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【アドベンチャーレースに生きる!】から学ぶ極現状態でのリーダーシップ


アドベンチャーレースに生きる! 田中正人×田中陽希 百名山ひと筆書きへの挑戦はEAST WINDのためだった 単行本 – 2017/2/24 田中 正人 (著), 田中 陽希 (著)

アドベンチャーレースとは?

世界で一番過酷と言われるレースで、海、山、川、ジャングル、砂漠など、ありとあらゆる自然が舞台です。
体力はもちろん、精神力や適応力なども駆使して、チームとともにゴールを目指します。

この本を選んだ理由

プロアドベンチャーレースチーム、「イーストウィンド」のキャプテンである田中正人という人物がTV(TBS系列クレイジージャー二ー)で取り上げられてファンになった。
(写真左。右は田中陽希。名字は田中だが親子でもなんでもないがこの方もすごい方。残念ながら最近になりチームを自らの意思で離脱。キャプテン候補だっただけに残念。)

過酷な状況下でチームをまとめ、牽引する鬼軍曹と呼ばれる田中キャプテン。レース中には大怪我もするし、メンバーにいらだちブチ切れたりもする。

人間性を試される環境下において、人としての弱さが露呈するアドベンチャーレースは「人間の社会そのもの」と言われている。

どんな状況下においてもレースの速度は緩めず、最善の結果を求める田中キャプテンのその精神力に、リーダーとしてのヒントがあると思い、過去の著書を読んでみました。

「人と接する機会の少ない研究職は自分に合っていたけれど、それは苦手な人づきあいから逃げていただけじゃないのか。このままじゃ、人としてダメだ。アドベンチャーレースを突きつめれば、自分は人間として成長できる!」田中正人

アドベンチャーレース ルール詳細

  • 男女混合の規定人数でのチームであること(2~4人)

  • GPS等の電子機器の使用禁止(レース直前に渡される地図とコンパスしか使えない)

  • 動力の使用は原則禁止(走る、漕ぐ、泳ぐ等すべては人力)

  • 全員ですべてのチェックポイントを回ってゴールする。(1人リタイアが出たらその時点でレース終了)

勝つためには?

スタートからゴールまで数日に渡るレースであっても休憩時間はありません。そのため睡眠時間も食事の時間も極限まで削ります。
2日程度なら寝ずにゴールを目指します。
食事はもちろん進みながらです。

チェックポイントを通過するルールはありますが、ルートは決められていません。自分たちで考え、決断した道を進みます。
過酷だが近道か、道はマシだが遠周りか。
どちらを選ぶにせよ、立ち止まっている暇はありません。
ゴールを目指して進み続けます。

最大の敵は睡眠だそうです。
寝て、順位を落とすか、寝ずにトップを目指すか。
自転車を漕ぎながら寝てしまい落車して大怪我を負うこともありますので、この判断はかなり難しいでしょう。

極限状態で様々な決断を繰り返し、己の弱さに勝ち続けた先に勝利が待っています。                     

真のリーダーシップとは

本の中で田中キャプテンはこう語っている。

レース中、メンバーに「キャプテンは人のやる気をなくさせる天才!」と言われた。
チームの誰よりもレースに熱意があり、一番努力している。
体力も技術も知識も自分が一番で、誰よりも人生を駆けていると自負していた。だから他のメンバーに有無を言わさぬ態度を取っていたし、それがリーダーシップだと思っていた。
それについてくるのがメンバーの役割だと信じて疑わなかった。

そんな中で発せられたたのがこの言葉だ。
そこから真のリーダーシップとは何かを考えるようになった。

レース中、あるメンバーが極限状態の中、口笛を吹いた。
少し見下していたメンバーが、口笛を吹いた瞬間に空気が変わり、チームの士気が上がったことを感じた。
そこからそのメンバーに注目すると、常に真ん中のポジションを取りつつ、急ぎたいなというときは少し前のにポジションを移してチームに貢献する役割を担っていたことに気付いた。

「これが真のリーダーシップか。」

上から引っ張ることのみをリーダーシップだと思っていたが、力で引っ張るだけではなく、下から支えるリーダーシップというものもある。
立場や役割を認識して、チームにやる気を起こすこと、
これこそ真のリーダーシップだと知った。

以前こちらで元NY市長の著書「リーダーシップ」のまとめでも書きましたが、「リーダーシップは簡単に揺さぶられる信念の元では成り立たない。」という通り、田中キャプテンの信念は凄まじいものであったのでしょう。

しかそながらその信念を押し付けるようなリーダーとしての振る舞いは、真のリーダーシップではないということに気付かされたのです。

目的のため、目標のために、自分のすべきことをする。
他人に力を貸し、他人の能力を引き上げ、チーム力を最大化する。

それ以前には強い志、強い目標達成意欲が必要です。
しかしながら、そうでないような行動をとるメンバーを見下し、強引にチームを引率するリーダーシップはチームの崩壊と隣り合わせなのです。

この本から学んだチームとリーダーシップ

チームになったら、チームの目標を目指す。
イーストウィンドの場合は世界1位。

目指していく中で、個の課題を克服したり個の強みを発揮する。
道の途中には個性が出る。いい面も悪い面も露呈する。
いい面は活かし、悪い面はフォローする。
それがチームであり、その行いを自らの意思で行動に移すことをリーダーシップと呼ぶのだと思った。

リーダーシップは誰もが発揮していい。
誰もがリーダーシップを発揮できるチームが強い。

士気が下がったときに口笛を吹く。
ダメだってときは目を覚まさせる。
ヤバそうなやつを助ける。

自分の役割をこなしつつ、やれることをやる。
リーダーについていく。仲間の様子を伺いバランスを取る。
そしてピンチをチャンスに変える。

リーダーシップとは簡単に言うと目標達成に導く能力であるが
強い目的、目標さえきちんと腹落ちしていれば、リーダーシップを発揮することは容易なことなのかもしれない。

ちなみにグループとチームの違いは「達成すべき共通の目的があるか、否か」だそうです。

チーム・イーストウィンドには共通の目的があります。
それは世界1位になること。
そういうチームはメンバーがみなそれぞれのリーダーシップを発揮しているのだと思いました。

そういうチームを我々も目指したいですね。

以上、ありがとうございました。
https://www.youtube.com/watch?v=D4MiwcueBMU



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