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選ばれる私・選ばれない私〜女子の生き様〜
【子どもの頃の徒競走】
小学1年生の頃、学校ではなく子ども会の運動会があった。
男子の部の徒競走が行われていた。
一等賞から三等賞まで景品に鉛筆が配られていた。しかし、その景品がどうやら無くなってしまったらしい。
どうしたものかと大人たちが話し合っていると、余計なことを考えつく大人がいるのである。
「一等賞の子にはご褒美に女の子からほっぺにチューして貰えばいいのよ」
私はそれを聞いていて、「アメリカ人みたいだなー」と思っていた。それなら、可愛い女の子がたくさんいるから誰がやるのかなーと、後ろを振り返ったら、そこには誰もいなかった。
「逃げ遅れたー」
と私は思った。察しのいい女の子たちは逃げ出していたのだ。やられた。
女の子とはこういう時のために群れを成して行動するものなのかとそこで初めて理解した。
そこには私しか女の子がいなかったのだ。
じゃあ、どんはれちゃんと言われて、私は「えー」と声を上げてしまった。
すると、一等賞を取った男の子が涙目になった。その男の子の母親に「うちの子に恥かかせるんじゃないよ」と言わんばかりに睨まれた。怖かった。
なんで、チューしてもらって当然なのかがわからん。私と徒競走の一等賞になんの関係があるのか?と当時思った。
「私にも選ぶ権利というものがあるわ」と言って逃げた私だった。
後に、「私、そんなことは恥ずかしくてできない」と泣き出すのが女子としては正解の断り方であったと知る。
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【新卒で働いた会社でのこと】
同僚に年上の美人がいた。見返り美人とはこの人のことで、女優の「小雪」さんのような正統派の美人だった。街を一緒に歩いていると男性たちに振り返られていた。私はというともう二十歳を超えてはいたが、4、5歳は幼く見られるので、高校生くらいに見えるのであろう、大人のおねえさんにつれられている未成年みたいに思わられているらしく私を見てナンパを諦めた男性たちがかなりの数いた。
もちろん、私も女子としての劣等感を感じたが、本当に綺麗な人だったので妬ましさより、こんな綺麗な人と知り合いであるという誇らしさみたいなものを感じてしまった。
その会社の同僚にお世辞にもイケメンとは言えない男性がいた。あまり人の容姿について言ってはいけないのだろうけど、男性にしては背が低く、長髪で、ロックな感じを醸し出していた。タモリ倶楽部に出てきそうな感じの人だった。
その男性があの超美人をナンパしていた。美人はこの手の男性を無碍にすると後でめんどくさいことになるので、丁重にお断りしていた。
その男性は美人を見つけると、手当たり次第にナンパしていた。美人に丁重にお断りされるのは彼の自尊心を傷つけることにはならないようだ。私はなんの茶番を見せられているのか?と思った。
なんだか声をかけられていない女性たちはブサイク認定されたようであった。
私も声をかけられていないので彼の中ではブサイクに分類されたようであった。
その男性が、イケメンで私が好意を持っている男性なら、そのような扱いをされたら傷ついていただろう。ブサイク扱いに多少気を悪くしたが、興味のない相手に選ばれなかったからって「別にーどうでもいいかな」としか思えない。
むしろ、面倒臭くなくていいかくらいにしか思わなかった。
だから、「私にだって選ぶ権利ぐらいあるわ!!」と言いたい。
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直木賞か、芥川賞を取った男性作家さんが、男子は肉食獣のようにハンターとなって女性を口説きなさいと言っていた。
その話を聞いてしばらくしたら、「草食男子」という言葉が流行り出した。
「草食男子」とは、皆さんも知っての通り、恋愛に積極的じゃない男性のことである。女性は男性に選ばれる性である。しかし、この草食男子の出現により、選ばれるのを待っているだけでは、何も恋愛が始まらない。女性もハンターのように男性を「狩り」に行かねばならないのだ。
「草食男子」は「狩り」をしないなら、女性に「選ばれる努力」はしているのですかねー。
女性は、「狩り」をしながら、「選ばれる努力」もしなければなりません。
そりゃー、「恋なんて、本気でやってどうするの?」ってなるでしょうね。
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