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【無料公開】オックスフォード大学合格への鍵:MSc ・MPPパーソナルステートメントとアカデミックエッセイ

 ダッシュボードを拝見していると大学のアドミッション情報への関心が非常に高いことから、まったくのご参考ではありますが、私がオファーをもらったマスターズコースの中から、オックスフォード大学MSc in Global Governance and Diplomacy(GGD)及びMaster of Public Policy(MPP)のパーソナルステートメントとWritten worksを無料公開させていただきます。中央省庁、政策コンサル、国連などパブリックセクターで勤務されてる方や働くことを志望されてる方で留学を検討される方向けの記事として作成していますが、その他の方にも参考となる部分があると思います。

 GGD、MPPのどちらのエッセーも内容的に重複している部分が多いですが、それぞれコースの質問内容に合わせてカスタマイズしています。また、アドミッションについてご質問等がありましたら無料で何でもお答えいたしますので、お気軽にコメント等でお知らせください。なおエッセーカウンセリング等に関する有料サービスについても文末に紹介しておきますので、ご関心がありましたらこちらもご参照ください。

注意:イギリスの大学ではTurnitinという精度の高い不正防止ツールが用いられており、既存の全てのアカデミックぺーパーはもとより、学生が大学に提出したあらゆるペーパーを突合させて、提出物に誤用や剽窃がないかが確認されています。このデータベースは英国中の大学で共有されており、剽窃や不正行為が確認されると極めて重いペナルティが課されます。下記のエッセーやパーソナルステートメントは、こうした点から適切にご利用ください。


1.MSc in Global Governance and Diplomacy (GGD)

 本コースは、グローバルガバナンスと外交の制度とプロセスに焦点を当てることにより、世界政治の全体像を理解できるだけでなく、地球環境ガバナンスや国際貿易と金融などの現代的なグローバルガバナンスの課題について学ぶことができるコースです。

 このコースについてはオックスフォード大学のホームページで以下のようにEntry requirementsについて説明されています。

 As a minimum, applicants should hold or be predicted to achieve the following UK qualifications or their equivalent:

  • a first-class undergraduate degree with honours, typically in a social science subject.

 The MSc in Global Governance and Diplomacy is one of the most competitive master’s degrees in Oxford’s Social Sciences division. Selection happens on the basis of excellence. Almost all successful applicants have a first-class degree or equivalent, but, in exceptional cases, we may balance this against significant other accomplishments.

 一級の学士またはそれと同等の資格が求められています。またオックスフォード大学の社会科学部門で最も競争的なコースであるため、殆ど全ての合格者がこれと同等の資格を有しています。ただし、例外的に、他の実績(一般的には職歴や他のアカデミックな成果か?)を考慮するということです。日本での同等の資格は以下の通りです。

 If your graduate course at Oxford requires a ‘first class undergraduate degree with honours' in the UK system, you will usually need a bachelor’s degree with an overall grade of 90%, ‘A’ (high) or ‘Outstanding’.

 英国では学校の成績が日本に比べてかなり重視されている印象です。提出物は、以下に添付しているアカデミックエッセー2通とパーソナルステートメントのほか、推薦状が3通とCVを提出しています。

(1)パーソナルステートメント

(2)アカデミックエッセー①

(3)アカデミックエッセー②

2.Master of Public Policy(MPP)

  MPPは公共政策分野のPost-experienceの方の留学先としてメジャーなコースの1つだと思われます(ほかにはMPA、MBA、Magister Juris、LLMなど)。ケースメソッドをもちいて公共政策に関する様々な課題を検討するとともに、現実的な問題に立ち向かうための交渉、コミュニケーション、デザイン思考などスキルを提供しています。

 このコースについてはオックスフォード大学のホームページで以下のようにEntry requirementsについて説明されています。

  • a first-class or strong upper second-class undergraduate degree with honours in any discipline.

  Applicants should have an outstanding academic record with exceptionally high academic results throughout, or should show an impressive upward trajectory in performance. This may be further evidenced by scholarships or prizes awarded because of academic abilities/achievements or glowing academic references ranking you at the very top of your peer group.

