不穏な手紙 ③
前回の内容
8月18日(日) 19:35
相変わらずスマートフォンに着信や通知は来ない。
しかし、スマートフォンを操作するとロック画面から、いくつかわかったことがある。
今回はそれらをまとめていく。
【1:カメラ】
一部のスマートフォンは、シャッターチャンスを逃さないためにロックがかかった状態でも写真を撮ることができる。このスマートフォンでカメラを起動したところ、落下した際に壊れたのか、カメラが壊れピントが合わずにブレていることがわかった。
何度撮影しても、「ジジジジ」と、機械音がしてピントが合うことはなかった。
【2:ウィジェット】
特定のスマートフォンにはロック画面から左にスワイプすることで、使用者が設定したアプリや通知を見ることができる。
それを試してみる。
画面にはいくつかのアプリが表示された。
表示されたアプリは全部で5つ。
①スケジュール
②写真
③時間
④買い物(リマインダー)
⑤移動所要時間
①のスケジュールには『明日:可燃ゴミ』の表示がある。近隣の地区を調べただけでも該当する地域は多く、特定には至らなかった。さらに、④移動所要時間を確認すると『1日4時間』の表示がある。自宅は他県にまたがことも考えられるため、特定はさらに困難だ。
自宅はカフェとは別の地域に存在し、お盆休暇の時期に帰省し、何らかの事件に巻き込まれたことも考えられる。
しかし、一番目を引くのは、②の写真だ。
背の高い草が直線状に生え、そこに影が差している。
その影に隠れるようにして、人の足らしきものが見える。
スマートフォンの持ち主はレシートの裏に以下のようなメッセージを残している。
◯男たちが誰かの死体を引きずって山に行きました。友人に証拠の写真を送ったところで充電が切れ、送信できたかわかりません。
この写真が、メッセージにある写真のことなのだろうか。
※この記事はフィクションです。みなさん(は)安心してください。
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