。


↓こちらでも記事を書いています。興味のある方は読んでみてください。


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