 MPPは実践的なコースであり、アカデミックな業績による能力証明だけでなくスカラシップを受けているかなどの評価についても考慮されるとあります。このため、例えば社費や国費で派遣されるということも考慮されていると思われます。なおオックスフォード大学のMPPでは参加している学生のプロフィールが毎年更新されていますが、どのようなスカラシップを受けているかが多くの学生で明記されており、同コースでのスカラシップの重要性を伺わせる紹介文になっていますので、ご関心のある方は是非見てみてください。なお、日本における同等の資格は以下のとおりです。

If your graduate course at Oxford requires a ‘strong upper second-class undergraduate degree with honours' in the UK system, you will usually need a bachelor’s degree with an overall grade of 80%, ‘B’ (high) or ‘Excellent’.

 MPPへの提出物は、下記の3つのエッセーに加えて、CVと3通の推薦状を提出しています。

(1)パーソナルステートメント

(2)ポリシーエッセー

(3)パブリックサービスエッセー

3.有料サービスの紹介

(1)Lauren Unik MBA Consulting

 エッセーカウンセラーとして、MBA界隈でも有名なLauren Unikさんをご紹介致します。上記のエッセーについては全てLaurenさんにレビューをいただいています。どのようなフォーミュラで書くのかという基本的なところから、ネイティブ目線での適切な言い回し、語数が多い場合でも大意をくみ取って適切に修文案を教えてくれます。また、ご自身もケンブリッジの卒業生(Master’s in Education with Distinction)であるのに加え、他のカウンセラーに比べて圧倒的に安いという点も魅力的です。

(2)橘宏樹さん(NPO法人ZESDA)

 日本人の視点でご助言いただける方として、橘宏樹さんをご紹介させていただきます。橘さんは現役官僚であり、オックスフォード大学のAlumniです。イギリスの大学やイギリス社会、そしてオックスブリッジについて非常に斬新な視点から分析されています。また日本人だからこそできる、入学のための小手先のテクニックだけでなく、より人生全体を深く通貫する助言を含めた講座を提供されています。

 また、橘さんは英国に関する書籍についても出版されています。オックスフォード大学に加え、英国そのものについても鋭く観察されいますので、ご関心の方は以下もお読みすることをお勧めします。

4.おわりに(そうはいっても、身もふたもない話として)

 英国の修士コースのアプリケーションは、まずコースによって全然倍率が異なります。下記は上記のそれぞれのコースの直近5年間の受験者数とオファー数です。GGDと比較してMPPは大分倍率が低いので、受かりやすさだけでいうとMPPの方が3倍程度受かりやすいです。また、橘さんからオックスフォード大学での日本人のアクセスのしやすさという点から、日本語が必須要件となっているMSc Japanese Studiesが非常におすすめだと教えていただきました。

アドミッションデータ(2019年-2024年)from WhatDoTheyKnow

 また、パーソナルステートメントやその他のエッセーも大切ですが、英国の大学は外貨を稼ぐ一大産業であり一種のブランドビジネスなので、レピュテーションを増してくれる人物かどうか、確実に授業料を支払ってくれるかどうか、といった点も重要になることは明らかです。従って、明示的に優秀さを示す大学の成績や(職歴がある場合)CVが重要になります。これらは一朝一夕では磨けないので、早期からの取り組みが重要になると思います。

 ただ裏を返すと英国の大学に行くということは、ある種の留学ブランドを買いに行くのと何も変わらないということでもあります。どれだけブランド物を身に着けても、己自身が磨かれていなければ尊敬は得られません。また、インターネットの発展によって世界中どこでもあらゆる情報にアクセスできます。英語も国内で十分安く毎日英会話ができるインフラが整っています。逆に留学していてもソーシャライズする機会を逃すと国内で毎日オンライン英会話するより英語を話す頻度は下がってしまいます。

 従って重要なのは、どこで学ぶかではなく、何を学ぶか、そして本気で学習に取り組んでいるか、といった点だと思います。ただそのきっかけとして留学することをうまく活用することはとても良いと思います。繰り返しになりますが、身に着ける服を気にするより、誰にも負けないくらい自分がわくわくする分野で己自身を磨くことにしっかり注力する。そうしたことが、とても大切なのではないかなと個人的には思うところです。

※なお、NOTEの内容は、すべて個人の責任で執筆されており、所属機関の見解を示すものではありません。


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