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〔60〕ウリケ・シェーデ博士が解き明かす平成大停滞の真相

〔60〕白頭狸時務随想 有朋自遠方来―ウリケ・シェーデ博士
 今朝、例によってユーチューブを流し見していたところ、『再興 the KAISYA』という書物の広告みたいな番組に出くわしました。
 著者はドイツ人の日本学者ウリケ・シェーデ博士という女性で、この方に日本人がインタビューしている番組です。提供者はPIVOT LEARNINGを称していますが、その正体を白頭狸は知りません。

 ともかく年来唱えてきた白頭狸の主張が、このインタビュー番組でしっかり裏付けられたので、白頭狸は大喜びしています。
 日本式経営が日本文化論に裏付けていることを明確に主張するシェーデ博士は、「タイトな文化の日本と、ルーズな文化のシリコンバレイを対比することで」日本経済の特長を浮き彫りにし、日本経済が平成大停滞に陥ったのは「安定を重視する日本社会の伝統に沿ったもので、必ずしも失敗でない」と喝破されています。

 来日するたびに日本がますます綺麗になったことを実感する博士は、日本が経済生産の停滞を以て内外から嘲笑されるのは失当である、と指摘されますが、これこそ白頭狸が年来主張してきたことです。狸は科学者として哲学する武田邦彦博士を敬重しておりますが、この一点において、武田博士と見解を異にしております。
 ようするに「平成大停滞」は、日本社会が「急成長より安定的発展」を選んだ結果であり、平成の三十余年間に家計の収入と消費は伸び悩み、家計資産は減少したが、GDPでは世界第二位の地位を中国に明け渡しただけでいまだに四位です。間もなく印度に三位を譲るでしょうが、究極の経済主体は国家でなく個人でもなく家庭ですから、家庭が崩壊しなければ何の問題もありません。
 労働者の給与は平成三十年の間はまったく伸び悩み、世界における順位がどんどん落ち、今やあの韓国を下回ったとして騒がれていますが、そもそも関西新空港が開港したのは平成六年です。
 白頭狸が観るところ、日本の社会的インフラは平成大停滞のもとにおいても少しも休まず改良され続け、大都市も地方都市も、あるいは田園風景でさえ平成初年とは見違える有様です。
 平成時代を通じ、個人はたしかに窮乏化の方向に進んでいますが、この原因の一つは、国内で消費生活の中心が、従来の八百屋と荒物屋から『百均とコンビニ』に移行したことです。この傾向を狸は喜んでいませんが、時勢の流れですから我慢しています。時勢とは国家を挙げてのシナ加油戦略です。

 日本の間接支配者として政治経済および文化を遠隔操縦するアメリカ覇権(軍産金連合)に対抗さすために、シナ共産党の政権を育成するのが平成日本の基本的戦略で、欧州王室連合の支持を受けていました。
 そのために日本のGDPは平成大停滞に陥りましたが、国家的レベルではインフラの拡充と防衛力の向上に勤め、外交的レベルでは途上国支援を継続してきました。
 そのワリを喰らったのが一般国民ですが、克くこれに堪えたのは理由があります。あのバブル末期に物質的欲望を解き放たれた素人娘がブランド小物とファッションリングを携えて半裸で踊り狂う「ジュリアナ現象」を目の当たりにした良民は、これをわが國風に適さざるものとして、早くも嫌悪感を催したからです。

 近来、狸が毎日訪れて数刻を過ごす和歌山市内ブラクリ町の貴金属買取業者の店頭には必ず数人の来訪女性があり、ファッションリングや18金の鎖を換金を求めていますが、小金が必要のためではなく、ジュリアナ時代を恥じる彼女らは、あの記憶が忌まわしいのでもう捨ててしまいたいのです。
 その換金品に群がるのがまたぞろチラホラと現れだしたシナ商人で、日本人が売った貴金属小物を、シナ人を含めた東南アジア人に仲介しているのですが。かれらの購買意欲の背後は自国通貨に対する不信感で、今や国際的に共通する現象です。
 これに対し国際的に独自の途を選んだのが平成日本です。
 それはなぜか? その答えを明快に示すのがシェーデ博士です。博士の主張は、ここにあげるよりも、ご自分でユーチューブを見てください。

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