着物と人間国宝
みなさま、ごきげんよう。椿伯爵夫人です。
夏に着物に興味を持ち始め急激なスピードで着物を見漁っているわけですが早くもチラチラしはじめたのが《人間国宝》ものです。
着物のレベル感(という表現が正しいかは?)でいくと…
1.リユースや譲り受けた着物
2.プレタ(既製品)の着物
3.織元・染めもの屋・呉服屋オリジナル図案の誂え着物
4.作家さんもの着物
5.人間国宝の作家さんの着物
という感じでしょうか。以前にもお話しましたが
私は主に1.の譲り受け着物と3.の作家さんにこだわらない誂え着物で着物ライフを楽しんでいくつもりでいました。
ただでさえ、誂えるスピードが早く周囲からも驚かれているくらいでしたので作家さんやましてや人間国宝なんて、さすがに良さもわからないし、金額的にも手の届かないものと思っていました。
はじめて人間国宝に出会ったのは丸中の催事で2本目の帯、はじめての袋帯を探していたとき。
「これ、素敵ですね」と何もわからず手に取ったのが、北村武志先生の織繧繝(おりうんげん)、通称「魚々子縞(ななこじま)」でした。
そのときは、担当の方も
「これは2つの人間国宝をお持ちの先生で去年亡くなられたんです」という説明に留まり、お値段すらも伺いませんでした。
漠然と「とてもパワフルな帯だったな」という印象を受けた記憶でした。
その数週間後、銀座もとじにふらっと秋ぽい帯かシンプルなお召しでもないかしらと立ち寄ったとき帰り際ににパーンと目に飛び込んできたのが一見全く違うのに…また北村武志先生!!
《羅》と《経錦》で人間国宝認定を受けた昨年亡くなった先生…
この間の先生‼︎ 素人で全くわからないのに今回も
不思議なパワーを感じたんです。
パワーとか高揚感が私の人生の全てなのでめちゃくちゃ悩みましたが…
でもさすがにまだ誂えた着物も着てもいないのに
初心者マークでランボルギーニに乗るみたいなものだろう…と冷静に見送りました。
いつかまたご縁のあるときはあるでしょう。と清らかな気持ちになりました。
そうこうして数週間後…また銀座もとじにふらっと出向いたときいつかは泥大島が欲しいと思っていたのでお勉強のためにいくつか見せていただいていたら…何このパワー✨✨✨
北村武志先生の帯のときと同じパワーを感じる
本場大島紬ではありませんか‼︎
お話を伺うと親子で人間国宝の森口先生のお父さまであります森口華弘先生が図案を描かれた一枚だとか…
息子の森口邦彦先生は三越の新しい紙袋をデザインされたときには一般人にも話題になった友禅の人間国宝です。
何とも絶妙なタイミングで、社長ともお話が盛り上がり…いただくことにしました。
着物沼の奥深いところにまた一歩ハマってしまった気がします笑
次回は、見えないところこそ大切な長襦袢についてお話いたします。
お読みいただき、ありがとうございました。