〔151〕ペテロダラー体制の崩壊とキッシンジャーの死
〔151〕ペトロダラー体制の崩壊とキッシンジャーの死
勧進 すでに御高承と思いますが本月、白頭狸は宿世の縁によって病臥することとなり、降臨されたばかりのマイトレイヤ様への香華さえ欠かしがちです。有志の方々はこのnoteに対するサポートの形にて御布施を賜らんことをお願いする所存でございます。
さて昭和四十九〔1974)年に成立したペトロダラー(キッシンジャー・ドル)体制は半世紀後の令和四(2022)年に崩壊過程に入りました。
事の起こり同年2月24日にロシアがウクライナに侵攻したことです。このウクライナのロシア侵入について、落合は十分な理由ありと観ますが、それについてはしばらく措きましょう。
問題は、この侵入にたいしてアメリカのバイデン大統領がロシアに経済制裁を加えたことです。具体的には、ロシアが外国(米欧日)の中央銀行に保有する外貨準備三千憶ドル(約40兆円強)相当を凍結したのです。これでドルの資産としての安全性に赤ランプが灯りました。
ペトロダラー体制の片棒を担ぐサウジアラビアは、自国のイエメン内戦への介入を支持せず、イランとの核合意の再構築を図り、アフガニスタンから米軍を撤退させたアメリカに対し、ペトロダラー密約の安全保障条項の不履行による不満を募らせていました。
その一方、サウジの原油販売高の25%を占める中国から入る販売代金の一部でも「人民元建て」にすれば、国際石油市場でのドルの支配的地位が低下することは眼に見えています。
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