動画鑑賞録 『しんがり』
~山一證券 最後の聖戦~
『しんがり 山一證券 最後の12人』2015年 ドラマ 清武英利著
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山一證券株式会社 1897年設立 2005年 解散
あの日 テレビに映った山一證券の代表取締役(社長 ) 野澤正平はおいおいと子供の様に泣いていた。「社員は悪くありませんから!」と繰り返し、彼らを助けて下さいとひたすら頭を下げていた。
当時 私も同じ業界に身を置いていた為、そのあたりの状況は理解出来る。当時 インターネットは未だ存在せず、個人投資家は証券投資について正しい知識を持たなかった。ただ大手証券から提供される情報を鵜呑みにしていた。そんな中 金に敏感な総会屋に代表される反社会的勢力は、濡れ手に粟の証券会社からの利益提供に群がったのだ。
そして「利益供与」や、「飛ばし」の存在が明らかになった。1991年8月 野村證券本社に拳銃を持った右翼団体の構成員2人が人質をとって立てこもったこともあった。後始末の中で命を失った者もいた。 頭からコーヒーをかけられた営業マンの話もザラに聞いたものだ。それでも私は山一證券の野澤社長の姿を観て、不遜にも他人事だと思っていた。
しかしこのドラマを観て、何故 山一證券が潰れなければならなかったのか。2600億円の不良債権を訳も分からない野澤社長に投げ出した真の当事者達 旧経営陣。また清算の現場に立ち合った者たち(しんがり、殿)の『思い』。想像するに余りある。
それにしても平田満や、江口洋介は、本当に良い俳優になったなぁと思う。