〔225〕出口王仁三郎の[ユダヤ観]および「フリーメイソン」観 犬塚特調部による英系メイソンと米系メイソンの捜索において誤りがありましたので10/13昼に重要修正をいたしました。10/14早朝さらに追加しました。
〔225〕出口王仁三郎の「ユダヤ観」と「フリーメイソン観」
前で〔224〕ではハッキリさせられなかった、メイソン会堂捜索の時制・要員を犬塚きよ子『フリーメイソンのアジア管理』で確認したところ、今朝までに次の事が明確になりました。
フランス租界の米系メイソンのマソニック・ホールを特調部が初捜索したのは昭和十七(1942)年二月十五日の早朝です。捜索要員は犬塚大佐・新明きよ子(当時は新明姓)・柴田通訳・神保カメラマンで、他に先導役のモンクがいました。
その後、所用があった犬塚大佐を除く三名が再捜索に向かい、おどろおどろしい儀式用具を発見しますが、同時に北京結社から預かっていた古文書の木箱を押収したのは予想もしなかった大手柄です。
犬塚きよ子は前掲『フリーメイソンのアジア管理』において、「イギリス系の高級メイソンたる[ヨークライト第七階級]が地下納骨堂で行う秘密儀式はすべて【ユダヤ密教カバラの模倣】である」と論じていますが、落合はこれを「厳密な考証に基づくものではない臆説」と早合点しました。
米系マソニックテンプルで例のおどろおどろしい儀式道具をみて反射的に「魔術メイソン」を連想したきよ子が、さらに「崩れたソロモンの殿堂と半開きの旧約聖書」などを並べた祭壇にヘブライ語で十二支族の名などを書いてあることから、そこで行われる儀式を「ユダヤカバラ」と誤解してしまった、と思ったのです。それが早合点でした。
落合は予てから、英系メイソンは「反ユダヤ主義」をしっかりと内包していて、高級メイソンの秘密儀式はむしろそのことを露わにしたものではないか、と考えています。
つまり「フリーメイソン」と「ユダヤ教」の間に直接の関係はない、と考える落合は、米系メイソンの会堂の祭壇に置かれたユダヤカバラまがいの祭具は単なるインテリアと思ったからです。
それはさておき、米系マソニックテンプルで押収した文書を一覧して、他の結社の資料押収の必要を感じた特調部は、直ちに帝国陸軍・憲兵隊・海軍陸戦隊の協力のもとに活動を開始し、英系メイソンのマソニック・ホールおよびフィリピン系華人の「アミティ結社」を閉鎖します。
フィリピン系華人の「アミティ結社」の捜索は、米系メイソンを捜索した二月十五日の夜、特調部員数名と米国海軍陸戦隊とで行われ、当時の中華民国に存在した七十六結社の資料の大部分を入手することが出来たのですが、新明きよ子が現場に行かなかったのは、昼間押収した資料の整理もありますが、特調部が華人系メイソンを軽視していたからです。
犬塚大佐と新明きよ子のフリーメイソン・テンプル捜索の目的は、「白人系メイソンの内情調査」にあり、「大東亜戦争とメイソンの直接関係」を調べるものではなかったと、きよ子は著書『フリーメーソンのアジア管理』で明言しています。
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